評価 ★★☆☆☆(39点)全12話
あらすじ 人気ソーシャルゲーム「魔法少女育成計画」には、プレイヤーの数万人に一人を常人離れした身体能力と可憐な容姿、人間にはない特殊能力を持つ「魔法少女」にする力があった引用 – Wikipedia
戦わなくても生き残れるっ!
原作はライトノベルな本作品。
監督は橋本裕之、制作はLerche。
見出して感じるのは可愛らしいキャラクターデザインだろう。
目が大きく細いが等身はわりとしっかりしており、
萌えキャラっぽい外見だがスラッとした身長できちんとしたキャラデザだ。
いわゆる日常萌えアニメっぽい感じもありながら、
ファンタジーアニメっぽい感じもある。
そしてストーリー。
魔法少女育成計画というソーシャルゲームが流行っており、
そのゲームではプレイヤーの数万人に一人を本当の魔法少女にするという噂があった。
そんなゲームを遊んでいた主人公は突然、魔法少女に選ばれ変身し、
魔法少女として活動していくというところからストーリーが始まる。
面白いのは変身した後の姿と変身する前の姿がかなり違うことだ。
多くの魔法少女ものアニメは変身する前の姿から、
いわゆる「魔法少女な衣装」に変わるだけが多い。
だが、この作品の場合、ソーシャルゲームの中のキャラになるという要素もあり、
キャラクターによっては「性別」すらも変わるほど別キャラに代わる。
変身する前は妊婦だったり、ニートだったり、中ニ男子だったり、
変身を解かない限りは「声」以外では誰とわからないほどの変身ぶりだ。
コレはある意味、魔法少女アニメとしては斬新な要素とも言える
この作品には明確な敵と呼べる存在が居ない。
魔法少女たちは16人が同じ街で活動しているが、基本的には人助けだ。
だが、そんな中で運営側から「8人」に魔法少女を減らすといわれる。
最初はゲーム感覚で争っていた魔法少女たちだが、
魔法少女から脱落したものは「死ぬ」事が判明した結果、サバイバルゲームが始まる。
いわゆる「魔法少女まどか☆マギカ」系の可愛い外見のキャラが残虐な死に方や
シリアスな展開に巻き込まれるギャップ的な作品だ。
そういった意味では「まど☆マギ」の影響をかなり受けている面も大きく見られる。
可愛いマスコットキャラが現実的かつ理不尽な事を言う面や、
残虐な死に方などかなりの影響を受けている。
ただストーリーとしてやや強引に感じる部分はある。
「魔法少女まどか☆マギカ」は魔法少女になる代わりに
なんでも願いことを叶えてくれる、だが代償は大きく残酷だ。
しかし「願い事を叶えてくれる」という利点があるうえに
戦わなければならない理由付けもきちんとなされている。
しかし、この作品の場合は特に願い事を叶えてくれるわけでもなく、
ソーシャルゲームを遊んでいたら選ばれるだけだ。
しかも選んでおきながら16人は多かったので8人に減らすといわれ、
魔法少女の資格を失えば死んでしまうという条件付き。
理不尽さと言う意味では「魔法少女まどか☆マギカ」を超えている
「魔法少女まどか☆マギカ」は世界観や設定作りがうまかったが、
この作品の場合は「女の子同士を殺し合い」させるためだけの設定づくりであり、
やや強引さや理不尽さが目立ってしまっている。
キャラクターたちも割とあっさりと殺し合いを行う、生き残るためだけにだ。
そういった意味では「バトルロワイヤル」に近いものが有る
それぞれのキャラがそれぞれの力を使い、騙し合い生き残るために戦う。
キャラクター同士の行動や言動はかなり考えられて作られており、
「意外な裏切り」であっさりと強キャラが死んだり、
きちんとした伏線が回収されるストーリー構成はうまい。
ただ16人というキャラクターを掘り下げるために、
毎話のように回想シーンが入ってしまい、
キャラの掘り下げが回想シーンでしかできていないのはちょっと
見せ方としてワンパターンであり、
せっかく濃ゆく癖のあるキャラが大勢いるのに掘り下げ不足になってるキャラも多い。
掘り下げ不足を目立たせないためにぶっ飛んでいるキャラも多く、
あっさりと殺し合いに挑むキャラであるがゆえにネジが外れている。
濃ゆいキャラ付けのキャラはストーリーの面白さを出すためには欠かせないが、
そういったぶっとんだキャラ頼りになってしまっている感じも否めない。
序盤のバトルロワイヤルになる展開も早く、
キャラクター数を減らしてキャラクター同士の信頼をもっと深めたあとに
バトルロワイヤル展開になったほうが展開のギャップも大きくなっただろう。
