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「このアニメ映画がすごい!2019」アニメコラム

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このアニメ映画がすごい!2019

本記事では「2019年」のアニメ映画作品をランキング形式で
10作品紹介いたします。
2019年に上映された作品は86作品ありました。

なお、本記事で扱うのは劇場オリジナルアニメに限ります。
名探偵コナンやクレヨンしんちゃん、
ヴァイオレット・エヴァーガーデンなどTVアニメシリーズからの
続きやスピンオフの映画は除きます。
(画像をクリックするとレビュー記事に飛びます)

10位 BLACK FOX


引用元:© PROJECT BLACKFOX

忍者の家系の主人公が復讐を近い名を捨てBLACK FOXとして活動する。
明らかにアメコミを意識したであろう忍者ヒーロー映画作品。

全体的にやりたいことはものすごく分かる部分が多く、
可愛らしいキャラクターデザインや冒頭のお刺さない頃の修業の日々など
面白い部分は多く、TVアニメ化されたら面白くなりそうだなと感じる作品だった

ただ、その反面で明らかに尺不足になってしまってる部分も多く
掘り下げ不足のキャラクターや唐突に仲間になるキャラなど、
展開の唐突さがもったいな感じの作品だ。
欠点は目立つものの世界観や要素は刺さる人には刺さる。

和製マーベルヒーローのようなノリは嫌いじゃないだけに、
制作側としては続編を狙ってそうな作品だからこそ
TVアニメ化やシリーズ化を期待したい作品だ。

9位 LAIDBACKERS-レイドバッカーズ-


引用元:©おばけ屋/LAIDBACKERS製作委員会

Studio五組による劇場オリジナルアニメ作品。
異世界から着た勇者と魔王や姫騎士たちが日本という場所で
日常を過ごす中で感情や立場が変化していおり、
その変化を楽しみつつ一人ひとりのキャラクターの魅力をも味わえる。

惜しむべきは尺が1時間しか無いせいかストーリー的には序章にすぎない。
魅力的な世界観と魅力的なストーリーと魅力的なキャラが居るのに
60分しか描かれないというのは非常にもどかしいものがある。

ゲーム好きで、腐女子で、アイドルで、小学生で、犬な異世界人な
穀潰しな彼女たちの日常をもっと見ていたかったと感じさせる60分になっており
1度見てしまえば続編を見たくてたまらなくなってしまう作品だ。

8位 劇場版シティーハンター 〈新宿プライベート・アイズ〉


引用元:©北条司/NSP・「2019 劇場版シティーハンター」製作委員会

TVシリーズからの作品ではあるものの
約20年ぶりのシティーハンターの新作アニメということでランクイン。

20年前にシティーハンターを好きだった貴方へ送る。
そんなキャッチコピーがまさにふさわしいほどのTheシティーハンター。
20年経っても色褪せない「冴羽獠」という主人公の魅力、
時代の変化に伴う技術の変化もたっぷりと取り入れた内容になっている。

あいも変わらず「もっこりちゃーん」と目をハートにする冴羽獠と、
そんな彼に「ハンマー」でお仕置きをする香、
コンプライアンスなど無視したウィットなセクハラは素晴らしいギャグだ。

良くも悪くもいつものシティーハンターな真っ直ぐなストーリーであり、
細かい部分で気になる部分はあるものの、
20年間にシティーハンターが好きだった人ならば間違いなく楽しめる作品だ。

7位 HELLO WORLD


引用元:©2019「HELLO WORLD」製作委員会

自分たちが暮らしている世界がデジタル世界で、自分はデータに過ぎない。
そんな衝撃的な事実から始まり、10年後の自分が現れる。

二重構造になってる世界観の面白さや、
堀口悠紀子さんによるキャラクターデザインの可愛さ、
セルルックCGの進歩をかんじる作品だ。
「一行 瑠璃」というヒロインの可愛さは破壊的だ。
ある意味でこの作品の魅力の7割位はヒロインの可愛さと言っても過言じゃない。

