所詮、人間の敵は人間だよ。え?でも、竜襲ってきてますやん!
監督は草川啓造、アニメーション制作はディオメディア
見出して感じるのはキャラクターデザインの古さだろう
髪の色や目の大きさ、細身の身体、若干独特な制服のデザインなど
2000年代の深夜美少女アニメのようなキャラデザは
妙な懐かしさすら感じる
そして、そんな状態で2000年代の深夜アニメのような分かりやすい展開で始まる
突如として現れた「ドラゴン」、そんなドラゴンに対向する
ドラゴンと同じ力を持った少年少女達。
ドラゴンに立ち向かうため、「世界全体の資源」として管理されており、
「メスに飢えたドラゴン」に立ち向かう少女を育成するために、
女性しか居ない学園に主人公が訪れるというところからストーリーが始まる
美少女が裸でいる所に主人公が訪れる。
ライトノベルではかなりの確率でヒロインとのファーストコンタクトの定番シーンだが、
キャラクターデザインのせいもあり、あまりエロくない(苦笑)
光規制などをしていない所は評価すべきポイントではあるものの、
あまりクォリティの高くない作画でど定番すぎるセクシーシーンは
「又この手のハーレムアニメか・・・」という不安しか感じることができない
その不安は的中する。
「女性しか居ない学園」という舞台設定でハーレム状況を作り出しており、
非常に安易にセクシーシーンを入れまくる。
女性キャラクターの胸を意図的に揺らしまくったり、
シリアスなシーンなのにパンチラなどを入れたり、
せっかくストーリーに緊迫感がでてるのに
セクシーシーンを入れすぎているため、その空気感を台無しにしてしまう。
ストーリー的にもこの作品はラノベつめ込みセットのような作品だ
最近のラノベの設定やキャラクターをそのまま取り入れて
少し設定の「言葉」を変えてオリジナル作品にしてはいるものの、
見れば見るほどいろいろな作品が頭によぎることだろう
インフィニット・ストラトス、星刻の竜騎士などの過去のラノベ作品など
多くのアニメやライトノベルを知っていれば知っているほど
ネタ元が分かってしまうはずだ
更にそんなテンプレート的な設定でありつつもストーリー展開が遅い。
バトルファンタジー的な世界観でありながら、
1話では戦闘シーンはなく、2話でも戦闘シーンはない
丁寧に設定やストーリーを描写し「主人公がヒロインを守る理由」や
「ヒロインが主人公に惚れる課程」を描いているのだが
あまりにも丁寧過ぎてなかなか盛り上がらない
明らかに「尺稼ぎ」的なシーンも目立ちテンポが悪すぎる
ただ、戦闘シーンの演出は悪くはない。
少女たちが力を使う際に「呪文」のようなものを唱えて力を具現化し攻撃を行う。
この作品の根幹でである竜の力「D」というものを演出で盛り上げており
きっちりと視聴者に印象付けている
更に敵である「竜」の描写も、CG感がバリバリではあるものの
「巨大な竜」の迫力はきちんと出ており、
全世界に7体しか居ないからこそデザインもかぶらず、
巨大な龍に立ち向かう少女たちの戦闘シーンがきちんと盛り上がる
だが、そんな戦闘シーンの演出が台無しになる。
TV版ではいわゆる「ポケモンフラッシュ」現象を防ぐため
意図的に暗くしているシーンが有る。
この意図的に暗くしているシーンが非常に多く、
しかも、他作品のポケモンフラッシュ対策に比べて
かなり暗くなるため戦闘シーンの盛り上がりを折られてしまう感じだ
更に持続しない。
1話、2話と戦闘シーンがなく、ようやく3話で竜との戦闘が始まった!と思いきや
肝心の主人公は「人間」と戦う(苦笑)
その間に肝心の竜との戦いは殆ど描かれない
本来はもっと緊迫した状況のはずなのにテンポが悪いせいで緊迫感が出ておらず、
せっかくのシリアスなシーンが常に「肩透かし」な状況だ
ヒロインたちの能力を1話できっちり描いたにも関わらず、
彼女たちの能力は竜に対して効果が薄い
舞台設定で「防衛ライン」が敷かれているものの時間稼ぎにしかなっておらず、
人類側が「圧倒的不利」な状況にもかかわらず、
のんきに人間同士のいざこざを描いてしまう。
更にせっかく盛り上がりそうな戦闘シーンも「敵側」の攻撃の描写が薄い
ほとんどの竜はヒロインに向かって一直線に突き進むのみで
一直線に進んできた竜を主人公が力を開放して倒すのみだ(苦笑)
技の演出がうまく、アニメーションとしての迫力は出ているものの
よくよく内容を考えるとシンプル過ぎて内容が薄い。
そして主人公の能力。
この主人公はとてつもない能力を使える代わりに「記憶」を代償にしている
だが、その代償にした記憶の描写が力を使った直後にない。
それこそ、せっかく救ったヒロインとのエピソードや名前など
がっつりと部分的に記憶を失えばカタルシスや面白さが出てくると思うのだが、
失う記憶が物凄く部分的すぎる記憶で
その、どんな記憶を失ったか分かるのが最終話なためどうにも釈然としない
例えばヒロインを守る代償として記憶を失う作品として有名なのは
「とある魔術の禁書目録」などがあるが、
あの作品のようにガッツリと記憶を失って初めてその設定が生きてくるはずなのだが、
この作品ではその設定を中々生かさない。
更にキャラクター数の無駄さ。序盤の段階でたっぷりとキャラクターを出している。
クラスメイトや義理の妹など、キャラクターを増やす必要性を感じないほど
メインキャラクターを出している。
それなのに、そんなメインキャラクターを掘り下げずに新しいキャラを出す
掘り下げないまま新しいキャラを出し、そのキャラのエピソードを進めてしまうため
結果としていつまでたってもメインのはずのキャラクターの印象が強まらない
メインのキャラクターの可愛さも声優さん達の演技による所が非常に大きい。
日高里菜、佐倉綾音、沼倉愛美、金元寿子、花澤香菜、早見沙織など
人気女性声優を集めており、声優さん達の演技や声質による
可愛さがなければ厳しい部分が多い。
基本的に女性キャラは主人公に対して積極的な態度やセリフが多いため、
「中の人」のファンならば楽しめるシーンも多いだろう
これでストーリーのテンポが良ければ気になる部分が気にならなかったかもしれない
戦闘シーンの盛り上がらなさ、ヒロインの多さ、主人公の記憶を失う描写など
テンポが悪すぎすために欠点が非常に目立ってしまっており、
言い方は悪いが「勢い」さえあれば、欠点がごまかせた部分もあったはずだ
1話1話が常に間延びしており、だらーっとしたストーリー展開のせいで
欠点が目立ってしまい、この作品本来の魅力も薄まってしまっていた
全体的に見て本来はそこまで悪い作品ではない。
記憶を失う代償に巨大な力で竜を倒す主人公と、
竜に狙われつつも龍の力を使って竜と戦う少女たち。
本来はもっとシリアスに出来るストーリー展開のはずなのだが、
微妙なセクシーシーンをいれまくるせいで、そのシリアスな雰囲気が出ておらず
主人公の記憶も失ったんだか失ってないんだかよくわからないため悲壮感も出ず、
最初から最後まで竜と戦うよりも人間同士のいざこざのほうが
目立つストーリー展開で終わってしまった。
キャラクター、設定、世界観、ストーリー。
色々と既視感のある内容ではあるものの、
それを組み合わせて1つの作品にはしている。
だが、その設定やキャラクターを歯がゆいまでに上手く使いこなせないまま、
ストーリーのテンポも悪いせいで欠点が目立ちまくってしまった
ストーリー的にももちろん完結しておらず、
俺たちの戦いはこれからだ状態だ。
作画面でも終盤になるにつれて明らかに力尽きており、
違和感を感じるようなシーンも多い。
声優さんを豪華にした結果、作画面での予算が削られたのかもしれないが
それはある意味、正解ではあるものの
キャラクターの可愛さの表現という意味では厳しい部分も多かった
この作品、決して面白いとはいえないものの
どこか嫌いにはなれない。
駄作にありがちな「苛立ち」を感じるシーンも少なく、
テンプレ的な要素が多いだけに受け入れやすい作品ではある
だが、だからこそ「もう少し面白くならないかな」という気持ちが
見ている最中につきまとう作品だった・・・
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