あらすじ 旅をするサトシたちの前に、空から突然幻のポケモン・ボルケニオンが降ってきた! 人里離れた「ネーベル高原」で、人間に傷つけたれたポケモンたちと共に暮らすボルケニオンは人間たちのことが大嫌い。引用 – Wikipedia
子供が見れば楽しめるポケモン映画
ポケットモンスターとしては19作品目になり、
『XY』シリーズの第3作でもあり最終作でもある。
監督は湯山邦彦、制作はOLM
見出して感じるのは期待感だろう。
冒頭から「メガシンカ」したポケモンとボルケニオン、
両者のバトルが描かれる。
非常にシンプルな戦闘シーンながらも、
ボルケニオンのサイズが今までのポケモン映画でありがちな超巨大サイズではなく、
通常のポケモンより少し大きめのサイズなため、
普通のバトルシーンに成っており、
駄作ポケモン映画に有りがちな「怪獣大戦争」にならなそうな予感を感じさせる。
「怪獣大戦争」が決して悪いわけではないが、
怪獣大戦争状態になってしまうとサトシの通常のポケモンが
役立たずになったり、サトシが蚊帳の外になったりと、
欠点が出やすく、ポケモン映画の映画としての派手さを求めるあまりの
安易な怪獣大戦争という要素にうんざりしているだけに、
「ボルケニオン」のサイズ感のほどよさが妙に安心感を漂わす。
更に「ボルケニオン」のキャラクター。
マギアナはテレパシーにより会話することができるのだが、
これが別に可愛い声ではない(笑)
今までの会話できる映画ポケモンの場合は可愛い声か、
ミュウツーのように渋い声だったり刷る場合が多かった。
しかし、今回の声は市川染五郎である(笑)
はっきり行ってしまえばおっさんの声ではあるが、
市川染五郎と言われてもわからないほど自然な演技であり、
絶妙な味わいをキャラクターに与えており、
一言で言えば江戸っ子のようなポケモンだ。
そんなポケモンとサトシが離れることが
できなくなるというところからストーリーが始まる。
非常にシンプルな始まり方ではあるが、わかりやすくストレートだ。
しかしながら、そんなストレートなはずのストーリーに
余計な要素が目立つ。
例えば中盤唐突に出るポケモンハンター。
今回の物語の主軸はポケモンと人間の信頼関係のようなものなのだが、
その要素を際だたせるために「ポケモンを傷つけさせる」ためだけのために
ハンターを一瞬出す。
その後、ポケモンハンターは出てこない。
そんな一瞬のシーンのためにポケモンハンターという要素を出すくらいなら、
きちんと敵役のキャラが居るのだから、
そのキャラクターを使ってポケモンを傷つかせれば問題ないはずなのだが、
わざわざポケモンハンターというキャラを出すのが無駄に感じてしまう。
更に「人間に対して不信感」を持つポケモンたちと
サトシたちの交流も、ややグダグダしてしまっており、
この作品において描かなければならない部分であることは分かるのだが、
シンプルであるがゆえにダレてしまっている。
ロケット団の立ち位置もよくわからない。
いつも通り敵につくのはいいのだが、
今回の目玉ポケモンの一匹でもある「マギアナ」の心臓部分が抜き取られるやいなや、
その心臓部分を取り返してあげようといきなり行動したりと、
いきなりサトシ側に心変わりするのは納得がいかない。
マギアナの心臓部分=心に関しても、
いわゆる「ご都合主義」が目立つ。
一度抜き取られ、心が壊れてしまったが、なんだかんだでもとに戻るという
展開は大人が見ればご都合主義に見えてしまう。
ただ、これが大人が見てしまうからこそ感じる欠点だ。
子供が見ればシンプルにテーマが伝わり、シンプルに面白く感じられるだろう、
変に大人向けや名作を意識するのではなく子供目線で楽しめる作品になっている。
全体的に見て子供向けのポケモン映画としては及第点な作品だ。
シンプルでは有りながら、きっちりと感情移入できる
「ボルケニオン」と「マギアナ」というポケモンを主軸に、
わかりやすくストレートにテーマが伝わり、
最初から最後までスッキリと楽しめる。