デジタル世界でのプログラムとの戦い、10年後の自分の世界の真実、
公式キャッチコピーによる「ラスト1秒でひっくり返る」というフリと
ラストシーンの1秒のオチは読めてしまう部分はあるものの、
どんでん返しからのどんでん返し、そこからのハッピーエンドは面白い。

ややSF要素が多いだけにSFに関する知識がないとついていけない部分もあり、
「マトリックス」や「インセプション」などの実写映画を見てると
分かりやすい部分も多いが、やってることはその2作品と近いだけに
面白いのだが色々と細かい部分も気になってしまう作品だ。

6位 映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ


引用元:(C) 2019 日本すみっコぐらし協会映画部

公開当時「逆詐欺映画」だったり「実質奈須きのこ」だったりと
わけのわからないバズり方をした作品だ。
そんなバズり方と裏腹にこの作品は王道だ。

「隅っこ」が好きなキャラクターという可愛らしい設定のキャラクターたちの
可愛らしさにほっこりとさせられつつ、
絵本の世界を旅する中でどこにも自分の居場所のない「ひよこ」の
居場所を探してあげるというストーリーだ。

「ひよこ」の真実と別れは思わず涙腺を刺激されつつも、
幸せなハッピーエンドへと至る。
子供も大人も一緒に楽しめて、一緒に泣ける、そんな王道な作品だ。

大人が一人でも見ても予想以上に楽しめてしまう。
個人的には「えびふらいのしっぽ」がお気に入り(笑)

5位 空の青さを知る人よ


引用元:(C)2019 SORAAO PROJECT

夢を諦めた大人と夢を諦めない少女。
そんな少女の前にかつて憧れた「姉の恋人」の生霊が13年前の姿で
主人公の前に現れることから始まる青春ストーリー。

監督「長井龍雪」と脚本「岡田麿里」というお約束コンビによる作品であり、
彼らの作品を見続けた人には思わず刺さる作品になっている。
30を超えて微妙な関係性になってしまった元恋人と諦めた夢、
おとなになったからこそ「諦めた」彼らのストーリーは
アラサー世代には突き刺さるはずだ。

10代の青春ストーリーと30代の過ぎ去りし青春ストーリーという
対比を作品の中にうまく落とし込んでおり、
メインキャラもサブキャラも魅力的で生き生きとしている。

「岡田麿里」脚本らしい感情の爆発ではなく、
繊細なキャラクター描写は本当に素晴らしく、
思わず涙腺を刺激されてしまった作品だ。

4位 フラグタイム


引用元:©2019 さと(秋田書店)/「フラグタイム」製作委員会

時間を止められる能力を持った少女が同級生のパンツを覗こうとしたら、
その少女も何故か時間停止空間で動けてしまって…
というとんでもない設定から始まる百合哲学作品(笑)

きっかけはスカートをめくろうとしたこと。
そこから二人の物語は始まり、二人だけの空間で、二人だけの時間を楽しむ。
八方美人な女の子は時間停止の中で好き放題する、
時間停止能力を持つ少女はその能力を逃げるためにしか使ってこなかった。
「時間を止められる空間」という二人だけの秘密の中で
二人の距離感が徐々に縮まっていく。

たった60分という尺の中でこの作品は百合と処世術と哲学を描いている。
二人の少女が自分の生き方を見つめ直し、百合という関係性の相互理解から
互いの生き方の答えを見つけ出す。
気持ちのいいラストとハッピーエンドも含めて本当に素晴らしい作品だ。

ただ惜しむべきは制作会社が倒産してしまい、
BDが出るかどうかが未だに不明ということだ。
もしかしたら幻の作品になってしまうかもしれない…

3位 天気の子


引用元:(C)2019「天気の子」製作委員会

「君の名は」から3年、新海誠監督による作品。
君の名はで一般受けを狙った作品を作ったことで多くの人に受けいれられ
多くの人が新海誠監督による新作に期待した。

そして出来上がった作品がこれだ(笑)
一般受けを意識した前作と違い、ゴリゴリの「セカイ系」。
あえて令和になった2019年に平成初期の頃の作品を彷彿とさせるような
セカイ系な作品に仕上げた新海誠監督。

