鳥がいい味でしてた。キャラ的な意味で。
本作品は「けいおん!」でお馴染みの京都アニメーションによる
アニメオリジナル作品。
2014年には劇場アニメも制作された
基本的なストーリーは日常系。
餅屋の娘であるたまこはある日、花屋で花の中に挟まっている鳥を発見する。
その鳥はなぜか人の言葉を話し自分を「王子」と呼称する。
彼は「たまこ」から求愛行動を受けたといい、しばらく一緒にいてやるという。
たまこと鳥の変な生活が始まる所からストーリーは始まる。
始まって早々、鳥のキャラクターにやられる(笑)
白い鳩のような外見でやたら偉そうな態度と偉そうな言葉で話す彼は
非常に愛くるしく言動や行動がいちいち笑えるw
演じっれている「山崎たくみ」の声も相まって強烈なキャラクターだ
彼は話が進めば進むほど太っていく。
そんな彼は「普通の商店街」の日常に自然に入り込む。
彼の馴れ馴れしい態度ど言動がそうさせるのか、
「喋る鳥」という驚きは最初だけで、あとは自然に登場人物たちと過ごしている。
だからこそストーリー自体は本当に「日常」ものだ。
もち屋の娘である「たまこ」を中心に学校や商店街での日常を描いており、
それ以上でもそれ以下でもなく、物語の起伏は薄い。
最初から終盤間際であくまで「商店街の餅屋の娘の日常」を描いており
この空気感が合わない人は「退屈」に感じやすい。
このアニメは深夜アニメではあるが、
内容的には日曜の夕方の「さざえさん」や「ちびまる子ちゃん」に近い物がある。
大きな事件が起こるわけでも、恋愛で大きな進展があるわけでもない
ただただ「喋る鳥がいる」というポイントだけが異常なだけで後は極普通の日常。
鳥に関しても基本的に「傍観者」であり、
彼が騒動を起こしてストーリーが進むというようなことも1話意外ではほとんどない。
彼はあくまでも相談に乗ったり話をしたり、手伝いをしたりとそれくらいだ。
彼自身のキャラクターはいいのだが、あくまでマスコットにしか過ぎないキャラクターになっており
彼のせっかくのポテンシャルを作品の中で生かしきれえいない。
心理描写の浅さもある。
「たまこ」の友人である「みどり」の恋愛描写が最もわかりやすい描写不足の浅さだ
わざと濁しているとも取れるのだが、この「みどり」という少女が
結局誰が好きなのかが最期までいまいちわからない。
それ故にこの「みどり」という少女をどういう目線で見ればいいのかがいまいちつかめず
キャラクターに感情移入できなくさせている。
作画がいいからこそキャラクターの描写はよく、表情も豊かでコロコロと変わるのだが、
その豊かさの中で見ている側に伝えたい感情がいまいち掴み切れない。
商店街の雰囲気も作画の良さで非常によく出ているのだが、
作画に頼りきっていて、セリフやストーリーでそれを伝わりきれておらず、
この作品ならではの「日常の雰囲気」やキャラクターの魅力を感じない。
キャラクター描写ももう一歩欲しいところだ。
特に主人公である「たまこ」はいい娘という印象はあるのだが、それ以外の印象が薄く、
強烈な印象の「鳥」や妹、途中から参加する「チョイ」のキャラに食われてしまっており、
主人公なのに主人公ではないような中途半端なキャラクターだ。
物語の中心にいる主人公が中途半端なため全体的に中途半端になってしまっt。
商店街のキャラクターも多いのだが、掘り下げが甘く、
せっかく良い味の出そうなキャラクターなのに1クールでは彼らに割かれる尺がない。
1クールという短さの都合上、ある程度「物語を締める」ことに重きをおいてしまっており
結局、鳥の目的である「自分の国の王子のお妃を探す」という
ストーリーが邪魔になってしまっていた。
単純に喋る鳥がいる商店街の日常ではなく、
王子関連の要素が入ってしまったことで作品が若干ぶれてしまったように感じる。
これががっつり2クールないし4クールの長期クールで描かれていれば
キャラクターそれぞれの深みや描写もしっかりしたものになり、
日常者としてモット高い評価ができたと思うのだが、
1クールという短さが色々と欠点を産んでしまった印象を受けた。
全体的に見て肩の力を抜いて「1度」見るのはそれなりに楽しめる作品だ
しかし、その反面、何度も楽しめるという感じではなく
無難に1クールの日常アニメを作ってしまったという感じが強く、
それなり以上の面白さはなく、つまらないわけでもない。
「喋る鳥がいる」という部分以外は特徴がなく、物語が酷く「地味」だ
話によって当たり外れも大きく、主人公がメインの回よりも
妹の「あんこ」や「チョイ」などのサブキャラクターがメインの回のほうが面白いという
本末転倒なストーリーになってしまっていた。
これは主人公が「特徴がない」主人公だからとも言える。
物語の中心にいながらにして地味、癖がなく嫌われないキャラクターではあるが
癖がないからこそおもしろみが薄く、そのせいでメインになってもおもしろみが薄い。
更に言えば他のキャラクターは心理描写があるのに、
「たまこ」自身の心理描写が酷く薄いせいで感情移入しづらい。
そのせいで逆に特徴のある「あんこ」や「ちょい」がメインのストーリーのほうが
きっちりとした内容になっており、日常物として楽しめるようになっている。
主人公が主人公らしくないので物語全体の締りが弱くなってしまっていた
時間経過の速さも感情移入のしづらさを生んでいる原因かもしれない、
1クールでこの作品内で「1年」の時間が流れている
各話であっというまに季節が変わっていくのだが、
時間経過に見合うキャラクターの変化が「鳥」意外はなく、
時間経過を感じにくいのに時間が流れてしまっている。
結局、季節がやたら早くすすのも話を作るために季節を変えたいだけにも見える。
作品としての「雰囲気」や「空気感」、「キャラクター」はいいのだが
それに見合う内容と尺が足りなかったという印象だ。
特に内容は1クールでは「商店街の日常」と「南国の王子の王妃候補を探す」と「喋る鳥」という
3つが噛み合っておらず、見終わってもしっくりとコないものが残ってしまう。
特に王妃探しは別にいらないんじゃ・・・と思ってしまうほど中途半端だ
素材としてはいいのに出来上がったものがなんとも無難で無難過ぎて味気ない感じだ。
あとこれは個人的な意見になるが、
京都アニメーションはいつまで「堀口悠紀子」さんのキャラデザ起用するのだろうか
けいおん!ではそれほど感じなかったがたまこまーけっとで
さすがに女性のキャラクターデザインの引き出しがなくなっており、
この「たまこまーけっと」では、余計に「同じようなキャラデザ」が増えて
判子絵チックな印象が強くついてしまった。
劇場版が非常に面白く、「1つのアニメ映画作品」として素晴らしかったため
後の評価的に自分の中での評価が変わるかもしれないと
改めてTVアニメのほうを見なおしてみたのだが、結局のところ評価は変わらなかった。
むしろ劇場版の出来栄えが良すぎたため、この作品の欠点が余計に見えてしまったようにも思える。
劇場見た後だと「王妃問題とはなんだったんだ」という印象しか残らない作品だった(苦笑)
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