コメディ

てさぐれ! 部活もの

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評価/★☆☆☆☆(12点)

聞いていて面白い、見ていてつまらない。そんなアニメ。

本作品はgdgd妖精、BIS、直球表題ロボットアニメでお馴染みの石舘光太郎監督のアニメ作品。
石舘光太郎監督おなじみの「MMD」で作られており、
石舘光太郎監督でお馴染みの「アドリブ」パートなどがある。
本編は1話10分ほどで2クール放映された
(一応1期、2期となっているが本サイトでは1作品として扱う)

基本的なストーリーは日常コメディ。
特に入りたい部活が見つからない3人。
ボケボケな3人だけでは部活ものにならないため強引にツッコミ役の新入生を勧誘し
4人で「手探り」な部活を始める。
4人に理想な部活になるのか・・・?というところからストーリーが始まる。

見だして感じるのはキャラクターデザインがしっかりしたということだろう。
gdgd妖精は文字通り妖精、直球表題ロボットアニメは文字通りロボットで人間ではなかったが
この作品のキャラクターは人間だ。
BISも人間だが、あれに比べると非常にしっかりとしたキャラクターデザインになっており
「アニメっぽい」という言い方は失礼かもしれないが、よりアニメっぽくなっている。
このキャラクターデザインとCGで普通のアニメを作れそうなくらいのレベルになっており、
制作の技術の進歩を感じる事ができる。

しかしながら内容は相変わらずだ。
はっきりいってやっていることは変わらない、
妖精、ロボットと見た目を変えて色々とやっていたが
どの作品も石舘光太郎監督がMMDで作る作品は「声優さんのアドリブパート」がある
gdgd妖精の時はこの「アドリブパート」が斬新であり、特徴でもあったが
流石に・・・飽きる。

話によってアドリブパートの当たり外れが非常に大きい。
毎回毎回、色々な「部活」をテーマにし、そのテーマに絞ってアドリブパートが繰り広げられるが
テーマを部活にしただけで「直球表題ロボットアニメ」のロボットが部活に変わっただけだ
gdgd妖精はテーマが自由なだけにネタも自由だった、
直球表題ロボットアニメはロボットということでいろいろな応用が効いた。
しかし「部活」はテーマが絞られすぎてしまい、ネタの広がりが非常に弱い。

更にアドリブパートをしゃべっているキャラクターが「人間」になってしまったことで
ロボットや妖精といった見た目の面白さがなくなり、
より「声優ラジオ感」が増してしまいアニメとしての面白さがなくなっている。
アドリブパートで声優さんが部活ネタでボケても、
そのボケを見ている側が理解したり笑う前にそのボケの解説が始まってしまうため
笑いに繋がりにくい。

ついでにいえばキャラクターが今までは3人だったが、4人になったことで
「誘い笑い」が際立ってしまっている。
声優さん同士のアドリブボケに対し笑えないネタ、理解できないネタでも
お世辞笑いや大げさな笑いが入ることで「面白い空気感」を出そうとしているのは分かるが、
流石に4人になったことでそれが余計に際立ってしまっており、
余計に「声優ラジオ」っぽさが増している原因にもなっている。

そしてgdgd妖精sや直球表題ロボットアニメとの大きな違いは絵の面白さがないということだろう。
上記の2作品はアフレ湖、シュミレーションルームなど
フル3DCGで色々なものを描写し動かすことで絵的にも面白くなり、それがボケにもなっていた。
しかしながら、今作品はそれがない。

Aパートで部活あるあるネタ、Bパートで声優さんのアドリブパート、
Cパートで部活体験のようなものをするが、
あくまでもこの作品は「人間世界」が舞台なため、上記の2作品のような自由な描写ができず
パロディや予想できない描写や動き、それに伴う絵的な面白みを楽しめるシーンが殆ど無い。

1つのアニメ作品としてアニメーション部分が面白く無いのは致命的だ。
普通の日常作品ならそれでも問題ないことも多いが、
石舘光太郎監督のMMDによるアニメ作品の場合はアニメーションとしての面白さがなければ
ただの「声優ラジオ」に適当な絵がついているだけだ。
ドラマCDでやったほうが想像が働く分、楽しめるかもしれない。

まったく同じネタでも「gdgd妖精s」や「直球表題ロボットアニメ」の
キャラクターと世界観なら笑えたネタもあっただろう。
だが部活もの、人間キャラクターということに縛られてしまったこの作品は
縛られてしまったせいで石舘光太郎監督のMMDアニメ作品特融の
普通のアニメ作品の枠に縛られない面白さがなくなってしまっていた。

例えるなら裸や特別な衣装を着て一発ネタをやっていた「芸人」が
急に服を着てバラエティ番組のひな壇で普通のトークを繰り広げているような感覚だ。
ただ2期からは「声優ラジオ」と割り切れば楽しめる。
1期よりも声優さん同士の仲が深まり、それぞれの立ち位置がしっかりしているため
2期からは毎話非常にテンションが高いため、声優ラジオが好きな方には楽しめるだろう

特に「ゆとり世代」の二人のボケ・・・というより天然さに二人が突っ込むような展開が多く、
声優ラジオとしては役割がきっちりしており自然に楽しめる。
特に「こはる」を演じている声優さんが19歳ということもあり、
ゆとり世代全開の天然ボケをかましており、個人的には何度か爆笑したw
ただあくまで、この面白みは声優ラジオとしてだ(苦笑)

全体的に見て声優ラジオと割り切れば楽しめる作品だ
話数を積み重ねていくと声優さん同士の中が深まっていくのがわかり、
遠慮無くボケ、遠慮無く突っ込んでいる声優さん同士のラジオとしては面白く、
1話10分ほどで24話なのであっというまに見終わることの出来る作品だ
しかしながら、アニメ作品としては評価できない。

同じ監督のMMDアニメ作品の「gdgd妖精s」はアニメか声優ラジオか悩む部分はあったが
見ていて楽しい部分も多かった。
「直球表題ロボットアニメ」は間違いなく「アニメ」として面白い作品で、
この監督のMMDアニメ作品の完成形を見たような作品だった。
しかし、本作品は「声優ラジオ」としては面白いが「アニメ」としての面白さはない。

確かにキャラクターデザインは可愛いく、キャラクターもちょこちょこと動くのだが
内容が「声優ラジオ」でしかなく、アニメーションとしての面白みを感じられる部分がない
せっかくMMDで普通のアニメより自由な描写が出来るのに、自由な描写がない。
内容自体は自由すぎるが、描写には自由がなく、
簡潔に言えば「声優ラジオに動く絵が付いている」だけにすぎない作品だ
1つのアニメ作品としての評価は低く付けざる得ない。

個人的に2期から「声優ラジオ」と割り切ったため楽しむことが出来た。
特に「あおい先輩」のダジャレとゆとり世代の天然さは純粋に面白かった
ただそれは「聞いていて」面白いだけで、見ていて面白いアニメではなかった。
画面をちら見する程度でヘッドホンで声優さんの声に集中するような
視聴スタイルがこの作品にはマッチしているのだろう。

ただ、このスタイルは流石に「飽き」が生まれているのも事実だ。
gdgd妖精、直球表題ロボットアニメと手を替え品を替えやっているが
結局、やっていることは変わらない。
gdgd妖精シリーズや直球表題ロボットアニメシリーズとして
続編が作られられるならシリーズ物で楽しめるが
新しい作品として同じような作品がまた生まれても流石に今度は最初から飽きてしまうかもしれない。

MMDやアドリブという要素自体は面白いので
石舘光太郎監督の次回作があるならば期待したい所だ。

「」は面白い?つまらない?

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