どうもみなさん、今回は2020年冬アニメを
振り返ってみようというアニメコラムになります。
先月、約10年前の2015年冬アニメを振り返ったわけですが、
10年前というと最近にも感じる一方で、
もう10年もたったのかと驚かされる作品もありました。
近年は年間300本から400本のアニメが制作され、
10年前のアニメなどは、よっぽどの有名作品でないと
触れられることも少なく、話題になることもありません。
だからこそ毎クール、10年前のアニメを振り返ることで
少し古い作品を知って貰える機会になればとおもい記事にしておりました。
今回から更に「5年前」のアニメも振り返ってみようと思います。
2020年冬
作品数としては2020年冬アニメは48本ほど、
約50本のアニメが放送されていました。
この当時はコロナが流行り始める頃で、
2020年4月には緊急事態宣言も発動されました。
あのどこか先行きがどうなるかわからなかった時代に
放送されていたアニメ、振り返っていきましょう。
理系が恋に落ちたので証明してみた。

理系の恋は面倒くさい、文系の恋ならば
愛を語るだけでいいけれども、理系の恋は
その感情を「恋」と証明しなければならない。
そんな理論的に見えつつも、お前ら早く付き合ってしまえと
言いたくなるような作品でした(笑)
理系の大学院生である主人公とヒロイン、
さりげない告白から、二人は理系故に
「恋」を証明しようとする。
この面倒くさい遠回りがラブコメにおけるコメディになっていて、
シンプルに1クール笑いながらも楽しめる作品でした。
徹底的な恋の検証、それがバカバカしくも面白く、
1クール、芯の通った面白さのある作品です、
あまり知名度のある作品ではないものの、
2期まで制作されており、是非見ていただきたい作品の1つです。
虚構推理

こちらも2期まで制作された作品であり、
ミステリーでありながら同時にホラーでもあるという作品です。
そんなジャンルで描かれていたのは「嘘」でした。
ミステリーというものは探偵が真実を暴く面白さがありますが、
この作品の場合は「虚構」を紡ぐことで事件を解決します。
ややセリフ量の多さや1エピソードの長さは気になれるところですが、
ミステリーでありながら探偵が真実ではなく嘘を紡ぐ、
これがこの作品らしい独特な面白さを感じられる作品です。
テンポの悪さなどはあるもののキャラクターも可愛らしく、
1話を見て「面白そう」と感じれば最後まで楽しめ、
1クール通したエピソードを腰を据えて楽しめるような作品でした。
推しが武道館いってくれたら死ぬ

この時期はいい作品ほど、名作ほど配信サイトが
独占配信している場合が多く、この作品もそんな作品の1つでした。
アイドルアニメが流行ってる中でアイドルではなく、
そんなアイドルを応援する「ファン」を主人公にする、
目線を変えることで斬新さを生み出していた作品でした。
アイドルの5秒を1000円で買う、
そんなファンたちの行動や台詞がいちいち面白く、
そんなファンの愛に「アイドル」が答える姿に
深くにも涙を流してしまう。
ファンだけでなく、アイドルがアイドルらしく、
彼らが応援するだけの価値があるアイドルをプロとして
努めており、すべてのキャラに愛着を持ってしまう作品です。
笑って泣ける、1クールスッキリとした面白さがあり、
FOD独占配信でなければもっとヒットしていただろうなと思う作品でした。
number24

もはや覚えてる人も少ないと思いますが、
一時期「五郎丸」選手の影響もあってラグビーブームが起こり、
その影響もあってかラグビーアニメがいくつか作られました。
トライナイツ、そしてnumber24は
ラグビーブームに乗っかろうとして大失敗したアニメでした。
トライナイツもそうでしたが、ラグビーというスポーツを
やってるとは思えないほどガリマッチョなキャラクターたち、
更にこの作品はかなり「露骨」に男性キャラのセクシーさを押し出しており、
喘ぎながら筋トレをしていたり、男同士の関係性もBLを匂わせたり、
そういう内容をやりたいんだなと感じさせる作品です。
肝心のラグビーに関しても、ろくにルールすら説明せず、
試合シーンの短さやカットの多さはかなり気になるところでしたが、
5年前の作品一覧を見返すと妙に印象にも残っています。
わざわざ同志社大学が制作に協力しているのに
なぜこんな作品になったのか、未だに謎な作品です。
22/7

この作品もかなり謎な作品でした。
「22/7」という実在するアイドルグループであり、
そんな彼女たちがキャラクターを演ずる。
そのせいもあって演技力という部分ではかなり厳しいものがありました。
唐突に8人の女の子が集められ、「壁」と呼ばれる存在の
指令に従い、彼女たちはアイドルになることになる。
この時点で色々と強引な設定と展開が目立ち、
壁の指令に従っていけばアイドルとして勝手に売れていく展開は
特に面白みを感じるものではありませんでした。
そうかとおもえば、終盤、いきなり解散し、
なにかよくわからないままにライブをして終わります。
ライブシーンに見どころもなく、脚本部分での不完成ぶりが
目立ちまくる作品でした。
5年という月日のせいもあってか、
当時のメンバーも多く卒業しており、
思い返すと同時に月日の流れを感じることができる作品かもしれません。
ドロヘドロ

今年、2期が放送予定の本作品。
この作品、どのキャラもこの殺伐とした世界観で生き抜くために
どこかおかしく、狂っています、それがとても愛らしく、
一人ひとりの物語と義理人情が染み渡る作品でした。
過激な表現、グロテスクな表現も多いのですが、
そんなゴア表現すらコミカルに描いてしまう魅力があり、
作品全体として絶妙な塩梅で作品の1つ1つの要素が構成されており、
本気で殺し合うメインキャラたちというシリアスな要素を
シリアスに見せないのは素晴らしい作品でした。
1期の段階では中途半端な所で終わっていたストーリーも、
2期で動き出すことでどう見せてくれるのか。
2期が楽しみな作品の1つです。
映像研には手を出すな!

