10月も終わり、一気に気温も肌寒くなり、
冬の訪れを感じ始めています。
どうもみなさん、笠希々です。
毎月最初の恒例記事です。
10月
10月は振り返ってみるとアニメレビュー自体は10本という
ややペースダウンで終わってしまいました。
原因は9月末から10月頭にかけて私がコロちゃんに
かかったことによる体調不良が原因ですね。
そこからいつものペースに戻るのに時間がかかってしまいました。
このブログ自体を始めて約14年、当時は20代だった私も
すっかり30代になってしまい、色々と無理が効かなくなってきました。
特に最近は週1は接骨院に通わないと首と肩の爆弾が
爆発して、ろくにアニメも見れなくなってしまっています。
そんな自分の老化とも戦いながらも、相変わらずアニメは見続ける日々です。
とくに10月は私の中でアニメ映画ブームが少し巻き起こっており、
映画館で3本の映画を見て、家でも1本の映画を見て、
更にアニメ映画関連のコラムを2本書き上げました。
このコラムが結構重量感のあるコラムで
調べないとわからない部分も多く、時間がかかってしまった結果、
TVアニメのレビューが少し減ってしまいました。
11月は少し気合を入れてやっていきたいと思います。
そんなわけで9月に見たアニメを
ランキング形式で振り返っていきましょう。
10位 異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
1クールに大量に存在する「なろう系」、
もう見る側も飽き飽きしている部分もありますが、
最近は色々と手を変え品を変えで工夫している作品も多く、
面白い面白くないはともかく、テンプレっぽい作品は
減ってきているような感覚でした。
しかし、この作品は99%テンプレです(苦笑)
物語の導入、設定、展開、ほとんどどこかでみたことがあるような
内容ばかりで作画のクォリティも悪い。
ここまでテンプレだと一周回って清々しささえ感じますが、
わかりやすくいえばなろうのパッチワークです。
そこに本作オリジナルの要素として「子育て」があります。
異世界に転生して出会った双子の子供を主人公は育てるわけですが、
双子自体の聞き分けもよく、とくにトラブルも起きず、
上っ面だけの子育て要素は舐めてるとしか思えませんでした。
EMTスクエアードらしいといえばらしい作品ではありましたが、
1クール、無感情で見てしまう作品でした。
9位 モブから始まる探索英雄譚
この作品もなろう系な作品でした。
設定自体は少し珍しく、異世界に転生したり転移するのではなく、
異世界がこちら側にやってくるような感覚の作品です。
世界中にダンジョンが出来て冒険者という職業も生まれて、
主人公はそんな冒険者として活動するもののモブのような人生。
そんな彼がたまたまレアなアイテムを手に入れて、
アイテムから召喚した女の子とともに成り上がっていく。
ストーリー自体はわかりやすいのですが、ご都合主義に
まみれた作品でした。
彼が成り上がるきっかけになったレアなアイテムを手に入れるのも、
1話の段階ではラッキー、運が良かったと納得できるのですが、
2話でまた同じようなアイテムを手に入れます。
このレアなアイテムを1クールで4度も手に入れる豪運さは
流石にラッキーという言葉で済ますのには無理があり、
ご都合主義感が半端ありません。
なろう系作品らしく「力」「女」「金」という
3大欲求を叶えるためにストーリーが動いていて、
降って湧いたように力を手に入れて、女性は主人公に惚れまくる。
そんなストーリーの裏付けが足りず、
ご都合主義にまみれた作品に見えてしまいます。
作画のクォリティもかなり悪く、コミカライズなどの
評判はいいようですが、アニメではカットしている部分や
謎の改変などもあり、なんとも微妙な作品になってしまいました
8位 ふれる。
今年も色々なアニメ映画を見てきましたが、
この作品はオリジナルアニメ映画の中ではワースト1な出来栄えでした。
監督は長井龍雪、脚本は岡田麿里、キャラクターデザインは田中将賀と
あの花トリオで制作された作品なのですが、
色々と理由のわからないことになっています。
「ふれる」という謎の生物に出会った3人の少年、
そんなふれるの影響で3人は触れるだけで心の声が
聞こえるようになります、そんな3人の関係性は
完成された友情で、3人は大学生になり社会人になるまで
ずっと親友同士です。
しかし、いざ3人で上京をすると都会女が
彼らの関係性を破壊しにかかります(苦笑)
一人はいつのまにか女性と付き合うだけでなく、
自分の彼女と知り合いの女性を3人の家に連れ込み、
5人で同居が始まります。
この過程もかなり強引で、
もうひとりのメガネ男は違う女性に惚れたのは良いものの、
その女性は主人公のことが好き。それなのにメガネ男にキスを許します。
もうこのあたりのゴチャゴチャした関係性は岡田麿里さんらしいとも
いえるのですが、ホモソーシャルな関係性をオタサーの姫たちが
ぶち壊していくようでした。
「ふれる」というコミュニケーションツールを使った
友情は本物なのか?言葉にすることの大切さなどを
描きたいのはわかるのですが、その軸がぶれまくり、
