あらすじ 便座のデザイナーをしているおっさんはある日、トイレで用を足していると突然便座に吸い込まれてしまう。結果おっさんは「地球を守るヒーロー」となったが、それと引き換えに端麗だったおっさんの容姿はメタボ体型に変わってしまう。
引用 – Wikipedia
骨太ストーリーギャグアニメ!?
最近流行りの中国アニメであり、
【HAOLINERS】ブランドオリジナル作品の第一作となっている。
監督は李豪凌、制作はSTUDIO.LAN!
見出して感じるのは「津田健次郎」さんのイケメンボイスだろう。
あまり作品の主人公をヤることの少ない津田健次郎さんだが、
この作品では珍しく主人公であり、
超絶イケメンボイスを耳で楽しむことができる。
しかし、そんな素晴らし主人公のの声優に対して、
ヒロインを演じる声優が酷い。
プロの声優ではなくただのアイドルであり、
演技ではなくただ叫んでいるだけのツッコミは聞き取りづらく不快だ。
主人公の声優とヒロインの声優の演技力の差がありすぎて不協和音を生んでいる。
更にギャグが厳しい。
いわゆる「ギャグアニメ」であり1話あたり10分ほどの尺のせいか、早口だ。
ギャグアニメで早口で喋るというのは勢いを生むためにありがちな演出だが、
この作品の場合はただ詰め込んでいるだけで、
その勢いにヒロインのツッコミの演技がついていけておらず、
ギャグシーンで笑いにくくなってしまっている。
中国アニメのギャグは基本的に日本人のセンスと合わないパターンが多く、
特に下ネタなどの下品なネタの場合、表現がえぐくギャグになっていない。
日本のアニメならもうすこしマイルドに表現する所を、
中国アニメはストレートに表現してしまっており、下品さが強く出てしまっている。
似たような下ネタ・変態的なギャグアニメとしては
「よんでますよ、アザゼルさん。」が近いが、
あれよりも言葉の表現はえぐい。
いわゆる「うんこ」などのネタも設定的に異常に多く、
小学生くらいな笑わえるかもしれないが、ちょっとレベルが低い。
しかし、以外なことに中盤くらいからストーリーが面白くなってくる。
この作品はギャグではあるのだが、同時にヒーロー物であり、
唐突にヒーローの能力と「おっさん」の姿を与えられた主人公が
日夜、敵と戦う日々も描かれている。
序盤こそギャグが主体であるがゆえにつまらない。
だが、中盤からストーリーが気になる雰囲気になってくる。
主人公はオヤジに姿を変えられ自分の娘にも真実が言えず、娘は父を心配し、
そんな娘に敵の宇宙人が惚れてしまい、
更には自分の本来の姿の人物まで現れ・・・と見れば見るほど展開が気になる。
ギャグアニメという要素があるゆえに先が読みづらいストーリー展開になっており、
話が進むごとに積み重なる伏線と設定がストーリーをどんどんおもしろくしていく。
ギャグアニメだからこそ、本来ならば荒唐無稽や無理がある設定なども、
強引に進めることができ、ストーリーがどこへ向かっていくのか気になる。
特に9話以降のストーリー展開は素直に面白い。
戦闘シーンもやや動きは硬いものの、
これまでの中国アニメに比べると見れるレベルであり、
ややメリハリが突きすぎている感じは有るものの、
9話以降の戦闘シーンはきちんと迫力があり、
文字演出はやや謎ではあるが、しっかりとした見ごたえがある。
そして最終話のオチはかなり意外だ。
1話のあのストーリー展開から、こんな最終話につながるとはと、
最後まで見た人は驚くはずだ。
私個人としては久米田康治先生の「かってに改蔵 」を思い出す、
ある種のどんでん返しのオチにつながる終盤の展開は素晴らしかった。
全体的に見て序盤から中盤までのギャグは下ネタがえぐく、
詰め混みまくりなハイテンションな感じは受けづらい部分はあるものの、
終盤のシリアスなストーリー展開は、それまでの伏線ときっちりと活かし、
中国アニメとは思えないほど、きちんと終わらせて形に仕上げている作品だ。
序盤から中盤までがもう少し見れる内容ならば、
もっと多くの人が終盤の展開の面白さに気づいたかもしれない。
おそらく多くの人が序盤で見るのを辞めてしまっている。
きちんとあのラストの展開まで視聴継続できるような
日本人でもきっちりと笑えるギャグがあれば作品全体の評価は違っただろう。
また終盤でも詰め込みまくっているテンポは変わらないため、
見る人によってはストーリーをきちんと理解できないかもしれない。
決して投げっぱなしな作品ではなく、伏線を回収しまとめている作品だ。
序盤から中盤だけの点数をつけるならば10点、
中盤から終盤だけの点数をつけるならば65点くらいだろう。
本格的に面白くなってくる8話まで我慢してもらえば面白さを感じられるが、
そこまで我慢できるかは人によって違うだろう。
個人的には中国アニメの出来栄えの酷さに
対して疲れてしまっていたが、
この作品はいい意味で裏切ってくれた。
作画も悪くなく、中国アニメの悪い部分であるギャグテイストの
日本との違いはあるものの、根本に有るストーリーはきっちりとしている。
本当に惜しい作品だ、だが同時にその「惜しい」部分が改善されれば、
日本のアニメと肩を並べる作品を中国が作り上げるかもしれない。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるじゃないが、
2016年から量産されまくっている中国アニメも、
量産されまくっているからこそ徐々にレベルが上ってきてるようにも感じる。
今のところハズレが9割だが・・・(苦笑)
余談だが日本語監修にナベシンことワタナベシンイチが関わってたのを
あとで知って笑ってしまった(笑)
確かにどことなくエクセル・サーガのような感じもある作品だった。
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