「アニメ制作」というものをテーマにした作品は
アニメというジャンルの中でもそう多くありません。
そんな中の1つがこの映像研には手を出すな!です。
3人の若者がアニメを創る。
そんなシンプルな物語ではあるものの、シンプルがゆえにたまりません。
子供の頃からアニメを創るという夢を忘れられない主人公が、
二人の友人とともにアニメをつくる。
そんな3人の世界観で彩られるアニメがたまりませんでした。
部活としての映像研の活動を描きながら、
お金も人員もない3人がアナログでアニメを作ろうとする序盤、
自由な発想と空想の世界をアニメという作品に仕立て上げる様が
本当に素晴らしく、こだわりと現実に悩みながらも
1つの作品を完成させる肯定がたまりませんでした。
もっと彼女たちのアニメ制作を見たい、
今も2期を待ち続けている作品の1つです。
インフィニット・デンドログラム

素晴らしい作品もある一方でひどい作品も当然あります。
この作品はそもそも制作側の「やる気」というものを
感じられない作品でした。
本来はきちんとした世界観と設定がある作品なのに、
それをきちんと紐解かず、怒涛の説明セリフでさらっと描き、
原作5巻分のストーリーを強引に1クールに収めた結果、
原作の魅力を一切感じられない作品になってしまいました。
戦闘シーンは手抜き極みのようにひどく、
PowerPointで創ったような文字演出だったり、
ガタガタの作画の戦闘シーンだったり、
もう本当に何から何までひどい作品でした
この作品の制作の前に「俺が好きなのは妹だけど妹じゃない」を
制作会社である「NAZ」は制作しており、
制作体制が変わらないままこの作品も作られた結果が
目に見えるような作品でした。
はてな☆イリュージョン

インフィニット・デンドログラムも酷かったのですが、
この作品はそれを上回るほどひどい作品でした。
原作はライトノベルで原作者の方はアニメ化前に亡くなっており、
原作のイラストはToLOVEるでおなじみの矢吹健太朗氏が手掛けていました。
そんな作品をまるで墓荒らしのごとく台無しにしていました。
ストーリーはともかくとして本当に作画がひどく、
ガタガタなんてレベルじゃないほどに崩壊しまくった作画は
笑えるレベル超えて嫌悪感すら感じるレベルのものです。
同原作者の「メルヘン・メドヘン」も作画崩壊を起こしたことで有名ですが、
この作品もまた2話以降の作画は壊滅的であり、
結果的に最終話を前に万策が尽きました。
ストーリーのテンポも最悪でグダグダとしており、
原作者が亡くなっているのを良いことに
適当にアニメ化したような作品でした。
異種族レビュアーズ

2020年冬アニメを語るうえで、
このアニメを語らず何を語る、
そんな作品が「異種族レビュアーズ」です。
見た方ならば「あ」とお察しいただけたことでしょう。
このアニメ、色々とやばい作品です(笑)
世界観的にはファンタジーな世界で、
当然、いろいろな種族がそこには存在します。
エルフ、天使、ドワーフ、サキュバス、フェアリー、ゴーレム。
見た目も何もかも違う種族が暮らす世界、
そんな世界には当然「夜のお店」も存在します。
この作品はそんな「夜のお店」にメインキャラたちが訪れることで
話が作られており、それ以上でもそれ以下でもありません。
しかし、そんな夜のお店では「行為」も含まれます(笑)
ただお酒を飲むだけじゃない、肉体的接触がメインの夜のお店に
メインキャラが訪れまくります。
いろいろな特徴を持つ種族、そんな種族と異種族が交わる新鮮さを
レビューに残す、やってることは最低なのですが、
それがとんでもなく面白い。
レビューアーたちも様々な種族で構成されており、
価値観の違うレビューを聞いてるだけでも面白い。
マニアックなお店もあれば、とんでもないお店もある。
そんなお店の数々に衝撃を受けるレビューアーたちに
思わず笑ってしまう作品でした。
しかしながら、その過激さ故に序盤は放送していた
TV局もあったのですが、多くの放送局で放送が中止になるという
異例な作品になってしまいました(笑)
過激さはあるものの、唯一無二の面白さがあり、
2020年冬アニメといえばこの作品という印象の残る作品でした。
名作と迷作が入り交じる2020冬
こうやって振り返ると、とんでもない名作もある一方で
とんでもない迷作もあり、とんでもない作画崩壊もある。
バラエティに飛んだクールといえるかもしれません。
当時はコロナ禍ということもあり、鬱屈とした気持ちを抱えていた人も
多かったはずですが、そんな気持ちを吹き飛ばすような
風俗レビューアニメがあったり、涙を流すような名作もあり、
素晴らしいクールでした。
5年という月日は短く感じますが、こうやって振り返ると
どこか懐かしくも感じるものですね。
というわけで、最後までお読みいただきましてありがとうございました。