評価 ★★★☆☆(54点)全12話
あらすじ 女子大生・烏丸千歳は「つまんない事なんてしたくない」という思いから声優養成所の門を叩き、これを卒業して晴れて声優デビューを果たす。引用 – Wikipedia
女性声優の世界は覗いてはいけない女の園である
原作は渡航によるライトノベル。
漫画などでもほぼ同時期に連載が始まっており、
メディアミックスの要素が強い作品だ。
監督は井畑翔太、制作は ディオメディア
1話始まって早々に「声優」による「アニメイベント」が描かれる。
おそらく数多あるアニメ作品の中でアニメイベントのシーンから
始まる作品はこの作品くらいだろう(笑)
アニメイベント特有の「ノリ」や「お約束」的なものが生々しく描かれ、
アニメイベントに行ったことがあったリ見たことがある人は
この妙にリアルな再現率に思わず笑ってしまうだろう。
この作品は「声優」が描かれている、いわゆる業界モノだ。
最近、声優が描かれることは多くなってきており、
作品で言えば「それが声優」や「SHIROBAKO」などが代表的なものだろう。
SHIROBAKOはアニメ制作の中の1つの要素として、
それが声優は職業モノとしてリアルに描いており、どちらも魅力的で面白い。
この作品はその2つの作品とは方向性が違う。
一言で言えば「生々しい」作品だ(笑)
声優を描いてはいるが、この作品は声優というより「女性声優」という
事に重きをおいており、女性だからこその会話がトイレなどで繰り広げられる。
同じ作品に出てる声優の悪口、女性同士の上辺だけの会話、
たった1シーンの女子トイレの中の会話だが、
「女子」特有のリアルかつ生々しい女子トークが繰り広げられる。
マネージャーに文句を言う様、嘘を言って打ち上げに参加しない女性声優、
自分のことをエゴサーチする声優などなど、
まるで本当に「見てきた」ような生々しい女性声優キャラクターたちの
セリフと行動は現実的で、その現実感がギャグになっており面白い。
そして主人公、この顔である(笑)
はっきいりいって性格は悪い。
まだ新人ではあるが心の中の声が度々見ている側に聞こえてくるため、
その性格の悪さと行動、ちょい役なら原作すら読まない舐めた態度や、
先輩に対しての上辺だけの態度やセリフなど笑えてくるほど性格悪い(笑)
「声優業界は大変だ、おかしい」「声優つまんない」
「なんで売れそうにないアニメ作るんだ」とつぶやき、
売れる声優になってチヤホヤされてお金を稼ぎたい。
そんな主人公である(笑)
性格が悪いのは主人公だけではない。
あざとさMAXのロリ声優、ツンツンで態度が悪い中堅声優など、
誰とは言わないが「居そう」な生々しい声優像をキャラクターにしており、
その妙な生々しさが見ている側にとっては笑いになる。
「ラノベ作家が何勘違いしてるんだ、イラストのおかげで売れた」
「原作者キモイ、顔テカってる」
「結局何がやりたい話だったかわからない」
主人公以外にもこういった性格の悪い言動が非常に多く、
だが、その言動がある意味で正しいからこそ笑いにつながってる。
そしてキャラクターデザインが非常に優秀であり、
可愛い外見で可愛い声だからこそ、その毒の強いセリフがよりギャグになっている
ただ逆に声優やアニメ業界を馬鹿にしているような感じもある。
声優達による毒のある声優業界やアニメ業界批判、
アニメ業界人の態度や仕事ぶりなど、
実際に表には出ない裏の部分を描いているからこそ面白くも有るのだが、
裏の汚い部分を誇張して描いて馬鹿にしているような感じに受け取れなくもない。
ストーリー的にもわりと淡々と声優の日常を描いている感じが強く、
同じ声優を描いている「SHIROBAKO」や「それが声優」などに比べると
キャラクターの成長という部分や盛り上がりどころは薄い。
アニメ業界のゴタゴタや裏側なども描いてはいるのだが、
そのゴタゴタをメインキャラが解決するわけではない。
彼女たちはあくまで声優であるため、アニメ業界のゴタゴタに傍観するしか無く、
その割りにはアニメ業界のゴタゴタのシーンの描写が長かったりする。
物語のテンポ自体はいいのだが、正直30分だと間延びしている感じも有り、
話によっては15分でいいんじゃないか?と思う話もある。
ギャグやコメディ要素が強いだけにガンガンにテンポを上げて、
15分尺で勢い任せに描けばもっと面白くなった作品だったかもしれない。
中盤で急にいい話的なのもぶち込んできたが、
正直、この作品にいい話を求めてない人が多いのではないだろうか?
終盤ではいわゆるシリアス的展開も有るのだが、
いい話と同様にこの作品にそこまで重いシリアスがあるとは思わず、
しかも、それが長い。序盤の雰囲気とあまりにも雰囲気が違ってしまっていた。
総評
全体的に見て色々と惜しい作品だ。
声優業界やアニメ業界に対する批判や本音をかわいいキャラクターに
毒気の有るセリフと共に言わせることで笑いになっているが、
その反面で馬鹿にしている感じも有り、好みが分かれるギャグ要素になっている。
ストーリー的にも序盤、中盤、終盤でかなり印象が違い、
声優をモチーフにした可愛いキャラクターたちの性格の悪い毒気の有る
セリフと日常が面白いのであって、
いい話やシリアス話をするような雰囲気のある作品ではなく、
いい話やシリアス話が作品としてのいまいち面白さにつながっていない。
更に言えば出落ち感が強い。
声優&アニメ業界批判ネタは面白いのだが、所謂内輪ネタであり、
それ以上の要素がこの作品には薄く、その薄さを誤魔化すために、
いい話やシリアス話を足してる感じが強く、
ストーリー的にも盛り上がりが薄く淡々としている
作品全体としてそれぞれのキャラクターが成長しており、
ある程度1クールで話が完結している。
その点は高く評価したいところなのだが、
せっかく「それが声優」や「SHIROBAKO」とは違う方向の
毒気のある声優ギャグアニメとしての魅力があるのに、
それを貫ききれてない中途半端さが作品全体の面白さも中途半端にしてしまっていた。
30分アニメではなく15分アニメならいい話やシリアス話も、
そこまで気にならなかったかもしれないが
30分アニメであるがゆえに、欠点も強く出てしまっていた作品だ。
個人的な感想
個人的にはこれだけ女声優業界を生々しく描いたのだから、
声優の恋愛に関しても何かしら皮肉って描くかと思ったのだが、
「一般人ってどこにいる?」くらいのサラっとしたものしかなかったのも残念だ。
売上的には爆死、1巻は1000枚で2巻以降は500枚前後とかなり厳しい。
原作が完結しているようなので2期を演る予定はないのかもしれないが、
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完結というか打ち切りというか
所詮、原作者がそこの住人だった臭い
売りスレ辺りからコピペネタじゃすぐに
ネタが尽きてしまってたんですよね