あらすじ コンビニ帰りに突如、異世界に召喚された引きこもり高校生の少年スバルは、早々と命の危機に見舞われる。その窮地を救ってくれた、ネコ型精霊パックをお供につれたハーフエルフの銀髪美少女エミリアに恩返しをするため、スバルは彼女の物探しに協力する。フェルトという名の少女に奪われたという徽章の手がかりが掴めたと思った途端、2人は何者かに襲撃されて死亡してしまう。
引用 – Wikipedia
18話をかけて物語の主人公になる主人公
いわゆる「なろう系」作品であり、異世界召喚の作品だ。
最近のはやりを凝縮したようなラノベである。
監督は渡邊政治、制作はWHITE FOX。
なお、1話は1時間放送となっており、実質全26話。
見だして感じるのは唐突感だろう。
異世界にいきなり召喚されるという作品は最近は非常に多く、
何かのきっかけがあったり、きっかけがなくとも
どうしてここにいるのか自分が誰かもわからない状態だったりするが、
この作品の場合は目を閉じた瞬間に異世界召喚されてしまう。
更に主人公は非常に順応が早い。
異世界召喚されたことにある種喜びのようなものを感じ、
元の世界に戻りたい!などという願望を叫ぶこともない、
非常に冷静に異世界の世界を楽しみ、情報収集をする。
ラノベアニメの主人公のようになりたいという風に考えている。
簡単に言えば今時の異世界召喚ラノベを読んでいる男の子が
異世界召喚されたような感覚だ。
ラノベで読んだ知識を全開に異世界で行動するパターンは、
自分が異世界召喚されたとしても同じような行動や言動になるかもしれないという
不思議なリアルさを感じさせる。
そして主人公は死ぬ。
鍛えているため少しだけ強い主人公だが、目の前でヒロインを殺され、自らも刺され、
「バッドエンド」を迎える。
だが、主人公の時間は巻き戻る。
このレビューからわかるようにこの作品は「タイムリープ」ものである。
SFでいえばシュタインズ・ゲートやオール・ユー・ニード・イズ・キル、
サスペンスで言えば僕だけがいない街など、
一定の間隔の時間を繰り返しバッドエンドの状況を回避し、
主人公にとっての理想の状況にするために奮闘するというジャンルだ。
多くのタイムリープ主人公と同様に、
主人公にはタイムリープ能力意外の特別な能力はない。
少しだけ身体能力が高いだけであり、
そんな能力しかない状況で「ファンタジーの世界」で生き残り、
理想的状況ヘといたる術は少ない。だからこそ面白い。
頭脳戦とは言い難い。
主人公は場当たり的に行動し、ありとあらゆる可能性を模索し、
それが結果的にハッピーエンドへとつながる。
偶然と経験が積み重なることでようやく理想的状況へとつながっていく、
頭脳戦ではない場当たり的な行動と言動だからこそ、
主人公に不思議な愛着がわき、ストーリーも予想できない。
ご都合主義と言ってしまえばまさにそれなのだが、
ありとあらゆるバッドエンドから理想的なご都合主義な
ストーリーを主人公が見出していく。
可能性のifストーリーの全てをきちんと描写し、
ようやく辿り着くからこそ、ある種の疲労感はあるのだが、
ストーリーに一区切りがつくと、心地の良い疲労感に変わる。
ただ、同時にテンポは悪い。
1話1話非常に丁寧だからこそ、すべての可能性を試すからこそ、
丁寧なストーリー描写だからこそ、ストーリー展開が遅く、
バッドエンドからハッピーエンドへたどり着くまでかなり時間がかかる。
序盤の話は3話で終わるが、その後は7話と
話が進むたびに区切りがつくまでのストーリーも長くなる。
基本的にタイムリープで似たような状況を何度も繰り返すため、
テンポが悪いとその同じ状況に若干の飽きが生まれる場合も多い。
話が進むと可愛らしいヒロインも追加されていくため、
そのヒロインの可愛さと日常描写が違うからこそギリギリ
飽きずにストーリーを楽しめている部分はあるものの、結構ギリギリだ。
しかし、時間を掛け1つ1つのタイムリープを丁寧に描くからこそ、
キャラクターの心理描写に納得ができる。
特に主人公が精神的に追い詰められる様や、各ヒロインの微妙な変化など
テンポよく描いてしまったらここまで感情移入することはできない。
テンポが犠牲になった分、きっちりとキャラクターに愛着が湧く。
ただ話が進むと主人公のウザさがきつくなってくる。
序盤から中盤までの調子の乗り方はそれに見合った死という代償があるからこそ、
鼻につかないのだが中盤以降はわざと主人公を地に落とし、
嫌悪感を抱かせるような描写が多くなってくる。
