箱根温泉の温泉饅頭屋の息子・冬哉はある日、店の裏山にある源泉に温泉饅頭を落としてしまう。直後、源泉の中から幼女が現れた。彼女は名をハコネちゃんと言い、「源泉の主」を自称する。元の大人の姿に戻りたいハコネちゃんと冬哉、そして彼の幼馴染の榛名・亜季姉妹らが繰り広げるコメディ作品。
日本よ、ついに温泉まで擬人化か・・w
原作は漫画作品。
監督は柳瀬雄之、製作は旭プロダクション、プロダクション リード。
いわゆるご当地アニメ的作品であり、文字通り箱根が部隊になっている
見だして感じるのは懐かしさだろう。
キャラクターデザインは最近のアニメというよりは「000年代前半アニメっぽく
作画的にもあまり質感がよろしく無い、
デジタルとセル画の切り替わりの時代の作画のようだ。
そして内容も最近のアニメらしくない「まったり感」だ。
温泉の主である妖精が突然、主人公の目の前に現れて、
主人公たちと過ごすという日常系であり、
強烈なギャグもなければ強烈な萌え要素もない。
1話5分アニメとは思えないほどのゆるゆるとしたテンポは
面白いか面白く無いかを判断する前に終わってしまう感じが強く、
これが30分位でストーリーを膨らませれば、
箱根の温泉地の雰囲気や懐かしい雰囲気のアニメとして
もう少し流行ったかもしれないが、
1話5分では作品の面白さを感じる前に終わってしまう。
ストーリーも「まったり日常」でそれ以上でもそれ以下でもない。
例えば「箱根」が全盛期のように活発な観光地になるにつれ、
ハコネちゃんの力が戻っていくといようなストーリーであれば、
分かりやすくご当地密着で箱根のイベントや風習、
観光地などを自然に描ける「たまゆら」のような感じになったかもしれないが、
元に戻るためには箱根に対する「信仰」なため、ふわふわしており、
日常系でもギャグでも萌えでもない、中途半端な作品になってしまっている。
全体的に見て懐かしい雰囲気の作品は悪くはないのだが、
1話5分という尺ではその上辺の雰囲気だけしか感じ取れず、
作品全体の方向性も定まらないままに終わってしまった感じだ。
雰囲気自体はそこまで悪くはなく、箱根が部隊のご当地アニメというのは
いくらでもやりようがありそうなだけに、
「1話5分」という短編枠に閉じ込められてしまったのがもったいない感じだ。
終盤のストーリーも強引に占めている感じが強く、
作画も止め絵が増えてしまったのは残念だ。
原作が2巻しか出ていない事を考えれば5分アニメしか難しかったかもしれないが、
雰囲気自体は懐かしい感じで悪くなかっただけに、
もう少し作品全体を膨らませて、1話30分で1クールきっちりと
見たかったと感じる作品だ。
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