起承転結、喜怒哀楽。
監督は前田真宏、製作はスタジオカラー
作品はこちらからみることができる
http://animatorexpo.com/nishiogikubo/
見出して感じるのは作画の癖だろう。
「手描きです!」と言わんばかりに手書き感あふれる作画で描かれており、
アニメーションとしての動きも非常に固い。
あえて作画の枚数を減らすことで動きの硬さを生み、
手描き作画とあわせて「独特な世界観」の雰囲気が出ている。
ストーリー自体も物凄く不思議な雰囲気だ。
同棲をしている男女、目が覚めると女性の方は体が小さくなっており
ついでに彼氏には「ゴキブリ」に見えてしまう(笑)
必死に彼に助けを求めるのだが、彼の目にはゴキブリに見えてしまう彼女。
体が小さくなってしまったことが一大事なはずなのに
なぜか重苦しいムードにならない。
「彼氏にはゴキブリに見える」という設定のおかげで
男のゴキブリとの必死の勝負が描かれれコミカルさが強まる
ゴキブリが嫌いな方には物凄く共感できる彼の過剰なまでの反応の数々が
強いギャグになっており、そしてストーリーのオチがなんとも愛らしい。
恐らく見ている視聴者も「あ・・・」と思うシーンが有る。
それまでのストーリー展開と設定がその「あ・・・」と思うシーンを生んでおり、
その後の展開と彼女の表情で思わず笑顔になって見終わることの出来る作品だ
全体的に見て短編のアニメとしてスッキリと面白い作品だった
手描き作画の癖こそあるものの作画枚数の少ない固い動きなのにもかかわらず
ゴキブリになった女性とゴキブリを倒そうと必死になる男性の
激しいアクションが迫力満載で画面狭しと描かれ、
最後に「オチ」をつけることでスッキリと見終わることのできる作品だ。
これまでの日本アニメーター見本市はすっきりと終わる作品は少なかったが
この作品は「7分」ほどの尺をうまく使い
その中で手描き「演出」と迫力ある「アニメーション」としての動きの面白さを
きっちりと味わせてくれる。
起承転結、喜怒哀楽が8分という短い尺の中でぎゅ!っと詰まっており、
見終わった後に心地のいい後味を感じることが出来る作品だ
オチを知っていると何度も見て楽しめる作品とはいえないが、
1度は見て欲しい。
思わず最後の方のシーンで「あ・・・・」と貴方もなるはずだ(笑)
ちなみにゴキブリはかなりリアルな描写なので本当に嫌いな方は閲覧注意かもしれない。
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