どうでもいい恋愛描写や終盤のド派手な展開が欲しかったんですと
いわんばかりのアクションシーンには
乾いた笑いしか出ない作品でした。
7位 ポッピンQ
興行収入のワーストランキングのコラムを作ってるときに
ちょっと見返したくなったので見返した作品です。
爆死したアニメ映画といえばという話題では
必ずタイトルがあがってくるのが「ポッピンQ」です。
この作品、何度見返してもターゲットが見えてこない作品でした。
メインキャラたちの年齢特有のもやもやや心理描写は
岡田麿里脚本的な描き方をしているのですが、
一方で異世界のポッピン族というキャラクターやダンスなど
女児向けアニメ的なニュアンスがある。
大人向けなのか子供向けなのか、
そのターゲットの不明瞭さもさることながら、
内容もかなり突っ込みどころがある作品です。
メインキャラの掘り下げの甘さ、唐突な展開の数々は
話について生きづらい部分が多く、とくにラストというか
エンドロールのあとの展開は本当に意味不明です。
明らかに続編を匂わせるようなラストをわざわざ差し込むのは
意味不明でしかなく、後にノベライズなどで続編はでたものの、
アニメとしてはそんな続編は存在しない状態です。
興行収入が伸びなかったのも納得できるほど、
作品として色々とチグハグな作品でした。
6位 がんばっていきまっしょい
この作品の原作は20年以上前の小説で、
実写映画化やドラマ化などもされました。
そんな原作を20年のときをへてアニメ化、しかもフルCG。
フルCGという時点で敬遠する人も多く、
この作品の宣伝方法も20年以上前の作品を
フルCGで最近の若手人気声優を集めて、
なおかつエンディングはAKB系のアイドルが歌っている。
色々とちぐはぐでどの層に向けて宣伝しているのか謎でした。
内容自体はやる気を失った少女がボート部に入ることになり、
頑張ることの意味を見つける、そういう青春ストーリーで
その部分に関してはやりたいこと、方向性も見えてわかるのですが、
全体的にダイジェスト気味なストーリー構成のせいで
掘り下げ不足のキャラクターも多かった印象です。
ボート部を題材にしているものの、レースシーン自体は
作中で2回しか描かれず、演出のせいですっきりとしない
アニメーションになっており、
CG自体のクォリティはそこまで気にならないものの、
やたらと背景を見せるようなカメラワークや構図など気になる部分もありました。
ストーリー自体は王道ではあるものの、
途中で主人公が急に同じボート部の男子部員に惚れだして、
そのあたりの恋愛感情のせいでうじうじしたりと、
その展開は必要だったのか?と思うような展開もあり、
モノローグや説明セリフを排除した台詞回しもエンタメ性にかけていました。
興行収入的にはポッピンQなみなのでは!?
とネット上では揶揄されていましたが、ポッピンQは
超えそうなくらいの1億には届かない、6000万くらいの
ラインになりそうです。
5位 転生したらスライムだった件 3期
転生したらスライムだった件も1期、2期と続き、
この作品で3期になり、4期も決定しています。
2期では会議まみれで気になる部分はあったものの、
1期や2期での主人公やその他のキャラの変化などもきちんと描かれていましたが、
この3期は2期以上に会議実まみれでした。
戦闘シーンもあるにはあるのですが、1クール目の終盤以外、
2クール目での戦闘シーンは模擬戦なども多く、
ガチな戦闘シーンは1クール目にしかありません。
主人公が魔王になり、彼の国も大きくなったことで、
周辺各国の情勢やそれに対応するための会議なども多く会話だらけです。
1期、2期とここまで転生したらスライムだった件という
作品を楽しんできた方ならば3期も楽しめる部分はあると思うのですが、
あくまでもキャラクターに対する思い入れやキャラが好きならば
楽しめるだけでストーリー的には淡々と会議をしており、
やや退屈なシーンが続く印象でした。
ただ4期も決定しているため、この3期はそんな4期の
盛り上がりのためのつなぎだったと思えるような
4期になることを期待したいところです。
4位 俺は全てを【パリイ】する〜逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい〜
この作品、出落ち的なニュアンスはあるものの、
その要素がマンネリになる前に1クール貫ききった印象のある作品です。
いわゆる「無自覚系」ななろう系主人公であり、
自分の強さに彼自身が気づいていません。
才能がなく、使えるスキルを持たない主人公が
努力に努力を重ね使えないスキルを鍛え上げているものの、
世間的には使えない「パリィ」のスキル。
だからこそ、彼の自尊心は低く、その自尊心が低くなる
状況作りが非常にうまい作品でした。
徐々に周囲が彼の強さに気づきつつも、
彼自身は無自覚なまま、その状況を続けさせるための
勘違いシチュエーションが非常にうまく、
アンジャッシュのようなすれ違いコントを見ているようでもありました。
いい意味でなろうらしい部分も薄く、
主人公の使うスキルが「パリィ」という敵の攻撃を弾くものだからこそ
チート感も薄く、ハーレム的な要素もありません。
