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怪獣大戦争「ポケモン・ザ・ムービーXY 光輪の超魔神 フーパ」レビュー

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評価★★★★☆(70点)79分
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あらすじ 100年前、砂漠の街「デセルシティ」は、強大な力を持つポケモンによって壊滅的な被害を受けていた。そこへ現れた旅人が、不思議な力を持つツボでそのポケモンを封印したことで、デセルシティの人々は平穏な時間を取り戻していた。
引用 – Wikipedia


怪獣大戦争

本作品はポケットモンスターの映画作品。
ポケットモンスターとしては18作品目、
『XY』シリーズとしては2作品目の作品となる。
監督は湯山邦彦、制作はOLM。

冒頭からかなり派手だ。
今回の主題にもなっている「フーパ」は不思議なリングを使って
なんでも取り出すことのできるポケモンだ。
そんなフーパが冒頭でありとあらゆる「伝説のポケモン」を出し
自らの力を誇示するために戦う。

レジギガス、ゼクロム、レシラムetc…
過去の映画でも出ていた伝説のポケモンが
どんどんと出てくるサービスシーンはポケモンファンならば
ワクワクするようなシーンであり、
お馴染みのポケモンという作品の紹介シーンでも
ルギアやカイオーガなど様々な伝説のポケモンが出まくる。

流石にミュウやミュウツーは出てこないが、
最近の伝説のポケモンの8割位は出ているんじゃないかと
感じるほど伝説のポケモンだらけだ。
そんな「フーパ」の同じ名前を名乗るポケモンとサトシが出会うところから
ストーリーが始まる。

この「フーパ」が非常に可愛らしい。
なんでも「おとりよせ」できる小さなポケモンでありいたずら好きだ、
しかし、あくまでも「いたずら」であり悪いポケモンではない。
可愛らしい仕草や可愛らし行動、いたずらっこっぽい「フーパ」の言動が
素直な可愛らしさを生んでおり、同時に作中の世界観にすんなり浸る事ができる。

しっかりと「フーパ」というポケモンに対して愛着を湧かせたあとに、
彼の真の姿が開放される。
可愛らしい姿のフーパと巨大で横暴で力を誇示しまくる真の姿のフーパ、
この2つの姿のギャップが素晴らしく、ストーリーをより際立たせる。

「フーパ」は決して悪ではない。
人間たちの望みを叶えるうちに自らの力を誇示をするようになり、
エスカレートし暴走した結果、人間に封じられ小さな姿にされただけだ。
災害的なポケモンでもなく、悪のポケモンでもない。

過去の映画のように敵の悪い人間に操られたり
利用されたりするわけでもない。
だからこそ「ストーリー」が純粋にどうなるのか?というのが読みにくく、
大人でも楽しめるストーリー展開になっているのは意外だ。

ただストーリー的には良く出来ているのだが、
中盤からポケモン映画のお約束的な感じになっている
「怪獣大戦争」状態になってしまうのは残念だ。

サトシの手持ちのポケモンは一切使わずに
大量に出てくる伝説のポケモンと共にフーパと戦う。
確かにお祭り感じはある、だが、正直言って出しすぎてレア感が薄れてしまっており、
せっかく大量の伝説のポケモンが出ているのにワクワク感が薄い。
身もふたもない話だが伝説のポケモンを出せばいいというものでもないだろう。

ただ大人が見るからそう感じるだけで、
子供が見れば「伝説のポケモンが大量」に出て伝説のポケモン同士で
戦うシーンはワクワクするだろう。
伝説のポケモンの「メガシンカ」など非常にテンションの上がるシーンもある。

だが登場させすぎたために1体1体の掘り下げや描写が甘く、
ド派手に登場した割にはあっさりとした戦闘シーンになっていることが多い。
シンプルのストーリーを盛り上げるために伝説のポケモン祭にしたのはわかるが、
もう少し絞って見ている側がワクワクするような対戦カードを
じっくりと見たかったなという印象は拭えなかった。

全体的に見てシンプルながら「Theポケモン映画」という
お祭り感のある作品に仕上がっている。
大人でも先が読みにくいがしっかりと子供が見ても楽しめるストーリーと、
伝説のポケモンだらけの怪獣大戦争状態のお祭り感があいまって
大人が見るとやや引っかかる部分はあるものの子供が見れば
十分に楽しめる作品といえるだろう。

残念ながら妖怪ウォッチに押されて興行収入は落ちてきている
ポケモン映画だが、この作品は「ポケモン」という作品が持つ
力強さを感じさせられる作品だ。
年月の浅い妖怪ウォッチにはできない、長年続いてきたからこその
お祭りポケモン映画は素直に評価したい。

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  1. 匿名 より:

    基本的には面白かったのですが、細かい所でツメの甘さがある映画でした。
    その1つが伝説ポケモンのチョイスは微妙さ。
    サトシがラティ兄弟と共闘するのは胸が熱くなりましたが、なぜそこにレックウザが混ざる?
    オメガ、アルファのゲーム宣伝の為に出演させる必要があるのは分かるけど、別に敵役で出せば良い話しで……
    もっとサトシの為に戦ってくれる伝説、幻のポケモンはゴロゴロいるのに!というか、なんだったらリザードンとか出してくれたら良かった。

    それとクライマックスの場面が……ネタバレ防止で詳細は伏せますが、あれってパルキア(空間を司る)、あるいはギラティナ(反転世界と現実空間を自由に経由できる)のどっちかの力を借りれば簡単に助かったので、なんとも酷い茶番でした。
    クライマックスの時は戦いのダメージでダウンしてたとか、適当に辻褄を合わせて欲しかったですね。