レッカー車だってヒーローになれる、空だって飛べちゃうさ
前作はマックイーンの成長が描かれたが、
今作はサブキャラクターだった「メーター」にスポットが当てられる
見出して感じるのはレベルの上がった3DCGだろう。
前作の時点でも洗練されていた3DCGだったが、今作では更にレベルが上っており
何を説明しなくても「うわ、前作より凄い!」と素直に言えてしまうほど
分かりやすく作画のレベルが上がっている。
特に水の表現、車体の表面の細かい傷や汚れ、炎や光の表現など
細かい描写を見ているだけで楽しいと感じてしまうほど卓越した3DCG描写だ。
キャラクターの描写も「車」ごとの違いがはっきりと分かるほどのレベルだ。
車ごとの素材感の違い、タイヤの質の違いなど金属や素材などの質感が手に取るようにわかる。
画面に触るとその車体の質感がリアルに伝わるんじゃないのか?と勘違いして
画面を触りたくなってしまうほどのレベルだ。
大人はそんなことはしないが、子供ならしてしまうかもしれない。
更に日本人には嬉しい日本が舞台のレース。
美しく描かれた東京タワーは一瞬しか映らないものの、
東京らしい街並みの描写は日本人なら思わずワクワクしてしまう描写だ。
特に日本舞踊や歌舞伎、相撲などをマックイーンたちが楽しむ様子は思わずニヤっとしてしまう
日本を舞台にした小ネタの数々は日本人だからこそ笑える部分もあるだろう
個人的には「トイレの豪華さ」は外人から見た日本の特徴なのかと笑ってしまったがw
更に冒頭からの激しい「スパイアクション」は見ものだろう。
特殊な装備が施された車の単独潜入し発見し逃亡するまでのアクションは
007のボンドカーもびっくりな仕掛けとスーパーアクションの数々で
夜の取引場所で繰り広げられるシーンの数々はググっと作品の世界観に引き込まれる
そうかと思えば、その直後にお馴染みの「メーター」が出て彼らしいボケを繰り広げる、
彼が出ることで一気にスパイアクションからカーズの世界観に染め上げるシーン展開は流石だ
そして冒頭から激しいスパイアクションの後にレースシーンが始まる。
前作は2回ほどしかレースがなかったが、今作は3回もあるうえにレースシーンも長い。
レースシーンでの音響は前作以上にリアルになっており、
前作よりも緊張感のあるレースシーンを展開している
洗練された3DCGがよりリアルなレース模様を描写しているからこその圧倒的な迫力だ
F1、カーレース好きな方でも満足できる
ストーリー的には前作からの続き。
マックイーンはレースに優勝し一時の休暇を楽しんでいた。
しかしながら、ひょんなことから「ワールドグランプリ」に参加することになってしまい
マックイーンはメーターを引き連れてレースに参加することになった
だが、世界中の車が集まる大舞台でメーターは恥ばかりをかいてしまう
そんな中で「スパイ」が暗躍していた、メーターはひょんなことからスパイの仲間と勘違いされる
というところからストーリーが始まる
このストーリーの説明通り、今作の主人公は「メーター」だ。
もちろんマックイーンも活躍するのだが、彼の成長は前作で描き切っている
だからこそ今作は彼の親友でもある「メーター」の成長を描いている
マックイーンは今までのレースに、頑なにメーターを連れて行っていなかった、
それは彼の性格が所以している、世間を知らず、お調子者で抜けている。
だからこそ勝負の場所であるレースにメーターを連れて行くことは出来なかった
そして今回、たまたまメーターを連れてきてしまったがゆえに
メーターのミスのせいでレースで2位になってしまう。だが、それは彼のせいではない。
彼がたまたま「スパイ」に間違えられてしまったからこそのミスだ。
そのミスをメーターは後悔し、クルーを止める
マックイーンのクルーを外れた後はスパイとして活躍しだす(笑)
一作目しかまだ見ていない人にとってはあの「メーター」がスパイ?というのが
もはや意味不明だろう、彼自身でさえ自分をスパイとして自覚せずにスパイ活動を行う。
それが何ともおかしいのだ(笑)
ベテランのスパイに言われるがままついていっていて命令に従ってるだけに過ぎない
だが、メーターは持ち前の「レッカー車」らしい知識のお陰で事件解決にたまたま役立ってしまう。
メーターの天然ぶりが最大限に発揮されるため
シリアスなスパイ側のストーリーがやけにコミカルになっている(笑)
だからこそ大人でも子供でもがっつりと楽しめるストーリー内容になっている。
マックイーンも活躍しないわけではない、むしろ彼も主人公だ。
彼はメーターに強くあたってしまったことを後悔している
初めて出来た親友だからこそ初めての喧嘩の仲直りの仕方もわからず、
メーターも自分の元から去ってしまう。
彼自身は前作で成長しきったかに見えたが、今作でもきっちりと成長している
そんなマックイーンの成長よりも「メーター」の成長は著しい。
彼はスパイとして活動する中で自分の「恥」を見直し成長する
マックイーンに認められ自分を認めてもらったことで彼は彼らしく成長し
真犯人まで突き止めて、メーターは恋人まで出来てしまう(笑)
前作のオマージュのようなオチは前作を見ているファンにとっては
クスクスっとしてしまう展開になっており、
メーターとマックイーンが二人並んで走っている様子は今作ならではのラストだろう
全体的に前作のような「王道さ」はない。
前作には「敵」という存在がない成長物語だったが、今作では敵がいる。
敵も車の世界ならではの「欠陥車」であり、欠陥車であるがゆえに悪事を企んでいる。
きちんとした悪事を働く理由と敵という存在理由こそあるものの
敵という存在が現れてしまったことで若干シリアスな部分や車が壊れる描写も多い。
そういった意味での王道さや純粋さは無くなってしまったが、
今作は今作らしいおもしろさがあり前作とは違う「カーズ」という世界観と
キャラクターの面白さをしっかりと味わうことの出来る作品だ
前作は成長物語、今作は「友情物語」としてしっかりとしたストーリーになっており、
随所随所の小ネタや3dCG、レースの描写はなどは前作以上だ
ただ前作のような王道さや、あくまでもメーターが主役になったということで
マックイーンが脇役になってしまったという肩すかし感じはあるかもしれない。
この部分は見る人の好みによって評価が別れるところだろう。
一作目のほうが好きという方と二作目が好きと言う方、
そして両方好きという3つで別れる作品だろう。
個人的にアニメ好きとしてはアニメーションのレベル的には2作目が好きだが、
ストーリー的には王道な1作目のほう好きだ、
本作のストーリーももちろん面白くはありコミカルではあり、
メーターが1作目でサブキャラクターで、2作目では主人公に成長するというのは
展開として面白くはあるのだが、メーターというキャラクターが主人公らしくない感じも出てしまい
どっちかというと「スピンオフ」のような印象も残ってしまった
もしカーズ3があるとするならば成長したマックイーンと成長したメーターで
1作目も2作目も超える作品が出来上がるかもしれない。
そういった意味で次回作への期待感を大きく募らせる作品だったといえるだろう
個人的にだが車が主役ということであまり「カーズ」という作品に興味がなく、
劇場公開の時にも見に行かず、レビューに辺りBDで見たのだが、
この作品はスクリーンで見たかったな~・・・とひしひしと感じてしまった。
ピクサーの3DCGレベルの高さはこれから先もどんどんと進歩してくのだろう、
日本の3DCGアニメも最近本数が増えてきたが、ピクサーレベルの作品が出来上がるのは
後何年先になるだろうか・・・。
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