あらすじ 小型犬のマックスは、飼い主のケイティと共にマンハッタンのアパートで暮らしていた。彼は子犬の頃にケイティに拾われ、お互い幸せな日々を送ってきたが、マックスはケイティが日中ずっと家にいないことだけを残念に思っており、ケイティの帰りを待つ間は毎日のように近所に住む他のペット達とつるんでいた。引用 – Wikipedia
アナタの知らないペットたちの日常
怪盗グルーの月泥棒でおなじみの
イルミネーション・エンターテインメント制作の作品。
吹替版では主人公を「バナナマン」が務めることで話題になった
この作品はタイトル通り「ペット」たちの日常が描かれる。
例えば序盤は主人が留守の間、ペットたちだけで何をしているのかが描かれる
犬や猫、金魚にハムスターetc…
様々なペットたちは飼い主が居ない間の日常生活をどうやって過ごしているのか。
冷蔵庫をこっそり開けて肉を食べようとするが我慢したり、
カーテンで遊んだり、外を監視したり、
本当に「ペット」たちがこんなことをやっていそうだなというリアルな行動を
コミカルな動きとともに画いている。
そしてCGのクォリティの高さ。
本当に「毛の一本一本」まで繊細に描かれた描写の数々は、
画面を触ったら感触を味わえそうなほどもふもふ感にあふれている。
キャラクターデザインはアニメチックでは有るものの、
「毛」の描写のリアルさは本当に素晴らしい。
更にコミカルな動き。
動物の本能的な動きをきっちりと画きつつもコミカルに演出しており、
リアルかつコメディタッチな動きがしっかりあるからこそ、
見ているだけで楽しい映像になっている。
特に中盤からの街を冒険するペットたちの奇想天外な行動の数々は、
思わず大人でも笑ってしまうほどコミカルに描かれている。
ストーリーをきちんと理解できないくらいの小さな子供でも、
この「動き」だけで面白いと思えるシーン作りになっている。
ただストーリー的にはやや「トイストーリー」と被る点が多い。
人間との平和な日常だったはずの主人公のもとに、
もう一匹新しいペットがやってきて平和な日常がやや変化する。
「ウッディ」と「バズライトイヤー」のような関係性から、
人間が居ない間にという点など共通点も多く展開も似ている部分が多い。
いわゆるこの手の映画としての「王道ストーリー」といえばそれまでなのだが、
大人が見てしまうとやや子供向けなストーリーに見えてしまい、
トイストーリーを見てると、トイストーリーの動物版という感じも強く、
「トイストーリー」で見たことの有るシーンというのも結構ある。
序盤こそコミカルかつ可愛らしいペットたちの日常が描かれるが、
中盤から「人間に捨てられたペット」が出てくる。
彼らは人間に対して恨みを持っており、人間たちに復讐しようとしている。
人間の都合で捨てられたペットの恨みは重く、
子供向け作品は思えないほど重いセリフを言い放つのは以外な部分だ。
ただ、話の主軸も割とブレる。
序盤はペットの日常をコミカルに描き、
そこに主人公のライバルが現れたかと思えばすぐに街に繰り出し、
人間を恨む元ペットたちが出てきたかと思えば、
主人公のライバルの元飼い主の所に行こうという話になる。
終盤の展開などややハチャメチャ感じが物凄く、
いろいろな部分で大人が見ると突っ込みどころが生まれてしまっている。
ペットたちが巻き脅す騒動のせいで人間側にかなり金銭的な被害がでている所は
個人的に物凄く気になってしまった、
動物たちにしてみればどうでもいいのだろうが(苦笑)
全体的に見てアニメーションにおける動きの面ではたしかに素晴らしい作品だ。
動物という要素を活かしたコミカルな動きから、
予想外かつ荒唐無稽なアクションシーンはきっちりとギャグになっており、
子供が見れば素直に楽しめる映画になっている。
だが、大人が見てしまうと二転三転しすぎるストーリーや、
やや突っ込みどころの多い場面が多く、
映画を通してのメッセージ性の部分もやや弱まってしまっているように感じる。
いろいろな部分がもう少しシンプルでいいのになと感じてしまう部分もある。
しかし、これはあくまで大人が見た場合で子供が見る分には
もふもふなペットたちの可愛さとコミカルさをしっかりと楽しめる作品だろう。
現在、Amazonプライムで配信中なのでプライム会員なら、
すぐ子供に見せることもできる(笑)
イルミネーション・エンターテインメントの作品は、
「ミニオンズ」のようなキャラの可愛さや動きの面で
ディズニーやピクサーを超えるコミカルな面白さが有り、
脚本面ではもう一歩なところが惜しいが、
今後の作品にも期待したい所だ。
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