ただ、大人が見てしまうとややご都合主義や気になる点も有り、
あくまでも子供向け映画としての起承転結と、
ややこしくなく、言い方は悪いが単純なストーリーは、
オトナが楽しめるとは言い難い部分がある。
しかしながら、その一方で戦闘シーンが素晴らしい。
今回は怪獣大戦争ではないからこそ、
一匹一匹のポケモン同士の動きがきちんと考えられた戦闘シーンに成っており、
ぐるぐると目まぐるしく動き回るカメラワークで、
「劇場スクリーン」をきっちりと意識した見ごたえのある戦闘シーンだ。
ただ、個人的には前作のほうが好きだ。
前作はthe怪獣大戦争という感じでやりたい放題な感じで、
ストーリー自体も大人が見ても楽しめる部分が大きかったが、
今回ははっきり言って子供向けだ。
子供が見るポケモン映画としては、これくらいシンプルで
わかりやすいほうが方向性としては正しく、
怪獣大戦争になってしまうと駄作になる確率が高いだけに、
正統派な形でのポケモン映画という感じの作品だ。
ただ、それだけに大人が見ると物足りない。
色々書いてしまったが、ポケモン映画という枠組みの中では
決して名作ではないが十分、佳作な作品だ。
ただ、同時に来年のポケモン映画に対する期待感が私の中であまりにも大きい。
なにせ来年のポケモン映画のタイトルは
劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』だ。
20周年記念作品であると同時に、
「無印~金銀編」の映画らしく、原点回帰のような内容では?と噂されている。
ぜひ、この予告動画とキービジュアルを見てほしい。
どうだろうか、私のようなポケットモンスター赤・緑直撃世代としては
楽しみで仕方ない予告だ(笑)
公開の際は、劇場に足を運びたいと思う。
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最近、ポケモンにハマってアニメ映画も見始めたんですが(BWあたりからマンネリでしばらく離れていた)………………。
この映画はボルケニオンが好きになれずに、途中から「見るの辞めようかな」と思いました。
序盤ひたすら自分勝手に行動するボルケニオンに対して、なぜかサトシが一方的に譲歩し続けていて……確かにサトシはポケモンが大好きではあるけれど、相手が理不尽な言動をすればキチンと怒る(時には本気でケンカし、そして仲を深めていく)キャラクターなんですよ。
途中からサトシが鎧を着こみだした時は「あ、なるほど。物語の盛り上がるシーンでサトシが鎧を脱いで、それがボルケニオンとの間に絆が結ばれた象徴になるのかな。なかなか悪くない演出じゃないか」
と思いきや、ボルケニオンのサトシを無視した行動で鎧は破壊され「い…いやいや、じゃあコレがきっかけでサトシがようやく怒って、きっと2人の関係性が進展をするんだ!」
と思いきや、皆サラッと流しちゃって「あーあ。壊れちゃったね」程度のリアクション。
完全にボルケニオンがお客様扱いで、ちゃんと主人公たちと関われてないんですよ。
どんなワガママしても許してもらえる。これがマスコットキャラ的なポケモンならワガママも可愛いけれど、オッサンのワガママを誰も叱らない(一応、マギアナが頑張りはしてるけども)、誰も怒らないってのは見てて不快感が酷かったです。
ゲスト声優さんはかなり雰囲気が出せていて、頑固一徹の渋い男というイメージが湧くのですが、実際のボルケニオンの言動が「礼儀知らず」「恩知らず」「周りが見えない幼稚な男」なんです。
せめて、周りに迷惑をかけた事や自分やマギアナが助けられた事。そういう事実は認めて「ありがとう」はちゃんと言う、けれど人間の事はやっぱり嫌い………みたいなキャラであって欲しかったです。
あと話は変わりますが、王子が完全にサイコだったのが引きました。ポケモンが苦しんでる所は隠されていて真実を知らなかった………とかじゃなくて、バッチリ目の前でポケモンが悲鳴を上げてるのに科学の力にはしゃいでるから、後で改心しても説得力薄いんですよね。