正直1クールという尺はテンポの速さを生んでおり、
トントン拍子で話が進むのは良いのだが2クールくらいでじっくり見たい部分も多い
キャラの回想シーンが入る=そのキャラが死ぬ構図も生まれており、
せっかくキャラ同士の騙し合いや能力による駆け引きが面白いのに
早い段階で誰が死ぬかと言うのが分かってしまう展開はやや甘い。
フラグを立てまくってフラグ通りに死ぬような感じだ
グロ描写に関してもやや中途半端だ。
血はよく吹き出すが、印象に残る衝撃的なシーンというのが少なく、
見せ方が甘く演出力不足になっている点も目立つ。
主人公の印象も薄い。
あまり戦闘向きの能力ではなく中盤からは割りと傍観者になっており、
主人公とあまり関係ないキャラが主人公の見ていない所でどんどん死んでいき、
主人公が蚊帳の外になっている感じが強かった。
総評
全体的に見て新鮮さはない。
やってることは「魔法少女まどか☆マギカ」のような可愛いキャラのグロい
「バトルロワイヤル」であり、
それがやりたいための世界観や設定だけであまり深くはない。
1クールという尺だからこそのテンポの良さは悪くないのだが、
そのテンポの良さで細かい部分を誤魔化している感じも有る
使いこなせていない設定も多い。
本来は16人で人助けでもらえるキャンディの数を競い合い
毎週キャンディの数が1番少ない人が魔法少女の資格を失うという流れだったが、
その要素が活かされたのは序盤のみであとは「キャンディ?なにそれおいしいの?」
状態で毎週誰か一人殺せば問題ない状態になっている
結局16人居てもスグ死ぬキャラが多く、
すぐ死ぬキャラのために回想シーンで尺をとって、
その回想シーンで辛いバックボーンやシリアスなキャラ設定をつけたあとに
殺すと言う展開が多く、そこにもっと主人公が
絡まなければストーリーに深みが生まれない。
最後まで見ても救いのようなものはない。
殺し合いが行われた目的もあってないようなもので、
その目的や設定なども最終話でさらっと説明されるだけ。
結局のところ世界観も設定も「少女たちの殺し合いをさせる」という事を
やりたいがためだけの最低限の設定で浅い
けっきょく主人公は戦わずにして終わる。
ハッピーエンドとは言い難い形で終わりスッキリとしたとは終わりとは言い難く、
終わった後に「う~ん・・・」という感じのまま終わってしまった。
個人的な感想
個人的にはもう一歩、いろいろな部分で踏み込んでほしかった。
16人いるキャラクターも、ストーリーも、世界観も、設定も、演出も。
いろいろな部部分がもう一歩踏み込まずになぞるような浅さで終わってしまい、
色々な作品を組み合わせただけでこの作品ならではの魅力を
感じずに終わってしまった。
売上的には1500枚前後と爆死気味、
続編も色々とあるようでこの作品は1巻の内容+短編で構成されているらしい。
それならば1巻の内容を6話くらいで圧縮して描いて、
きちんと主人公が活躍するらしい話の続きも描いてほしかった。
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1作品目では、たしかに主人公は無能なので、ムノーホワイトと呼ばれてます。
2作品目以降は強キャラですが。
キャンディの設定が序盤だけでしか生かされていないというのを批判されてますが、それは間違えです。
実際キャンディーは殺し合いを促すために、クランベリーたちが適当に考えた設定ですので、自発的に殺し合いか起こる後半ではどうでもいいことなのです。
そもそも魔法少女育成計画は魔法少女同士で殺し合う作品なので、まどマギとは似て非なるものですよ!
原作をちゃんと読めばわかるはずなので、読みましょう!
他の多くのアニメでは原作を読まなくてもアニメの中で理解できるようになっています。
原作をちゃんと読めば分かるということはアニメを見なければわからないということでして、
当サイトとしては「アニメのレビュー」というスタンスですのでご理解ください。
なぞるような浅さはなく、かなり深みがありましたよ。主人公が絡まなければストーリーに深みが生まれないというのはかなりおかしな話だと思います。それと原作の1巻+短編の内容を6話にして続編を残り6話でやるのははっきり言って無理です。12話でかなりギチギチだった上に続編は前後編でスノーホワイトはサブキャラになってますからね。
それと遂に続編のrestartがアニメ化しますが、そちらも批評してもらいたいですね。