評価 ☆☆☆☆☆(0点) 全12話
あらすじ 物語をこよなく愛する妄想過多な少女・鍵村葉月は、友達もおらず、新しい家族ともうまくいかずに物語の世界に逃避する日々を送っていた引用- Wikipedia
2018年最駄作アニメ、早くも決定。
本作品はTVアニメオリジナル作品。
メディアミックスとして2014年から企画が始まっているが、
正式に企画が始まったのは2017年からであり、
アニメは2018年1月から放映された。
監督は斎藤久、制作はフッズエンタテインメント
なお、本作品は10話までがテレビで放映された。
1クール全12話の予定だったが、作画クオリティ改善を理由に
9話と10話の放送が延期されてしまい残りが放送できなくなった。
残り2話がどうなるかは、2018年4月の段階で未定。
1話そうそう、主人公が自分語りをする。
この作品は「本」が要素の1つと組み込まれていることもあり、
主人公がモノローグをまるで小説のモノローグのようにしゃべる。
コレが非常にくどい。
特に面白みもないモノローグを聞かされるのは苦痛でしかなく、
おそらくこの1話の冒頭段階で多くの視聴者を失ったと感じるほどくどい。
演技力の問題もある。
モノローグは相手に喋りかけるようなセリフではないため、
どうしても声優さんの演技力や声質の魅力によるところが大きく、
本作が初主演の声優さんには荷が重すぎるだろう。
声を張るときの演技は特にひどく、かなり厳しい。
引用元:© MMM/メルヘン・メドヘン製作委員会
モノローグセリフだけでなく主人公そのものにもイライラさせられる。
「小説の中の世界に逃げ込んで現実逃避」するというキャラだからこその
回りくどいセリフ周りなのかもしれないが、
全てのセリフがムダに長く、突飛な台詞の多さに非常にイライラさせられる。
そんな彼女が魔法の世界へと赴く。
この1話の見せ方も悪く、展開の強引さが目立ち、
主人公の行動や言動にまったく同意できないまま物語がどんどん進んでいく。
ストーリーとして本来は単純だ。
普通だった主人公が実は魔法の力を持っていて
魔法の学校へ通うようになるという展開は「ハリーポッター」を彷彿とさせる。
オリジナリティなんてものはない。
しかし、そんな単純なストーリーが頭に入ってこない。
引用元:© MMM/メルヘン・メドヘン製作委員会
苛立つ主人公の言動や行動、唐突すぎるストーリー展開と、
本来はシンプルな王道異世界魔法ファンタジーの内容のはずなのだが、
そのシンプルな内容をストレートに伝えておらず、
余計な回り道ばかりしてるせいで面白みも全く伝わらない。
脚本でどうなってるのか知りたくなるほど見ていて引っかかるポイントが多い
更に安易なセクシー要素。1話から主人公は全裸で逃げ回る。
可愛さやエロさ以前に露骨なあざとさすら感じるセクシー描写であり、
ブルマや全裸などのシーンもかなり多い。
お約束のように温泉シーンなどもあるのだが、
他のアニメでも見たことのあるようなセクシーシーンばかりで、
1話以上に過激なシーンは無い。
引用元:© MMM/メルヘン・メドヘン製作委員会
ストーリーもひどい。
この世界の魔法は「本」に選ばれなければ使えず、
主人公はシンデレラだったり、他のキャラはかぐや姫や一寸法師など
実在の物語の本から力を引き出し変身し、魔法を使う。
その魔法で何をするかと思えば学園バトル系の展開だ。
だが、本来はそんな学園バトル展開など必要ないはずだ。
彼女たちが使う本は特殊な「原書」と呼ばれる本だ。
この本を狙う虫がおり原書を食べられると物語が失われるだけでなく、
フレックという化け物になり襲い出す。
この虫と魔法使いの戦いだけで十分、話が作れるのだが
全10話の中でこの「フレック」は主人公たちの前には出てこない。
この設定だけ見ると「月光条例」が思い浮かぶほどパクリでしかないが、
虫は魔法使いが魔法使いが魔法を使いまくれば収まるらしく、
そのための学園バトル展開だ。
引用元:© MMM/メルヘン・メドヘン製作委員会
設定を盛り込む割にはその設定をきちんと使わない。
何のためにそんな設定が存在してるんだ?と思うほどに
ストーリーの中で作品の中の設定を活かさない。
アイデアだけで纏めきれていないプロット段階のストーリーを見てるようだ。
はっきりいって、よくここまで色々な作品を恥ずかしげもなく
ツギハギにできるなと感じるほど使い古されて
スリ擦れた設定を盛り込みまくっており、
オリジナリティのある設定が存在しない。
