まったり身長差カップルのラブコメ感がたまらない「小森さんは断れない！」レビュー

原作は４コマ漫画作品。
監督は今泉賢一、製作はアニメーションスタジオ・アートランド
１話３分ほどの短編アニメ枠。

見だして感じるのは「タイトル通りの作品だな」という感想だろう。
「小森さんは断れない!」というタイトルの通り、
頼まれごとは断れない性格のヒロインをメインに据え、
そんな彼女が「頼まれまくる毎日」を描いている作品だ

はっきりいって、それ以上でもそれ以下でもないという感じが強い。
爆笑もしないが苦笑もしない、
過剰に頼まれまくる日常に若干の違和感を感じつつも、
もう一歩過剰にやればギャグになる、もう一歩控えれば日常のまったり感が出る。
だが、どちらにも動かないため「ギャグ」にも「萌え」にもなっていない。

しかしながら、作品中盤から出て来る男性キャラクターが、
誰からも頼まれない身長の小さい男の子であり、
頼まれても断れない長身の女の子と、いい対比になっており
日常アニメでありながら「ラブコメ」のような雰囲気が出ており、
この中盤の空気が非常に素晴らしい。

別作品ではあるが少女漫画の「ラブ★コン」を彷彿とさせる
身長差カップルがまったりと描かれるため、
少女漫画のがっつりとした恋愛模様とは違い、
ほっこりとしたラブコメがいい癒しになっている。

全体的に色々ともったいない作品だ。
序盤から中盤までは毒にも薬にもならない感じが強い作品だが、
中盤から男性キャラクターが追加されたことによりラブコメ的な面白さが追加され
この作品らしい「ほっこりとした」面白さを感じられたが、
感じた直後には持続せずにそのまま終わってしまう作品だ。

１話３分という尺では作品の表面上の魅力しか出せれていない感じが強く、
あと１０分、せめて５分ほど１話ごとの尺があれば、
主人公である「小森さん」の魅力やサブキャラの魅力が出たかもしれないが、
３分ほどでは「タイトルから想像できる作品の面白さ」を
超えない作品になってしまっていた。

決して駄作ではないだけに３分枠という中に
面白さが閉じ込められてしまったのが本当に残念だ。