グロさ極まるダークヒーロー
監督は舞城玉太郎、製作はスタジオカラー
基本的な内容は「ヒーローもの」だ
猟奇的殺人犯に頭をハンマーで叩かれたことにより
潜在的な力に目覚めたヒーローの活躍を淡々と描く
この作品に「明るさ」というものは一切ない
徹底的なグロさで描かれる血なまぐさいヒーローの戦い、
戦いの果てのヒーローの残酷なまでの姿とそれを見つめる少女、
ドロドロっとしたダークヒーローものは
刺激的な描写とともに排他的なヒーローの孤独さに不思議な魅力を感じる
残念なことにわずか8分ほどの短編尺ということだろう。
ハンマーヘッドが戦う理由と人類が求めるヒーローとしての力、
わずか8分ほどの中で「ダークヒーロー」としての面白さが詰まりまくっており、
明らかに「死んでいる」状態からの復活など、
思わず「ゾクゾク」っとするほどのグロさと面白さを感じさせる
内臓的な描写が非常に多いため地上波で放映した場合、
規制の嵐でしかないだろうが
規制や表現の制約を無視した「グロいダークヒーロー」ものというのを
もっと見たいと感じさせるほどこの作品は蠱惑的魅力を秘めており、
それだけに8分ほどの尺が惜しい。
全体的に見て「ダークヒーロー」ものが好きならばたまらないだろう
死を求めるなからの敵との戦い、死を求めているのに死なせてくれない悲しみ、
グロすぎる血液、内臓の表現を余すこと無く描くことで
わずか8分という尺の中での戦闘シーンが際立つ。
焼け落ちる手、溶かされる皮膚、引き裂かれる体、
もはや「生きている」とはいえない「ハンマーヘッド」の姿に取り憑かれるはずだ
わずか8分ほどの尺できちんと
「ダークヒーロー」というジャンルの面白さを詰め込んでおり、
地上波ではないWEB限定配信だからこその表現を取り入れることで
アニメーションとしての面白さを出している。
そこに「林原めぐみ」さんの声による語りが入ることで
作品の雰囲気がぎゅっと引き締まっている。
個人的には実に「日本アニメーター見本市」らしい作品だと感じた
この作品を今、地上波や劇場版で作ることは難しいだろう
10年前くらいの深夜帯や、20年前くらいのOVAシリーズとしてなら
作れるかもしれないが、表現的にも内容的にも売り上げ的にも
「今」この作品を「日本アニメーター見本市」以外で作ることは難しいはずだ
そういった意味では企画意図が120%生きている作品といえるだろう
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