飛べない豚はただの豚?いいや、豚は用心棒にならなれる
制作は「テレコム・アニメーションフィルム」、監督は「友永和秀」
見出して感じるのは可愛らしい狐のキャラクターだろう。
この作品の世界観のキャラクターは全て「動物」であり、
擬人化された動物たちのキャラクターが「時代劇」のような雰囲気の中に存在している
ファンタジーなのに時代劇という世界観というのが不思議な雰囲気を醸し出しており
アニメーションだからこそこの作品の世界観が許される。
そして主人公は豚の侍だ(笑)
紅の豚以来の「豚」が主人公の作品は本当に序盤は王道な時代劇ちっくな話だ
家宝の地図とともに誘拐さらわれた狐、捕まった狐と話すうちに「豚」は
狐を助けることになってしまうというところからストーリーが始まる
ストーリーとしては非常に単純だ。よくある話でどこかで見たような話だ
だが、それをデフォルメされた「動物」たちが立ちまわることで「コミカル」さがましており
戦闘シーンでさえ「愛くるしさ」を感じることのできるシーンになっている。
そして豚と狐の旅が始まる。
まさに子連れ狼状態で2人の旅路がダイジェストチックに描かれる。
豚と狐のふたり旅は本当に微笑ましく、
この不思議な組み合わせが何とも温かい気持ちにさせてくれる
そんな温かい旅路があったからこそ「豚」は戦いに挑む
そんな戦いの中で唐突に出てくるロボット(苦笑)
トランスフォームのかけがえとともに出てくるからくりロボット、
デザイン的には確かにファンタジーな時代劇にあっているともいえるのだが、
豚を強くしすぎたあまり「ロボット」という敵を出してしまったのは少し拍子抜けしてしまい、
更にはロボットはすぐに暴走と、少し展開の強引さを感じてしまったのは残念だ
確かにコミカルな展開が多いため、ガチガチな戦闘シーンを描きたくなかったのは分かるが
ロボットを出す必要性があまり理解できなかった
更にいうと完結していない。
短編の25分という尺の中でストーリーが結局
「俺たちの旅はこれからだ」になってしまっており、宝の地図の謎も解けずじまい。
本来は物語の最後でその宝の地図の謎がとけないといけないはずのに
短編アニメというよりは4クールぐらいのアニメの1話出終わってしまったのは残念だ
全体的に見て雰囲気はいい作品だ
デフォルメされた動物たちに寄る「子連れ狼」のような世界観や話、
だが人間がリアルに演ずる時代劇のように殺伐とした雰囲気はなく
デフォルメしたキャラクターによるアニメーションだからこそできるコミカルさと
豚と狐という不思議な組み合わせが温かい雰囲気を生んでいた
しかしながら30分で完結しておらず、あくまでも物語の導入部分でしか無い
豚の過去とは?宝の地図の謎とは?と
いろいろな謎が残った状態で終わってしまっているのは
短編アニメという形で制作された作品としては残念だ
日曜の朝アニメなどで続編があったら見たいと感じさせるだけのポテンシャルはあるものの
この作品単体としては雰囲気だけで終わってしまった印象が強く残ってしまった
個人的には序盤から中盤まで物凄く楽しめたのに
終盤での失速具合の凄まじさで拍子抜けしてしまった。
非常に惜しい作品だ。
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