組み合わせて、言葉を変えてごまかしてるだけだ。
キャラクターも無駄に多い。
公式サイトなどを見てもらえば分かるがキャラ数は
総勢「31名」である(苦笑)
学園バトルものであり、しかも学園内ではなく全世界の各学園とのバトルだ。
ガールズ&パンツァーあたりからアイデアを拝借したのかもしれないが、
各国のキャラクターは各国の特徴を盛り込んでおり、
「カントク」がキャラクターデザインをしているからこそ見た目は可愛い。
引用元:© MMM/メルヘン・メドヘン製作委員会
だが、見た目だけだ。
話が進むほど作画が不安定になっていくせいでキャラの可愛さもなくなり、
使い捨てのようなキャラクターも多い。
きちんとしたストーリー構成の脚本ならばもっと生きたキャラも
いたかもしれないがキャラの魅力がきちんと描写されることはない。
そもそもストーリーの展開が遅すぎる。
学園バトルが始まり、きちんとした戦闘シーンが描かれるのは5話だ。
そんな中で主人公は序盤からなかなか変身できず、6話でようやく変身する。
主人公の変身を引き伸ばした「意味」があるならいいが、特に意味はない。
単純に展開が遅いだけだ。
主人公の覚醒もひどい。
主人公の勝手な解釈と家庭環境で「シンデレラ」のストーリーを書き換える。
自分の義理の姉と母が優しいので王子様の誘いを断って家に帰りますと。
「シンデレラ」のストーリーにツッコミ所があるのは納得できるのだが、
だからといって主人公が勝手に書き換えていい理由にはならないだろう。
引用元:© MMM/メルヘン・メドヘン製作委員会
ようやく覚醒しても作画がガタガタだ。
引き伸ばした割には盛り上がらず、戦闘シーンも見れたものではなく、
爽快感の欠片もないご都合主義全開の戦闘展開は呆れるしか無い。
特に9話の作画はひどいなんてものじゃない。
クォリティを上げるために延期しておいてこれか?と思うほどに、
溶けまくった顔、キャラの判断がつかなくなるほどに顔が変わりまくり、
上から下にカメラを動かしてるだけのシーンなのにカクカクしていたときは
流石に自分の見てる環境がなにかおかしいのかと思ったほどだ(苦笑)
結局、打ち切りであるためストーリーも中途半端な所で終わる。
後2話あった所でここから、どう展開できるかはたかがしれており、
もう少し最初からきちんと作ってほしかったと感じてしまう作品だ。
引用元:© MMM/メルヘン・メドヘン製作委員会
総評
全体的に見て何がしたいかわからない作品だ。
ハリーポッター的な魔法学校に通う展開になるかと思えば、
描かれるのは安易な学園対抗バトル、
盛り込まれたパクリ設定は盛り込んだだけで使いこなせず、
主人公にはイライラさせられるのみで何の感情移入も出来ない。
ストーリー構成も雑であり、遅すぎる展開と引き伸ばした割には
面白みに欠ける展開の数々、どうでもいい学園バトル、
能力物の割には駆け引きのうすい爽快感と迫力0の
バトルシーンは面白みはない。
はっきりいって作画以前の問題だ。
作画は確かに中盤以降はやばくなってしまっており、9話では死んでいる。
ネット上では制作スタッフが様々な愚痴をこぼしており、
作監に作画が回ってこないレベルのスケジュールだったらしく、
単純に「スケジュール」がやばかった作品のようだ。
しかし、作画がボロボロでも内容がきちんとしていれば
ここまでストレスを感じる作品ではなかっただろう。
逆に作画崩壊することで楽しめる作品も存在する。
だが、そもそも作画以外の部分で問題が多すぎる。
作画が神作画レベルでも私は同じ評価をしたかもしれない。
そう思うほどに作品を構成しているすべての要素がひどく、
まるでバラバラ殺人事件のようにまとまりのない作品だった。
引用元:© MMM/メルヘン・メドヘン製作委員会
個人的な感想
個人的には修行のような作品だった。
単純な作画の悪さだけだったら見れる、
展開の酷さだけだったらギャグアニメとして受け止めることもできる、
主人公にイライラしても他のキャラが魅力的なら見れる、
だが「ストーリー」が他作品のパクリの集大成でしかなく、
それをオリジナルとして昇華できていない作品には苛立ちしか感じない。
本来は200行を超えるレビューだったのだが、これでもだいぶ添削した。
不満点をまともに書けばこの倍はある。
2018年、コレ以上にひどい作品が生まれないことを切に願いたい。
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