中盤辺りからこの状況にやや無理が出始めてはいるのですが、
1クールスッキリとした面白さのある作品でした。
3位 異世界失格
なろう系のようにも見えるタイトルですが、
原作は漫画な本作品。
そんな「なろう系」をあの文豪が添削しているような作品です(笑)
恥の多い生涯を送って来ました。
そんな言葉が有名な「先生」が愛人と心中しようとした瞬間、
異世界へと送られる。先生はチートな能力を持っておらず、
それどころか生きる気力すら無い。
しかし、唯一の心残りである愛人の「さっちゃん」を
探すために冒険に出ます。
そんな冒険の中で様々な異世界転移者たちと遭遇します。
彼らはチートなスキルを持ち、そんなチートなスキルで
以前の人生では味わえなかったような優越感にひたり、
欲望に溺れています。
数々のなろう系主人公が陥りがちな欲にまみれた行動。
そんな主人公たちを見て先生は
恥の多いなろう主人公を暴き散らかします(笑)
「身に余る力を得たものが欲に溺れて堕落する、
実に人間らしいその様にボクは興味があってね」
先生が暴くなろう系主人公たちの恥の多い人生、
そんな人生に、本当の物語へおくり返しながらの冒険と、
ラストの展開は1クールで綺麗に起承転結が生まれていました。
なろう系のようなタイトルな作品ですが、
敬遠せずに是非見てほしい作品です。
2位 ONE PIECE FAN LETTER
ワンピースもTVアニメが始まって25周年、
原作もアニメも最終章に突入しているわけですが、
アニメは通年アニメとしての限界を迎え、
半年間の充電期間に入ることになりました。
そんな25周年を記念したのが本作品。
この作品の主人公はルフィや麦わらの一味ではありません。
ワンピースの世界に存在するモブ、名もなき彼らの物語です。
悪魔の実の力も覇気ももたない、海賊や海軍の戦いとは
無関係な少女は「ナミ」に憧れ、一通のファンレターを渡そうとする。
そんなストーリーがまっすぐ描かれる中で、
この世界の中での「ファン」をえがき、
時に戦争映画のように名もなき海軍を描く。
名もなき彼らの物語がどこか25年間ワンピースを
見続けた私達を彷彿とさせ、彼らに対する憧れや思いを
ワンピースの世界のモブたちも抱えています。
たった30分ほどしか無い作品ではありますが、
ラストの展開が本当に素晴らしく、
ぐっと心に残る作品でした
1位 数分間のエールを
この作品、公開自体は2024年6月なんですが、
すっかり見逃してしまっていました。
しかし、10月にドルビー版での特別上映が決まり、
足を運んでみることにしました。
たった1時間ちょっとの短編映画です。
メインと言えるキャラクターは3人しかいません。
夢を追い求めるもの、夢を諦めきれないもの、夢を諦めたもの。
この3人の物語に私は何度も涙腺を刺激され、
映画館から出た瞬間にオリジナルのアニメ映画では
「今年のベスト1だ!」と叫びたくなってしまうほどの作品でした。
主人公はMVづくりが大好きな少年です。
そんな少年が雨の中で歌うお姉さんと出会う。
ボーイミーツガールから始まる物語ではありますが、
そこには夢と挫折が詰まっています。
たとえ才能があっても、それが世間に受け入れられるとは限らない。
音楽の道を諦めた先生は主人公と出会ったことで、
その道を再び目指そうと思います。
しかし、主人公が作るMVは先生にも親友にも刺さることはありませんでした。
この作品にはご都合主義というものがありません。
主人公も先生も物語が始まって終わるまで有名になることもなく、
音楽やMVの道で成功して終わるという展開ではありません。
彼らは夢半ば、まだ道の途中です。
1度はその道を諦めた先生、完全に諦めてしまった親友。
夢にまっすぐ突き進む主人公とは少し違う道を歩いています。
そんな主人公が自分自身の思いを詰め込んだ
「数分間のエール」という名のMVが出来上がるまでの流れ、
何かを作り続けている人、何かを作り続けていた人への、
クリエイターへの賛美のようなストーリーに感動してしまいました。
フルCGということでクセはあるものの、
フルCGだからこそのVR空間のようなMV制作シーンなどもあり、
普段ヨルシカさんなどのMVを手掛けているHurrayという
制作会社だからこそ作り上げられた作品ともいえるかもしれません。
残念ながら上映は終わってしまいましたが、
配信や円盤が発売された際にはぜひ見ていただきたい作品です。
アニメ映画祭
アニメコラムの影響もありますが、
10月はアニメ映画をかなり見ている月でした
奇しくも10月にオリジナル作品としてはベスト1と
ワースト1の作品を見るという狙ったわけでもないのに
そうなってしまったのはちょっとおもしろいところですね。
11月と12月は個人的にはあまり気になっているような
アニメ映画が少なく、少し気になるのは
「忍たま乱太郎」くらいなのですが、
忍たま乱太郎に関しては私があまり見ていないため、
どうしようかと迷っているところです。
11月はTVアニメを中心にバンバンレビューしていきますので、
11月もよろしくお願いいたします。
この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください