3DCGで描かれるエヴァはこれほどまでに美しい
監督は荒牧伸志、制作はSOLA DIGITAL ARTS
見出して早々・・・いや、正直に話そう。
私はこの作品を見る前にこの作品が「エヴァンゲリオンの別の世界での無号機」の話というのを
ネットの事前情報で知ってしまっており、見る気をなくしていた。
この企画の中ではエヴァはなるべくみたくない、短編アニメを見たいんだという思いが強く
この作品は見る前から否定的だった。
だが、見出して早々、そんな否定的感情が吹っ飛ぶ。
なにせ「2Dアニメ」ではなく「3DCGアニメ」だ(笑)
あのエヴァンゲリオンが、90年台のセルアニメの手描きで描かれていたエヴァンゲリオンが
最新の「CG」で描かれる。
恐らく最近のリメイク版エヴァンゲリオンに対して否定的な考え方を持ってる方も
「CGで描かれるエヴァンゲリオン」というだけでワクワクが止まらないはずだ。
この作品はそんなワクワクに思う存分応えてくれる。
無号機を無機質かつ無骨で、エヴァというにはあまりにも「テカテカ」っとした質感、
そして「起動実験中の暴走状態」という描写がたまらない。
3DCGは手描きアニメと違い「重さ」の描写が甘い作品も多いが、
この作品は暴走状態だからこその生々しい動きから生まれる軽さの表現と
破壊される街並み、効果音できちんと重さも同時に表現している。
咆哮だけで戦闘機をなぎ払い、まるで人間のように、廃退した街を破壊し走り回る
倒れるビル、噴き上がる地面、赤い海に囲まれた大地、あのピアノの旋律。
そして暴走する彼に聞こえてくる「声」に引かれ、叫ぶ
5分ほどの尺の中で「エヴァンゲリオン」の魅力がぎゅっと詰まっており、
ただのリメイク、ただの焼き直しではなく、
3DCGで描かれる「エヴァンゲリオン」の魅力を5分の尺の中でたっぷりと描いており
このクォリティで描かれるEVANGELIONをもっと見たいと感じてしまう内容だ
全体的に見てエヴェンゲリオンのファン向けであることは否めないが、
それでも「3DCG」で描かれるロボットの滑らかすぎる描写は、
エヴァンゲリオンというロボットでありながら
生々しい動きを見せる暴走状態があるロボットだからこそ、
3DCG特有の早く滑らかすぎる描写が欠点ではなく魅力に変わっている
CGといえば海外、ハリウッドが本場だ。
最近では「パシフィック・リム」などもロボットの3DCG描写が話題になった
だが、私はあのパシフィック・リムよりもこの作品のほうが描写としては好きだ
「暗さ」や「水の中」などの状況でごまかさない、
夕日が光る中で街を暴走する「エヴァンゲリオン」というロボットの魅力を
5分という尺の中でこれでもか!!と描いている作品だ。
日本のCGは海外のCGに負けていない!
ハリウッドのような予算と時間さえあればこのクォリティで2時間映画を作れる!という
制作陣の声が聞こえてくるようだ。
恐らく、このクォリティで2時間の映画を作ればとんでもない予算がかかるだろう
5分という癪だからこそできるクォリティであることは否めないが、
だが、日本の「CGアニメ」の凄さを5分の尺でたっぷりと味わうことができる
またエヴァかと思っている方も騙されたと思って是非身て欲しい。
私もそう思ってみてこの評価だ。
残念ながらストーリー的な部分の描写はほとんどないものの、
もう1度見たい、何度も見たいと感じさせる「アニメーション」としての面白さが詰まっている
私は既にレビューを書きながら5回ほどリピートしているが、まだ飽きない(笑)
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