久しぶりにアニメでタライが落ちるシーンを見たw
監督は中澤一登、製作はスタジオカラー
見だして感じるのはおどろくほど書き込まれた背景だ
「え?実写?」と疑いたくなるほど描き込まれまくった背景は
わずか9分ほどの尺にもかかわらずかなりこだわって描かれている
その一方で車やキャラクターの作画はあまりレベルが高くなく
くせのあるキャラクターデザインが背景から若干浮いているくらいだ
おそらくこれはわざと、演出だと思うのだが
描き込まれまくった背景と癖のあるキャラクターの作画、
その両極端の「アンバランス」さが不可思議な雰囲気を作り上げており、
「コント」というこれまた不可思議な内容を盛り立てている。
この作品はまさしくコントだ。
吉本新喜劇もびっくりな「ベタベタ」なボケやネタ、
タライが落ちてくるような舞台装置が荒野のバーに訪れた男をを襲う(笑)
真剣な話をしているのに落ちてくるタライ、
真剣な話をしているのに飛んでくる弓矢、
ベタベタなコントが癖になるような笑いを生んでいる
爆笑するわけではない。
だが、ベタベタなコント、ベタベタなボケがじわじわくるような笑いを産んでおり
「次にどんなベタがくるのか?」という期待感につながっている
それと同時に殺し屋の兄弟のストーリーも面白い。
サスペンスかつシリアスな内容なのに、
そこに挟まれる「ベタなコント」要素のおかげで暗くならない
まるでウィットなアメリカンジョークを聞いているような感じだ。
全体的に見て話の内容も起承転結、すっきりと気持よく終わり
わずか「9分」という尺でコントと殺し屋という
相容れない要素を組み合わせて1つの作品にしており
「短編アニメ」として完成度の高い内容になっていた
ほとんど欠点はない。
心地の良いストーリーの起承転結、作画のアンバランスさ、
ベタベタな昭和コントと殺し屋兄弟のストーリーが
9分という尺を一切無駄にせずに使いこなしており
欠点らしい欠点を言うならば「見る人の好み」くらいなものだ
だが好き嫌いが別れるような作品ではなく、
殺し屋が題材ではあるもののグロ要素もない(軽い血液表現はあり)
わずか9分という尺で誰もがクスクスっと見終わる素敵な作品だ
ぜひご覧頂きたい
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