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作品の浅さをグロ描写でごまかすな「タブー・タトゥー」レビュー

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評価☆☆☆☆☆(2点)全12話
1306

あらすじ 赤塚正義(ジャスティス)、通称セーギは謎の男から「呪紋」と呼ばれる兵器を掌に埋め込まれた。時空を歪め、「無」を創り出すことで周囲に壊滅的なダメージをもたらす特別な呪紋を得たセーギはエージェントの少女・イジーの呪紋の回収を手伝うことになるのだが、呪紋を巡る国家の陰謀と秘められた大きな謎に巻き込まれていく。
引用 – Wikipedia


作品の浅さをグロ描写でごまかすな

原作は月刊コミックアライブで連載中の漫画作品。
監督は渡部高志、制作はJ.C.STAFF。

見だして感じるのは違和感だろう。
影が非常に濃ゆく描写されている作画であり、
「ハードボイルド」的なニュアンスさえ感じる雰囲気だ。
冒頭で描かれる戦闘シーンもやたらに演出が凝っており、
しっかりとした渋い内容を見せてくれるのかと思えば、
キャラクターがSDになったり、ふざけてギャグチックな絵になったりする。

1話の冒頭5分位のシーンというまだ序盤の序盤にも関わらず、
「この作品はシリアスをやりたいのか?ギャグをやりたいのか?」という
疑問が生まれてしまう。

カメラワークもいちいち鼻に付く。
キャラクターを下から舐め回すようにうつすのを
肉感的な女性キャラクターでヤるのはわかるのだが、
走っている主人公まで同じようなカメラワークで写す。

この監督か演出家は下から上に動かすのが異様に好きなようで、
カメラワークに困ったら下から上にカメラを動かしている。
他にも必要性の感じない「アップ描写」や定点描写のせいで、
紙芝居のように見えてしまう。

必要性や意図を感じないカメラワークは妙な違和感を生み、
はっきりって画面を見ていて酔う感覚になるほど気持ち悪い。
ゆーーーっくり右から左にカメラを動かしたり、
妙に長くアップを写したり、バカの一つ覚えに下から上にと、
ここまでカメラワークが気になるアニメ作品はなかなかない。

1枚1枚の作画の質は高く、その1枚1枚の作画をじっくり見せようと
しているのはわかるのだが、アニメーションが見たいのに、
1枚絵を凝ったアドベンチャーゲームのごとくじっくりと見せられても、
それをアニメとして面白いとは感じにくい。

戦闘シーンなどはよく動き、カメラワークもグリグリと動かしている。
しかし、それが「面白い戦闘シーン」にはなっていない。
せっかくの質の高い作画が質の高い作画を見せたいだけで終わっており、
「アニメーションとしての面白さ」に昇華しておらず、
自己満足なセンスがシーンの中で暴走しているだけに終わっている。

更に滑りっぱなしのギャグ。
「シリアス」と「ギャグ」の切り替え方が恐ろしく下手で、
シリアスな雰囲気を持続していてほしいシーンなのにギャグをぶち込んだり、
ギャグ的展開の中で急にシリアスにしたりと、
切り替え方が唐突かつ必要性を感じないギャグがぶちこまれたりと、
見ている側のスタンスがいつまでたっても定まらない。

はっきりいって「ここでギャグ入れるの?」という展開が多い。
シリアスなストーリーを描写してる最中なのに、
いきなり場面を繰り替えて雰囲気をぶち壊し、
魔を指すようなギャグが打ち込まれるため、
見てる最中に何度も膝カックンを食らうような感じだ。

ストーリー的にも古臭い。
一体何年前の深夜アニメだ?と思うほど新鮮味がない。
突然、主人公は呪紋と呼ばれる兵器を手に埋め込まれ、
出会った少女と呪紋を回収することになるという、
捻りの一切ない能力バトルアクションものだ。

特徴、この作品ならではという要素はほぼない。
他作品と比べると「グロ描写」が強いという点はある。
血液描写や隠して入るものの内蔵的なものが破裂しているような描写もある。
ただ簡単に腕や脚がぶっ飛ぶので特に衝撃はない。

