評価 ★★★★☆(65点) 全60分
あらすじ ある日、シノはタカトシと魚見が2人で話しているところを偶然見つけてしまう。「私の所へ来ない?それなりの待遇を約束するよ―」そう告げた魚見は不穏な笑みを浮かべるのであった。引用- Wikipedia
劇場版に恥じぬ出来、いや恥じる出来?w
本作品は生徒会役員共の劇場版。
いわゆる「日常ギャグ」作品なのにまさかまさかの映画化だ(笑)
なお前売り券が本作品らしい仕様になっていたのが色々な意味で話題になった
見出して感じるのは生徒会役員共らしさだろう。
この作品はいわゆる「下ネタ」を主に扱っており、
アニメや原作を見た方ならばご存知のノリだ。
ただ劇場版ということをすごく意識している。
TVアニメが映画になると、たまに「スクリーンの大きさ」を
全く意識しないカメラワークや画作りをする監督がいるが、
この作品は冒頭から「劇場版?スクリーンでかいよね?なら!」と
言わんばかりのきちんとスクリーンを意識したカメラワークを
「無駄」にしている。
そう無駄である(笑)
シモネタギャグな日常系作品でぐるぐるカメラを動かしたり、
画面の端から恥までを意識した絵作りをしなくても、
この作品にそんな「映画館で見応えのあるシーン」を誰も求めては居ないだろう。
しかし、そんな誰も求めていない部分をあえて追求することで、
そこをきっちりと「ギャグ」にしている。
大空の絵から始まったと思えば「ドローン」が校舎に侵入するシーンから始まる。
グルングルンとドローン視点で動き回るカメラワークと、
動き回る過程で「お馴染みのキャラクター」を紹介していく流れは素晴らしく、
無駄に細かく3DCGを使っている点も突っ込みどころになっている。
演出面ではかなり豪華になっている。
背景に描写されているモブキャラがヌルヌルと動く3DCGになっていたり、
作画の質が無駄に高かったり、「このへんにスズ」などの
お馴染みの吹き出し演出も無駄に回ったりする(笑)
すべての演出をあえて過剰かつ動かしまくっている。
劇場版だからかこその予算の多さをそういった細かい部分と
作画の質に割いている感じが強く、はっきりいって過剰な感じもあるものの、
その無駄に豪華な感じの演出が、この作品においてはきっちりとギャグになっている。
トイレの中の水の透明感など本来は拘る必要は一切ないだろう、
窓から差し込む光で反射するホコリなど描写する必要はないだろう。
背景の細かい描写が「京都アニメーション」レベルでこりまくっており、
そんな不必要なこだわりを見つけるたびに妙に笑えてしまうのが
この作品の凄さだ
「スズ」に対する演出のバリエーションは特に凄い。
スズヘッドがスロット形式出回ったり、今作では「スズドリフト」などの
新技などもある(笑)
劇場版だからこその豪華な演出は笑うしかない。
内容はもちろん一切変わらない。
映画だからと言って国民的アニメのようにパラレルワールドに行ったり、
宇宙人が襲ってきたりはしない。
何ら変わらない安定の「生徒会役員共」でしかなく、それ以上でもそれ以下でもない。
ある意味で期待通りだ。
劇場版で「原作のアニメ化してないエピソード」を纏めてアニメ化して
閑話休題的に使うなど、ストーリー構成も飽きさせないテンポで描いており、
終盤の展開は劇場版のストーリーの締めとしてちょうどいいのを持ってきて、
きちんと「見終わった」感覚を残してくれるものだった
総評
全体的に見て「劇場版」というタイトルに恥じない内容になっている。
ストーリーは日常シモネタギャグにかわりはないものの、
細かい演出を過剰にこだわることで豪華さを出しており、
安易な総集編や特別なストーリーを描くのではなく、
あくまでも「いつもの生徒会役員共」だが劇場版としてきちんと作り上げている
作品自体とは関係ないのだが、
メインヒロインの3人を演じている日笠陽子さん、佐藤聡美さん、矢作紗友里さんと
全員が既婚者になっている。
人妻になっても下ネタを躊躇なく言い上げる姿は声優としての貫禄すら感じた(笑)
個人的な感想
個人的には大好きな作品なだけにまさかの劇場版だったが、
スクリーンで見ていなくて後悔している(苦笑)
このシモネタギャグアニメを劇場という場所で他の人と共有してみるという、
ある種の「プレイ」もこの作品を劇場版にした意味の1つでもあり、
そのプレイに参加できなかったことを嘆かざる得ない。
3期はあるのだろうか?
OAD形式で結構長い間続いているだけに、ぜひ3期を期待したい所だ。
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