あらすじ 元気爆発大食い娘の小田切双葉、天使の顔を持つ悪魔の葉山照、元お嬢様で極貧生活真っ最中の西川葉子の、3者でそれぞれ違う個性を放つ3つの葉とその周辺の濃い面子が織り成すギャグストーリー。
引用 – Wikipedia
地味だけど、その地味さが染み渡る
ある意味、きらら系と呼ばれる最近のアニメの元祖的作品であり、
同年代の作品で同じ日常系といえば「あずまんが大王」だろう。
かなり古い作品であり、連載13年目にしてアニメ化された。
なお、作者は「未確認で進行形」と同じ荒井チェリー氏。
見だして感じるのはOPの面白さだろう。
1話の冒頭でいきなりOPを差し込んでくる作品は最近では珍しく、
そんな珍しい中で非常に特徴的なOPだ。
作中でキャラクターを演じている3人が歌っているのだが
「作中の台詞のあるシーンがセリフ有り」が唐突に差し込まれる。
非常に不思議なOPであり、歌い終わりの感じとあいまって妙に印象に残る。
萌え系や特定のフレーズで狙った感じの曲とも違う、
なんとも不思議なOPだ。
毎話、その話の中のシーンがOPにセリフ付きで盛り込まれるというのは斬新だ。
それが面白いのかどうかは個人の好みによるだろうが、
少なくとも妙に「癖」のあるOPになっている。
ただ、個人的にはあのセリフパートはカラオケではどうなってるんだ?と
かなり気になる(苦笑)
そして細かい女の子の動き。
髪の毛の細かい動かし方、モブキャラが走っているシーンでさえ細かく動き、
一人ひとりのキャラクターの「性格」がにじみ出る可愛らしい動きが
随所随所で自然に差し込まれる。
「動画工房」という製作会社だからこその繊細な女の子の描写は
素直に「かわいい」と言いたくなる描写の数々だ。
ストーリーもかなり丁寧だ。
元資産家で元「お嬢さま」の少女がパンの耳を食べている所を
二人の同級生に見られてしまい、
そこから「三者三様」の3人による関係性が始まるという所から
ストーリーが始まる。
ただよくも悪くも普通だ。
13年前から連載している作品と最近の作品を比べれば、
流行りや雰囲気が違うのは当たり前だが、
最近の日常作品が「可愛い女の子の日常」+「なにか」で構成されていることが多い。
「のんのんびより」ならば田舎、「きんいろモザイク」なら留学生、
といったように何らかの要素がたされている。
しかし、この作品はそういった「何か」はない。
特に序盤はこの作品ならではの特徴は感じにくく、
「13年前に連載を開始した」という事を感じてしまう。
決して古臭いというわけではない、
良くも悪くも最近の作品にある1話での掴みというのがこの作品にはないだけだ。
その掴みがない分、
この作品には「13年」という年月が生み出した力強さがある。
はっきりいってしまえばこの作品は1話が1番つまらない。
1話、2話、3話、4話・・・
この作品の魅力は話数を積み重ねるごとに「じわり」「じわり」と
まるで染み渡ってくるかのように伝わってくる。
キャラクター数が徐々に増えるごとに賑やかになっていき、
キャラクターが掘り下げられるたびに新しい魅力を感じ、
その増えたキャラと掘り下げられた新しい魅力から生まれる
1話とは違った面白さが徐々に出てくる。
その面白さにいわゆる「破壊力」はない。
「お腹がいたいほど爆笑できる」「身悶えるほど可愛い」
そういったインパクトの強い面白さはないが、
面白さが「積み重なっていく」感覚だ
地味な日常から賑やかな日常にゆっくり変化していく。
その過程は非常に面白く、
1話と最終話ではこの作品の印象はかなり違う。
長期連載作品だからこその「ゆっくりとした変化」を感じられる作品だ。
全体的に見て地味さはあるものの中盤くらいまで見続けると、
この作品の面白さに気づくことができるはずだ。
徐々に増えていくキャラクターのおかげで賑やかになっていき、
キャラクター同士の絡み合いが面白くなっていく。
ただ、この作品の面白さは地味だ。
じわりじわりとした面白さであり、
いい意味でも悪い意味でも刺激が薄い作品であり、
もう一歩何か欲しかったと感じると同時に、
そのもう一歩がないからこそ長期連載になっているのかもしれない。
個人的には1話の段階ではなんとも言えない感じが強かったのだが、
6話超えてきたあたりから、地味な面白さが染み渡っていき、
最終話には不思議な満足感を感じる作品だった。
売り上げ的に1巻は3000枚前後、2巻は2000枚前後と
売上も地味だ(苦笑)
ぎりぎり爆死ではないため原作の売上が伸びれば
2期が期待できるかもしれない。
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