アクション

VSは一回のみ「サイボーグ009VSデビルマン」レビュー

アクション
スポンサーリンク

評価★★☆☆☆(36点)全3話

あらすじ ミュートス・サイボーグとの戦いを終えたジョー。ささやかな休息もつかの間、イワンが“悪魔”の出現を警告した。調査を始めるゼロゼロナンバーたち。引用 – Wikipedia


VSは一回のみ

本作品は2015年に公開されたOVA作品。
タイトル通り、サイボーグ009とデビルマンのクロスオーバー作品だ。
監督は川越淳、制作はビーメディア、アクタス。
同タイトルで漫画版も連載されたが内容は違うようだ。

見出して感じるのはサイボーグ009の加速装置の演出の凄さだろう。
加速装置を使った瞬間の地面の破壊描写や、
高速で動いているシーンなどシンプルなシーンでありながら、
「加速装置」という主人公の技の演出をしっかりと魅せることで、
しっかりとした印象が残る。

更にその後のデビルマンのシーンの描写。
まさかの「白黒演出」で描かれる。
まるで漫画がそのまま動いているようなタッチで白黒で描かれ、
戦闘シーンに切り替わるとカラーになり、
不動明デビルマンへと変貌する。

両作品とも両作品らしい「演出」と作画でそれぞれキチンと見せる。
2015年の作品とは思えないほど所々、懐かしい演出やシーンが有るが、
作画自体にはふるさを感じさせない。
やや古い演出を最近の作画で描くことに酔って雰囲気を崩さない。
クロスオーバー作品だからこそ両作品の特徴をきっちりと捉え、
見に来た両作品のファンをがっかりさせないように冒頭から魅せている。

しかし、両者とも原作の「途中」からであり、
デビルマンや009たちがどういったキャラや世界観なのかと言うのは説明されない。
ある程度、両作品に対する事前知識は必要だが、
逆に「ファン向け」と割り切ってそういった説明描写がないのは
全3話、全90分ほどの尺ではこれくらい割り切ったほうが正解だろう。

更にOP.
昭和の作品だからこそ「JAM Project」は似合いすぎる(笑)
やや懐かしさを感じる演出やOPの内容では有るが、
作品の世界観を崩さずにむしろ盛り上げてくれる。

そして描かれる「デビルマンVSサイボーグ009」、
デビルマン側は悪魔と機械の融合と考え009を襲い、
009はブラックゴーストの敵と思いデビルマンと戦う。
両者の戦闘シーンはそれぞれの能力をガッツリと駆使した素晴らしいものであり、
怪力と加速というシンプルな二人のヒーローの
能力がぶつかりあうさまは素晴らしい。

その結末もまた、昭和の作品らしいグロさを秘めている。
デビルマンは右腕を吹き飛ばされ、009は左腕を破損する。
OVAだからこその思っきったデビルマン側のグロ描写は、
「永井豪」作品らしい要素をビンビンに感じることができる。

更にED。
OPと同様に歌うのはJAMPROJECTだが、
演出が「原作のコマ」を魅せるという素晴らしい内容になっている。
1話の出来栄えだけ言えばかなりの面白い作品だ。

しかし2話以降で明らかにパワーダウンしてしまう。
戦闘シーンも単調な演出が多くなってしまい、
ストーリーも説明描写が非常に多くテンポが悪い。
物語の主軸も009側が描かれることが非常に多く、バランスが悪くなってしまう

この手の「VS」系の作品は特撮ではろくに対決シないことも多いが、
この作品も例を見ずだ。
1話以外はデビルマンと009が戦わない。
2話以降はデビルマンの存在感が薄く、
「あれ?いなくても話成り立ったんじゃ?」と思う部分もある。

全体的に見て1話は悪くなかったのだが、
話が進めば進むほど微妙な感じが残ってしまった作品だ。
戦闘シーンの作画や演出、OPやEDなど細かい部分は良いのだが、
根本に有るストーリーがやはり「クロスオーバー」と言う形では、
やや強引にまとめるしか無く、
009やデビルマンを呼んでないとわかりづらい部分も多い。

決して悪くはない作品だ。
あまり期待せずに009とデビルマンをそれなりに知っている人が見れば、
そこそこ楽しめる。
だが1話の完成度が高かったゆえに無難な感じで終わってしまったのが
色々と惜しさを感じてしまい、ラストのシーンも消化不良感を残してしまった。

サイボーグ009VSデビルマン コンプリートBlu-ray
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) (2015-11-11)
売り上げランキング: 50,972

「」は面白い?つまらない?

この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください