短編アニメで肝心なのはオチである
監督はうつのみや理、制作はスタジオカラ-
見出して感じるのは非常に癖のある作画だ。
アメリカのリアルなアニメテイストといえば伝わりやすいかもしれないが
いわゆる「ぬるぬる」っと動くリアルなキャラクターの動き、
生々しささえ感じる唇や目の動きは「実写テイスト」でありながら
その妙に艶かしい動きがどこか「怖さ」を感じさせる。
そして不思議なストーリー。
女性の部屋に訪れる二人の刑事、その家で先週、女性が殺され部屋が燃やされたという
だが、部屋に住んでいる女性はその事実を知らない。
そして刑事たちは慌てふためく「再現の時間」だと。
物語の設定や細かい部分を「説明」するのではなく感じさせる
物語を見ていると自然と「ああ、なるほど、そういうことか」と
たった8分ほどのストーリーでありながら、
その「なるほど」という感覚を何度も見ている最中に味わう
私はこの作品のストーリーをコレ以上説明したくない。
物語の設定、世界観のねりこみを8分という尺の中に
「ぎゅ!」っとつめ込まれたSFストーリーは
まるで「世にも奇妙な物語」を見ているようなドキドキ感と恐怖感を感じさせ
物語が進めば進むほど、作品の雰囲気に飲み込まれる
だが、残念なことに「オチ」が非常に弱い
起承転結の起承転の部分は非常にいいのだが、
短編アニメでは肝心な「結」の部分が「ふわっ」っとしてしまっており
これで綺麗にオチがついていたり、何らかのどんでん返しがあれば
作品の印象も強く残ったのだが、
「で?コレで終わり?」という肩透かしを食らってしまった
全体的に見て作品の雰囲気や設定は悪くなかったのだが
その設定を活かしたストーリーを8分という尺の中で活かしきれておらず
設定の面白さだけで終ってしまった感じは否めない
癖のあるキャラキターデザインや実写テイストな動かし方など
作品の空気感や設定は非常によく出来ていただけに、
もう少しスッキリと見終わりたかった感じだ
ただ、これがきちんとシリーズ化されれば面白いかもしれない。
「三本の証言」の「本数」の意味やSF設定など
実写テイストじゃなく最近のアニメ風な世界観の中に落とし込み、
SF刑事ものとして2クールぐらいガッツリ作られれば流行るかもしれない
そういった期待感を感じさせる「設定」なだけに
色々ともったいなさを感じる作品だ。
あえて例えるなら「漫画の新人賞」のような作品だ
アイデアはいい、絵もいい、ストーリーも始まりから中盤はいい
だが、限られたページ数のせいでオチが弱くなってしまっていた
もう少しページ数=尺を意識したストーリーに仕上がっていれば
素直に「面白い」といえる作品なだけに惜しさが強く残る
個人的な意見になるが、こういった短編作品で
エンディングががっつり流れるのはあまり好きではない
特にこの作品の場合、1分ほどエンディングに尺が割かれてしまうのは残念でならず
その一分でもう1展開魅せることができたのではないだろうかという
もどかしさを感じさせる作品だった
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最初はオチが良くわからなかったのですが何回か観て、三本目の髪の毛が、殺された彼女が寝ているときに抜けた髪の毛だとわかって評価が変わりました。
つまり最後に再現された過去の幸せな光景は彼女の見てる夢だったんですね。ホログラフのなかでも登場人物が寝ていて、そのことを暗示しているし、二本目のホログラフは寝ているところから始まるし。とにかくスッキリしました。
そう考えるとこの説明の少なさは、はじめから何回も観ることを前提としている気がします。何回も見直せるネットで公開だし、この短い尺だからこそ出来る表現かなと・・・
久々にこういう映像作品を観て感動してしまいました。
で、最後何がいいたかったのだろう、、、
正直よく分からなかった。。。