評価 ★★★★☆(70点) 全10話
あらすじ 不慮の事故により異世界に転生した、ゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)は、「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!」という夢はイマイチ叶わないものの引用- Wikipedia
貴方もアクシズ教に入りましょう
本作品はこの素晴らしい世界に祝福を!の2期。
監督、製作会社ともに1期との変更はない。
また1期と同様に全10話、
2期の決定は一期の反響の大きさがあったからだそうだ。
ふっかつのじゅもん
引用元:©2017 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/このすば2製作委員会
見出して感じるのはナイスな演出だろう。
「ふっかつのじゅもん」を入力することで2期が始まるような演出は、
ゲームのような世界観の本作品だからこその演出と、
なぞのスターウォーズ演出で相変わらずの「このずば」らしさに、
始まって早々に「にやにや」っとしてまう。
主人公であるカズマは1期最終話の出来事のおかげで「テロリスト」か
「魔王軍の手先」と疑われ、投獄されているところから始まる(笑)
仲間を売るアクアとめぐみん、自ら投獄されよとするダクネス、
相変わらずな「駄目」なヒロインのダメっぷりを
2期1話から見せつけてくれる。
1期の「カズマ」の行いを裁判という形で振り返るのも素晴らしい。
パンツを振り回し、パンツを捕るぞと脅し、
アンデットしか使えないはずのドレインタッチを駆使する様は
「悪人」のようにしかみえない(笑)
素晴らしい関係性
引用元:©2017 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/このすば2製作委員会
1期で培ったキャラクター描写が2期でも生きてくる。
特に主人公であるカズマとヒロインたちの関係性は完成されたと言ってもいい、
ある意味でこの作品だからこそのなんとも言えない関係性は
きちんとしたギャグになっている。
普通なら主人公とヒロインが「一緒にお風呂に入る」という展開は
ラブコメならば一大イベントだ。
しかし、この作品はそれすらもギャグにしてしまう。
カズマとめぐみんの意地の張り合い、口喧嘩から自然と一緒にお風呂に入り、
そこからきちんとオチがつく。
決して恋愛描写を強めるのではなく、
あくまでもこの作品らしい関係性になっており、
この作品だからこそのキャラクター同士の関係性と
そこから生まれるシーンはきちんとこの作品らしいギャグになっている。
キャラ描写
引用元:©2017 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/このすば2製作委員会
1期より「クズ」になっているキャラクターたちの行動や言動が素晴らしく、
特に主人公の清々しいまでの冷静なクズ具合は
1期以上のギャグシーンを生んでいる。
変にキャラクターを増やさず自然に増えていくキャラクターたちと、
決してメインヒロインたちの描写を忘れないバランスが
キャラの魅力を1期以上に深めている。
ヒロインの駄目っぷりもどんどん増している(笑)
残念な女神様はより残念に、爆裂魔法しか出せない魔法少女は
ライバルが出ることで新しい駄目さが生まれ、ドMな騎士様はよりドMに。
各ヒロインのだめな部分がより強調されることで、
一期以上の笑いを生んでいる。
作画
引用元:©2017 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/このすば2製作委員会
1話から作画はやや不安定だ。
このすばは1期の段階でも作画が不安定の回が多かったが、
2期ではそれがより顕著になっている
ファンタジーではあるもののギャグアニメという要素も強いため、
そこまで作画の崩れが問題になることはないが、
一期以上に気になってしまうシーンが増えているのはやや残念だ。
だが、その作画の悪さをあえて受け入れて演出にしている。
作画不安定な作品なのにあえて作画崩壊をさせて顔芸にもしている。
この作品がギャグだからこそ、作画が不安定でも問題ない。
むしろ利用しているスタンスは素晴らしい。
アクシズ教
引用元:©2017 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/このすば2製作委員会
2期のある意味最大の盛り上がりと言ってもいい8話。
8話は女神である「アクア」を崇拝するアクシズ教の総本山に訪ずれる話だ。