雨が振り続ける東京を舞台に、「100%の晴れ女」なヒロインの力を
多用したことによる代償。ヒロインや主人公が犠牲になったり努力して
「世界」を救うのではない。むしろ、ヒロインを救うために世界を代償にする。
雨が振り続け、水の底へと沈む「都市」が映ったシーンは
思わず笑みが溢れるほどの素晴らしい世界系だ。

「The新海誠」イズムと言わんばかりの雨と水の背景の描写、
新海誠監督があえて初心に戻るような「セカイ系」というジャンルで
どこか煮え切らないハッピーエンドはニヤニヤしてしまう。

この20年、アニメを楽しんできた人に。
新海誠監督が好きな人に送る、そんな「オタク向け」な作品に仕上がっている。
好みはバリバリに分かれるものの、新海誠監督の作家性を強く感じる作品だ。

2位 海獣の子供


引用元:(C)2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会

圧倒的なアニメーションによる表現の追求はまさに芸術。
他者とのコミュニケーションが苦手な主人公が海と空という
ジュゴンに育てられた二人の少年に出会うところから始まる
ボーイミーツガール。

描かれてるストーリーは難解だ。
前半から中盤はボーイミーツガールなジュブナイルなストーリーであり、
人付き合いが苦手な不器用な女の子が二人の少年との交流の中で
社会との付き合い方や他者との関係性の付き合い方を学び、
自分自身を見つめ直していく。

中盤からは生命の神秘、宇宙の真理といったかなりSF的な内容になってくる。
人はどこからきてどこへいくのか。
難解な内容なだけに好みの分かれる部分はあるものの、
そんな哲学的かつSFな内容を言葉やセリフで説明するのではなく、
アニメーションという表現だけで描いている。

圧倒的な作画と演出によるアニメーションの描写はただただ圧巻される。
震えるほどの描写の数々に酔いしれることのできる作品だ。
アニメーションの1つの到達点、そんな言葉が思わず出てくるほどの描写を
1度見ていただきたい。

1位 プロメア


引用元:(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG

これぞまさにTRIGGER。
そんな一言がぴったりなTRIGGERによるTRIGGERが
好きな人のための作品と言ってもいい。

歌舞伎を意識した要素の数々と、ロボットアニメの要素の数数、
どこか懐かしさを感じる要素がありながらも、その要素の数々を怒涛の勢いで描く。
王道なストーリーは待ってましたと言わんばかりの王道さで、
期待通りの展開を期待以上の描写で魅せてくれる。

一切スローモーションを使わないハイスピードな戦闘シーンは気持ちがよく、
最初から最後まで一切のまばたきを許さないような目まぐるしい展開、
どこかダサさを感じるロボットデザインや演出をあえて取り入れて、
そんなダサさも一周回ってかっこよくみせてしまう描写は
流石はTRIGGERといいたくなるような作品だ。

最初から最後までまっすぐで、熱くて、燃えて、ワクワクが止まらない。
王道の気持ちよさと、ロボットアニメの魅力と、TRIGGERという制作側の
この作品にかける「愛」を感じさせる作品だった。

ロボットアニメが好きならば、TRIGGERという制作会社が好きならば、
王道なストーリーが好きならば、まっすぐなキャラクターが好きならば、
絶対に楽しめてしまう。
名乗りを上げて見得を切る、そんな歌舞伎なロボットアニメ映画を
ぜひご堪能いただきたい。

番外:ワースト3位 ドラゴンクエストユアストーリー

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引用元:(C)2019「DRAGONQUEST YOUR STORY」製作委員会 (C)
1992 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/
SQUARE ENIX All Rights Reserved.

