ツンツンデレツンデレツンツン
ヨザクラカルテット自体は2009年にアニメ化されたが、オリジナル展開が多く
原作ファンからも評判がよろしくない作品だった。
本作品は「2期」ではなく、リメイクとして原作準拠で作られた作品だ。
前作から声優さんの変更はない。
見だして感じるのは「あ、露骨だ」という印象だろう(苦笑)
前作のヨザクラカルテットは淡々とストーリーを進めている印象が強く。
萌え要素やセクシー要素などはほぼなく、いい意味でも悪い意味も刺激の少ない作品だった。
しかし、今作では開始30秒でパンチラ。
ある意味で時代の波に取ったとも言えるが、前作からの方向転換がすぐに感じられるシーンだ
更にはキャラクターデザインの変更。
前作はツリ目でシュっとしたキャラクターデザインだが、
今作は萌えアニメのような「ぽよよん」とした柔らかいキャラクターデザインになっている。
前作は確かに若干癖のあるキャラクターデザインだったが、
前作の印象が強い人にとってはこの柔らかくなったキャラクターデザインはなんとも言えない部分だ
そして雰囲気。
前作とは本当に何もかも違うなと感じさせるほど1話からなんとも
「のほほん」とした空気感だ。
平和な妖怪と人間が住む桜新町の様子をナレーションで説明するのではなく、
1シーン1シーンごとの描写とキャラクターによる「セリフ」で視聴者に
じわじわと作品の雰囲気と設定を理解させる。
前作でがっかりした部分がきちんと見直されている点は好感が持てる。
更にアクションシーン。
前作のアクションシーンは終盤以外は単調で見せ方が甘かった。
しかしながら今作は妖怪の能力の見せ方がきちんとしており、
それぞれの能力にきちんとスポットを当てながら派手で迫力ある能力発動シーンを展開しており、
それが同時にキャラクターの魅力の描写にもなっている。
特にヒロインの「ひめ」の槍術。
前作は振り回しているだけにしか見えなかったが、
今作ではきちんと「技」としての描写になっており、
さすがは「タツノコプロ」と言いたくなるほどキャラクターを魅せる大胆なカメラアングルで
戦闘シーンをきちんと面白いものに仕上げている。
「ヨザクラカルテット」というとあまり良くない印象を持っている方も多いと思うが、
少なくとも前作のヨザクラカルテットに比べて見やすくなっており、
前作にはないしっかりした演出があるためキャラクター一人一人にきちんと感情移入できる。
更に序盤のストーリーが1話完結の「日常描写」になっており、
そのおかげで一人ひとりのキャラクターの可愛さや魅力がストレートに伝わる。
キャラクターデザインが柔らかくなったことで日常描写のストーリーや
キャラクターの可愛さ、そして「ギャグ」要素が光る。
序盤のストーリーは淡々とした日常ストーリーではあるものの
淡々としているからこそキャラクターの可愛さとギャグの面白さが伝わりやすい。
何気ない日常描写の中で思わず「くすくす」っとしてしまうようなギャグの塩梅と
柔らかくなったキャラクターたちの豊かな表情やセリフでほんわかと萌えてしまう。
爆笑できるギャグや強い萌え要素、セクシー要素はないが淡々としたストーリーに見合う
ちょうどいい塩梅の刺激だ。
更に淡々とした中で唐突にシリアスなシーンや迫力ある戦闘シーンに切り替わる。
日常描写とバトルシーン、シリアスのメリハリが非常に上手く、
本筋のストーリーは淡々としているのに退屈には感じない。
見せ方や作品の雰囲気作りが非常に上手い。
そのおかげで前作はよくわからなかった世界観の設定や用語などがすんなりと頭に入り
「ヨザクラカルテット」という作品の世界観に浸ることが出来る。
そして主人公、前作の主人公は存在が薄かった(苦笑)
しかし今作では主人公がきっちりと「主人公」として存在し、
物語の中核の中で自分の力に悩んだりしている。
中盤以降はきっちりとバトルストーリーを展開する。
ただいささか「展開の遅さ」が気になるところではあり、
本筋が進んでいるようで進んでいない、進んではいるのだがペースがゆっくりだ
前作も同じようにストーリーの展開の遅さは目立っていたが、
今作はギャグとキャラクターの魅力を感じているので何とかストーリーについていける。
だが、遅いな~とひしひしと感じるほど展開の遅さは顕著だ。
更に終盤、話が急に飛ぶ。
8話と9話の間に「OAD」の話を挟んでおり、
OADを見ていない人にとっては8話から9話でいきなり話が飛んでしまう。
一応OPでダイジェストチックに解説はしているものの
それまで淡々とストーリーを真面目に構成していたのに
話を飛ばすような構成になってしまったのは残念でならない。
「1話見逃したのか!?」と視聴者に感じさせるのは飲み込み難いものがある
序盤から中盤までは淡々とした中にギャグとキャラクターの魅力が詰まってたが、
終盤からはかなり雲行きが怪しい。
OAD要素を入れたり、終盤なのに本筋がまったく進まずにサブストーリーを展開したりと
本筋のストーリーがゆっくりではあるが進んでいた序盤に比べ終盤は全く進まない。
主人公とヒロインが蚊帳の外なストーリーを終盤の3話で展開してしまう。
ストーリーも結局「俺たちの戦いはこれからだ」になってしまっており、残念な所だ
全体的に見てアニメーションとしての面白さはあった。
大胆なカメラアングルで迫力のある戦闘シーンを展開し、
見応えのあるアクションシーンを描写していた。
キャラクターデザインが変わったことでキャラクターも魅力的に映り、ギャグ要素もすんなり笑え
キャラクターたちの日常描写は素直に面白い部分だ。
しかしながら終盤でストーリー構成がおかしくなり、OADを見ていないと話が飛んだり
結末が中途半端になってしまっており、
序盤から中盤の「淡々としたストーリー展開」を気持ちよく終わらせるラストとはいえなかった。
前作よりも面白い部分は多いものの、前作の終盤は作品として一応閉めていただけに
原作準拠を優先してしまったため終盤の展開が投げた形になってしまったのは残念だ
序盤の面白さが終盤まで持続しなかったといえば分かりやすいだろう
2期はあるのだろうか?
アニメーションとして面白い作品だっただけに2期があれば
ストーリーの問題も解決しそうだが・・・売上が非常に微妙だ。
原作はなかなか売れている作品なだけに原作の売上が上がれば2期があるかもしれなが・・・
何年後かにまた作り直しとかになったらそれはそれで面白くなりそうだ(笑)
個人的にはガッチャマンクラウズといいこの作品と言い、
最近の「タツノコプロ」のアニメ作品はアニメーションとして凄い面白い。
今後もタツノコプロの作品に注目したい所だ。
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