嫌悪感をいだきやすい状況が前述のテンポの悪さと相まって、かなり持続する。
主人公に対する見ている側のストレスは強い。
しかし、その嫌悪感にふさわしいほどの強烈な「報い」が主人公を襲い、
その嫌悪感を「主人公の成長」に丁寧につなげている。
最近の作品はこういった「ストレス」をなるべく感じさせない作品が多いが、
この作品はストレスを感じさせる上に持続する。
主人公の評価を地の底に落とし、クズ中のクズとして描写し、
徹底的に貶めることで初めてタイムリープ能力意外取り柄のなかった主人公が、
物語の「主人公」として確立する。
かっこいい主人公のかっこいい行動で物語の主人公たらしめるのではなく、
くずな主人公がくずな行動を積み重ねて初めて自覚し、物語の主人公へと至る様、
物語が始まって18話で「主人公」になる作品だ。
そのためのストレスであり、そのための嫌悪感だ。
全体的に見て好みの分かれる作品だ。
この作品の主人公に対する主人公に対する嫌悪感を見ている人がどれだけ
許容できるかで作品に対する感想も違ってくるはずだ。
ストレスによる抑圧と、そのストレスから解放されるストーリー展開は素晴らしく、
魅力的なキャラクターを丁寧なキャラ描写でより感情移入を深め、
きちんと作品に浸ることができる。
だが、その反面でヒロインやキャラクターに感情移入できるからこそ、
主人公の言動や行動、クズな態度などがストレスを生みやすく、
そのストレスこそが主人公を成長させ物語をより面白くするのだが、
見る人によっては嫌悪感を感じてしまう主人公だ。
ストーリー自体はうまくできており、
「タイムリープ」という要素をふんだんに使い、
積み重ね、丁寧にすべての可能性を模索し正解を導くストーリーは面白い。
同じようなことをやっている感じはあるものの、
より最悪に、より不可能なほどタイムリープの状況が難解になっていく様子は、
素直に面白いと言えるだろう。
面白いストーリー、魅力的なヒロイン、魅力的なサブキャラ、
そんな中でクズで嫌悪感を抱く主人公をどこまで許容できるか。
この作品を楽しめるかどうかはそこにかかっている。
個人的な意見になるが、正直、この作品のファンの方が
無駄にハードルを上げており、無駄にアンチを産んでいる作品だ。
確かに面白い作品だ、だが欠点も多い。
ネットの感想を見てると、その欠点を指摘するとかなりファンの方が熱くなって、
結果的にアンチが増え、どちらでもない人の作品に対するハードルを
無駄に上げている。
更にいえばストーリー的に綺麗に終わってはいるものの、
残っている要素や伏線も多い。
作品の根幹たる「タイムリープ」の謎や、
主人公の生い立ちや召喚された理由などもほとんど語られず、
2クール尺で物語の根幹部分があまりにも描かれていないのは気になる所だ。
1番気になるのは後半メインヒロイン状態だったレムが
最終話で全く出てこずに終わったのがしっくりこなかった(苦笑)
ネタバレなどを見ると後の展開的に、
1期をある程度、綺麗に締めるために出せなかったのわかるのだが、
何ともしっくりと来ないままで終わってしまい、
それが最終的に作品の評価に響いてしまった感じが強い。
売上的には1万枚前後と2期を望める売上だけに、
2期でストーリー的にすっきりと作品が終わることを期待したい。
ただ、原作ストックがあまりないようなので、
2期があるとしてもだいぶ先なのが残念だ。
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そいつ有名成りすましキチガイ
どこにでも出没するが文体が一緒でとても分かりやすい
何故分かるのかというと
まんま俺ガイジと呼ばれる集団のノリを真似ているから
ちなみに成り済ましの彼は
通称 福岡君として有名です
正直スバルクソ言われるけど酷いと思わない。
同じ状況に(何度も死に激痛を味わうし信用してたキャラに撲殺されたり)陥ってまともに振る舞える人いる?って話。
スバルの全部俺のおかげも事実で俺がいないとってのも真実なんだよね。
他者にそれは認識できないし本人が言っちゃったら台無しってだけで。
スバルはクズというより無自覚だけど精神的に追い込まれて余裕がなくなり平常心を保たなくなったちっぽけな普通の人間だと思う。
寧ろ現代人としては出来過ぎな主人公だと思う。
リアルを突き詰めたら視聴者なら全部見捨てて逃げてるかレムに殺されベアトリスに逃して貰って全てに恐怖した場合に繋がるifのゼロからオボレルイセカイセイカツ行きだと思う