セクシー描写や萌え描写などもあるのだが、
そこに「こだわり」や「フェチズム」は感じない。
胸は揺れる、お尻は作画がこだわって描かれている。
だが、それだけだ。
そこに沸き立つようなエロティシズムはない。

ストーリーの内容もベタな感じが強く、更に異常にテンポが早い。
グダグダなテンポよりはましではあるものの、
1話1話に内容を詰め込みすぎている感じが強く、
原作を読んでいる人ならばついていけるだろうが、
未読の人にとってはストーリーの内容を理解する前に展開が進んでしまう。

そのテンポの速さは前述の
シリアスとギャグの切り替えの唐突さにもつながっており、
話が進めば進むほど内容が頭に入ってこない。

「呪紋」という兵器を巡っての争いが行われているのはわかるのだが、
無駄に国家や陰謀、戦争などを絡めてきて話を大きく見せようとしており
そんな壮大なストーリーを描けていないのに設定だけが壮大になっており、
そうかと思えば「世界の改竄」なんてフレーズまで出てくる、
リアルにしたいのかファンタジーのしたいのかもわからない。

終盤のストーリーは本当に酷い。
思い入れのないキャラクターを大量に追加し、死ぬ。
ぽっと出のキャラとぽっと出のキャラのバトルなんて心底どうでもよく、
名前も覚えていないキャラクターが死んだりやられても何の思い入れもなく、
無駄に敵を強くしてグロ要素を強めている。
それだけならまだしも、この作品は「能力バトル」という根幹すら維持できない。

最終的には怪獣大戦争だ(苦笑)
色々な能力者たちのバトルはこの作品の唯一の見所だったはずなのに、
能力者を怪獣にして戦わせる。
能力バトルとしての面白さを描けず、見かけの派手さを優先した
怪獣大戦争状態の最後の戦闘シーンは呆れるしかなかった。


全体的に見て面白みのない駄作だ。
捻りのない古いストーリー、酔うようなカメラワーク、
ギャグとシリアスの切り替えの唐突さ、詰め込みすぎな内容、
この作品で評価すべきポイントが見つからず、
唯一褒めるとしたら作画の質が良いということくらいだろう。

その作画の質を見せつけようと舐めるようなカメラワークで
見せつけているのはわかるのだが、
そこにアニメーションとしての面白さは感じない。
アドベンチャーゲームの中のアニメパートならば楽しめたかもしれないが、
アニメ作品としてのアニメーションの面白さには至っていない。

キャラクターの魅力も薄い。
外見的属性でキャラ付けはしているものの、
キャラクターの魅力にはつながっておらず、詰め込みすぎな描写も相まって
殆どのキャラの印象が外見の印象以上に深まらない。

物語の芯にいるはずの主人公は正義がどうたらこうたらと叫んではいるのだが、
主人公のセリフが見ている側に一切響かない。
そもそも主人公の能力が主人公だけのものでなく、
同じ能力者が他にも二人いるという時点で微妙だ。

もう少し作品全体が気取っていなければ、作画の質が悪ければ
笑える駄作アニメにもなったかもしれないが、
作画の質がいいだけに笑うこともできない。
浅いストーリーと魅力のないキャラクターを
刺激的なグロ描写でごまかしているだけの作品だ。

売上はまだ出ていないので分からないが、
アマゾンランキングなどの予想によると1000枚前後。
最終話で思わせぶりな描写が多くあったが、
原作の売上がよほど伸びない限り2期はないだろう。

個人的に何度も舌打ちしてしまった作品だ。
シリアスとギャグの切り替えの下手さ、
終盤のストーリーの酷さ、キャラクター描写の浅さ、
つまらないだけならまだしも強いストレスを感じる作品だった。

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  1. ななし より:

    同意見

  2. 匿名 より:

    これ程共感できすぎて笑える批評はないwww

  3. 匿名 より:

    特にメインヒロイン一人死ぬシーンをギャグアニメにするな。消えてなくなれこんなクソアニメ。