あらすじ 家事全般を完璧にこなす小学生の男の子、小宮千尋は、ある日突然母を亡くし1人になってしまった。そんな千尋の前に現れたのは、母の弟にあたる叔父の鷹取円だった。そのまま円の豪邸に連れていかれた千尋は、鷹取家の事情を知り、円の世話になることに反発。部屋を飛び出して、屋敷の台所で悲しみに暮れるが、そこはゴミだらけだった。引用 – Wikipedia
あなたのショタ力が試される
監督は山本裕介、制作はエイトビット。
見出して感じるのは地味さだろう。
両親がなくなり天涯孤独に成ってしまった小学生が主人公なのだが、
小学生にしては達観しており、淡々としたストーリー展開で、
小ネタ的なギャグを入れてはいるものの、
特に面白くもない。
そんな達観した小学生が叔父の家でメイドとして働くことになる。
この時点でかなり無理がある設定だ(苦笑)
主人公自体も女の子に見えなくはないのでいわゆる男の娘、
ストレートな表現を使うならば「ショタ」だ。
そういった系統の作品であることは分かるのだが、
少年にメイド姿で働かせるという設定がかなり強引であり、
そんな強引な設定を押し通すほど強いギャグやコメディな作品ではない。
どちらかというと「ほのぼの」とした日常系に属する作品だ。
そんな「ほのぼの日常系」作品なのに強引な少年メイドという
設定を押し込んでいる感じが強く、
「ほのぼの日常」がしたいのか「荒唐無稽コメディ」をしたいのか、
チグハグな感じに序盤はなかなか慣れない。
主人公を演じている「藤原夏海」さんも、
普通の演技は問題ないのだが、気合を入れて叫ぶときの演技が甘く、
ギャグシーンなどでのテンションの高い演技が微妙で、
ギャグシーンの面白さがいまいち欠けてしまっている。
こういうタイトルで想像しがちではあるが、BL的要素はない。
主人公の「叔父」にそういった雰囲気があり、
少年にメイド服を着せるという趣味はあるものの、そういう要素はない。
だが、そういった「想像」を視聴者がしやすい作品ではあり、
想像しやすいような状況づくりをしているが、そういう要素を描かない事で、
あえて想像をわき立てさせるような、
ある種のマニアックさを感じる作品でもある。
言い方を変えれば一歩踏み込まないどっち付かずな印象もあるのだが(苦笑)
ただ驚くほどテンポは悪い。
ほのぼの日常系作品であるがゆえにだらーっとした感じで、
ゆるくストーリーを描いている感じが強く、
日常者のテンポの悪さという欠点がモロに出ている。
1話1話が非常に長く感じてしまい、人によっては1話で飽きてしまうだろう。
もっとはっきり言ってしまうと1話で面白いと感じなければ
2話以降も面白いとは感じないだろう。
基本的な展開のパターンは1話で出来上がっており、
なんだかんだあって家族としての絆を深めていくという感じだ。
それ以上でもそれ以下でもない。
その、それ以上でもそれ以下でもない=安定した内容が
何とも言えない面白さを生んでおり、強烈な面白さこそないが、
見続けてしまう魅力がある。
1話が面白いと思えれば、最終話まで何となく見続けてしまう作品だ。
しかし、そんな安定した面白さを崩す要素がある。
この作品にはなぜか「アイドル要素」があり、物語の中盤で唐突に出てくる。
3人組の男性アイドルなのだが、この作品の世界観において完璧に浮いており、
必要性を全く感じない。
特に彼らが出てきた話が面白いわけでもなく、
世界観を崩すだけでつまらなく、
極端に言えば別作品のキャラがゲストで
出ているような感覚になるキャラ達だ。
出番も少ないためいっそ存在自体をアニメで消すことも出来たはずだが、
エンディングテーマを歌わせたり、キャラソンアルバムを出したりと、
「声優目当て」の制作費回収を伺わせる要素だった
全体的に見て非常に好みの分かれる作品だ。
見ている人にショタ的属性がなければ、
少年メイドというやや強引な設定が気になるが、
ショタ的属性がある人ならば気にならず「可愛い」と思える主人公の、
ほんわかとした日常を楽しめる。
内容自体も物凄く面白いわけではないからこその、
安定した面白さのある作品ではあるものの、
その反面でストーリー自体はワンパターンだ。
なんだかんだあって家族としてのキズナが強まり成長する、
その「なんだかんだ」が毎回違うだけだ。
タイトルに反して強いBL要素はないため、
そういう要素が嫌いな人でも楽しめるが、
「匂わせる」要素はあるためやや注意であり、
いろいろな部分で「人を選ぶ」作品だ。
売上的には1巻あたり700枚以下のいわゆる爆死。
1巻にはイベントチケット優先権がついていたにも関わらず、
この枚数はかなり厳しいといえるだろう。
個人的にはハマりそうでハマらなかった作品だ。
なんかこう、あと一歩好みにはまらない感じの、
歯に何か挟まった感じのもどかしさを感じる作品だった、
どうやら私のショタ力は低いようだ。
おねたショタなら好きなんだけども(笑)
KADOKAWA/エンターブレイン (2008-12-01)
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