この「アクシズ教」総本山の話は素晴らしい完成度だ。
アクシズ教の信者たちがありとあらゆる手段で入信させようと迫ってくる。
それだけなのに面白い(笑)
「アクア」という女神を崇拝する彼らは、さすがはアクアを崇拝する
アクシズ教というべき行動と言動の数々であり、
それに振り回されるカズマとダクネスの表情が更に笑いを誘う。
本来はダークな要素である「宗教の勧誘」というのを
この作品はギャグに仕立て上げている
ストーリーライン
引用元:©2017 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/このすば2製作委員会
ただ、1期に比べるとややストーリーの練り込みは浅く感じる。
1期では魔王の幹部であるデュラハンがめぐみんの爆裂魔法のせいで襲ってきたり、
デストロイヤーという存在を1期全体で匂わせて終盤で登場させて
全員でなんとかやっつけるも結局、2期の始まりでもあるテロリスト疑惑を
かけられて終わるなど展開の運び方が自然なストーリーになっていた。
しかし、1期と比べると2期はやや強引なことが多い。
アクアのし掛けた魔法で魔王の幹部がまたやってくる展開は悪くないが、
終盤の「アクシズ教」総本山の魔王の幹部の登場はやや唐突であり、
「復活できるから」という理由で捨て身の行動で敵を倒す展開も
1期と比較するとやや強引に感じる部分もあった。
ただ、ある意味ギャグだからこそ許される強引さだ。
最終話の戦闘シーンにおける最後の一撃の作画の迫力、
そこからの「アクシズ教の教え」というギャグにつなげ、
ギャグと燃えを見事に融合させた素晴らしい最終話になっており、
「みんなの思い」を力にするという王道の展開を逆手に取るような
アクアとアクシズ教の思いによる1撃はこの作品らしい面白さを秘めていた。
総評:安定の2期
引用元:©2017 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/このすば2製作委員会
全体的に見て1期を楽しめた人ならば確実に楽しめる2期だ。
作画の不安定さはきになるものの、そんな欠点を覆い隠すほど
気合の入った「顔芸」という名の演出、キャラクターを
あまり増やさずに従来のキャラの魅力を深め、
1期以上にこの作品の世界観にハマり、3期を見たいと思わせる2期だった。
いわゆるお約束的な流れがしっかりしており、
流れ自体はお約束だが内容がハチャメチャで、
予想外なギャグと底から生まれるファンタジーストーリーを彩るからこそ、
「この素晴らしい世界に祝福を」という作品の
オリジナル性を強く感じることができ、話が進むほど作品の世界観に浸れる。
よりだめになっているキャラクターたち、深まるキャラクター描写、
そこから生まれるギャグは1期を楽しめたなら間違いなく笑える。
ただ1期と比べるとストーリー面の練り込みはやや浅く感じる、
1期では最後の敵を最初から匂わせていたが、
2期の最後の敵は唐突に出てきた感じが否めない。
ただ、徐々に物語が進み、徐々に世界観が広がり、
徐々にキャラクターの魅力が深まっている。
駄目なはずの彼らなのに魔王の幹部はすでに2名倒しており、
一応はストーリーは進んでいる。
最終話のラストも1期のように「オチ」がついて終わるのではなく、
綺麗に締めてしまっており、そこがある意味残念だ。
本来最終話で綺麗にまとめて終わるというのは評価されるべきポイントだが、
この作品に至ってはそうでないのはある意味皮肉かもしれない(笑)
個人的な感想:3期が見たい
引用元:©2017 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/このすば2製作委員会
惜しむべきは全10話ということだろう。
全10話だからこその勢いがある作品ともいえるかもしれないが、
この作品の世界観にもっと浸っていたいと1期以上に感じてしまい、
正直、早く三期が見たい(笑)
個人的には「ダクネス」を演じている茅野愛衣さんの演技が素晴らしかった。
1期でもドMな演技は素晴らしかったが、
2期ではそのドM演技に磨きがかかっており、
キャラクターの魅力がより深まっていた。
ただ気になるのは角川文庫系アニメはめったに3期をやらないことだろう。
全10話という形式も頑なに変えずにやっており、
はっきり言って悪しき風習だ。
2019年になってようやく映画化されはしたが、3期の情報は未だにない。
小出しにせずに3期をやってほしいところだ。
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