公開当時悪い意味で話題になったドラゴンクエストユアストーリー。
ドラゴンクエストVを題材にした作品。

序盤から中盤までの原作からのカット、ダイジェストしまくりな
内容は賛否が分かれるところであり1時間40分ほどの尺に収めるために
設定の改変や追加などドラゴンクエストVという作品をいじりまわしている。

中盤から終盤はダイジェストが減ることで見やすくなり、
ドラクエらしい「結婚イベント」シーンや「親子三代」に渡るストーリーは
悪くないものの、ラストでなぜか「この世界は実はVRゲームの世界だ!」と
いきなりとんでもない設定がぶち込まれて作品を台無しにする。

敵であるウィルスの「大人になれよ」というセリフは
童心に帰ってドラクエを楽しんでいた視聴者の心をえぐり倒した。

番外:ワースト2位 あした世界が終わるとしても


引用元:(C)あした世界が終わるとしても

開始15分で「あ、この作品は駄目だ」と感じさせてくれる作品。
物語の世界観をストーリーの中で説明するのではなくナレーションで、
説明しまくるのは意味不明でしか無い。

シーンの切り替えがとにかく下手で唐突な展開にはついていけず、
制作側の頭の中だけでストーリーが完結してしまっており、
「見せる」ということが出来ていない。

絶対ヒロイン殺すマンだったキャラがあっさりと改心したり、
並行世界の人口密集地に「核」を落として大量虐殺を行う敵だったりと、
見てる側がストーリーやキャラクターの感情にまるでついていけない。

終盤の展開はご都合主義の塊でしか無く、
「ご都合主義弾丸」を撃ち込んで物語が終わる。
破綻したストーリーとご都合主義の数々は見ていて辟易するほどだ。
ひたすらに駄作。

番外:ワースト1位 二ノ国


引用元:©2019 映画「二ノ国」製作委員会

登場人物がもれなく馬鹿。本当に苛立ちしか感じさせない作品だ。
長年の親友よりも出会って30秒の敵の言葉を信じちゃう友人、
「障害者」という設定の主人公なのにあっさりと異世界ではなぜか歩けてしまうが
特にその部分の説明はない。

脚本を描いた人の頭の中でしかストーリーがきちんと描かれておらず、
見てる側にきちんと説明しないといけない部分を説明していないから、
違和感のあるセリフや描写が非常に多く、
主人公を敵国のスパイと疑ってたはずなのに
お姫様の守護者にする国王など馬鹿しかいない。

最初から最後まで本当にガバガバで、設定の統一性もなく、
最後に分かる主人公が実は異世界人だったという真実は何の脈絡もなく
あまりにも唐突で思わず「はぁ?」と言いたくなるような作品だ。

映画が始まって10分から最後の最後まで突っ込みどころしか無い。
そのツッコミどころをツッコミつつギャグアニメとしてならば
楽しめる作品かもしれない…

総評:2019年はオリジナルアニメ映画だらけだった!

本当に2019年のアニメ映画市場は盛り上がった。
多くのオリジナルアニメ映画やTVアニメの劇場版など86作品も上映されており、
多種多様な作品をたっぷりと味わうことが出来た。
名作も非常に多く、プロメアや海獣の子供などは本当にただただ圧巻される作品だ。

その反面で「君の名は」フォロワー的な作品も多く、
色々と独自性を出そうとしてるのは分かるが、妙な作品になってる作品も多く、
色々と有名な監督を起用した割にはその監督らしさを感じないような作品だったり、
力量不足を感じるような作品も多かった。

とてつもない名作もあれば、とてつもない駄作もある。
そんな振れ幅が強烈なのが2019年のアニメ映画だったかもしれない。

個人的な感想:楽しかった

2019年のアニメ映画は一言で言えば楽しかった。
もちろん駄作はあったものの、レビューしがいのある強烈な駄作が多く、
中途半端につまらないというような作品は少なかったように感じる。
そういった意味ではレビューをしてる側とすれば良い意味で楽しい年だった。

2020年のアニメ映画も今から楽しみな作品ばかりだ。
キービジュアルの時点で明らかに「あ、これつまらなそう」と
感じさせる作品もあるが、そんな私の先入観を
打ち破るような作品であってほしい(笑)

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