次にお前は、この作品は面白いと言う!
1部と2部で1作品として放映されたが、
当サイトでは私がジョジョ大好きなので2つのレビューに分ける(笑)
基本的なストーリーは1部の続き。ジョナサンの死から49年後、
スピードワゴンは石油王になり、ストレイツォはトンペティの跡を継いだ。
二人はとある遺跡に赴く、そこには複数のあの石仮面が埋め込まれた柱とそこに眠る男が居た。
そして場所は代わり「アメリカ」に一人の男がやってきた
その男は自らを「ジョセフ・ジョースター」と名乗った・・・
というところからストーリーが始まる
見だして感じるのは1部よりも軽いということだろう
ジョセフのキャラクターがジョナサンに比べると軽いというのもあるが、
展開や描写が1部のような暑苦しいまでの熱さではなく、どこか飄々としている。
なにせ彼は吸血鬼に対して波紋が使えるのに機関銃撃つようなキャラクターだ(笑)
しかし、彼にも確実にジョースターの意思は受け継がれており熱い魂の持ち主だ
家族同様に親しかった「スピードワゴン」の死を知り
彼を殺したストレイツォに対し怒りを露わにしながら涙する。
そんな彼の戦闘は独特だ。
相手を嘲笑うようなだまし討のような方法で「実力差」を覆す。
吸血鬼になったストレイツォ、柱の男であるサンタナなど
序盤の段階で純粋な実力において彼は彼らに劣っている、
だが波紋という能力に頼らずに「鏡」でだまし討、「手榴弾」仕掛けて爆破などの罠や
敢えて敵の攻撃を受け入れることでチャンスと隙を生む戦法だ
1部の主人公が紳士な戦い方だったのに対し、2部の主人公は紳士とはいえない戦い方だw
極めつけはヤバイ時は堂々と逃げる(笑)
しかしただ逃げるだけではない。彼には作がある、彼には熱さがある。
1部の主人公はストレートな主人公の魅力だが、2部の主人公の魅力は少しひねくれた魅力だ
だが、だからこそ「次にこいつがなにをしですかすのか」予想がつかない。
1部の硬派なストーリーから、2部になると基本は硬派なストーリーではあるのだが
主人公が「女装」したりする予想外の行動をしまくる(笑)
この予想の付かない行動の面白さが2部の魅力の1つとも言えるだろう
更にキャラクター性。
1部はストレートなバトル漫画の魅力溢れるキャラクターたちだった、
特にディオのキャラクターは「敵」として賛美するほど素晴らしいキャラクター性だ。
その反面で2部は同じようにバトル漫画の魅力あふれるキャラクターではあるのだが、
味付けが濃ゆくなっている(笑)
ドイツ軍人のシュトロハイム、柱の男であるエシディシなど
彼らの癖の有り過ぎる強い個性とキャラクター性は同時に強い魅力につながり、
予想外の言動や行動を生んでいる。
ジョジョに怪我を負わされると号泣しだしたり
号泣したかと思ったらいきなり冷静になったり、唐突に笑い出したり、
戦闘中なのに予想外の行動をする彼らは敵でありながら、どこか憎めない。
そんな癖のあるキャラクターたちを「声優」さんたちがノリノリで演じられている。
漫画を読んでいる以上に台詞の面白さが頭に突き刺さるような感覚だ
ギャグにも思わせるノリノリでハイテンションな台詞の数々はギャグにも聞こえるが、
シーンによっては「熱すぎる」台詞の数々だ
個性的なキャラクターが敵にも味方にも居ることでストレートなストーリーが面白い。
圧倒的な敵の「能力」と強さ、それに対してジョセフ達は策を講じながら戦う
敵も味方も予想できない能力の使い方をし、時には勝ち、時には負けながら
激しいバトルシーンを展開する
敵も味方も負けるときも負けるだけではない、自らの命が途切れる寸前まで彼らは諦めない
執念ともいうべきキャラクターたちの死に際の行動の数々は
主人公である「ジョセフ・ジョースター」が敵に対し敬意を思わず払ってしまうほどだ
脳みそと血管だけになっても、首だけになっても、致命傷を負っていても、
彼らは最後の最後まで戦っている。
それは時に死にもつながる。
ジョジョの良きライバルであった「シーザー」の死、このシーンだけは涙無くして見れない。
ツェペリ家の宿命とも言える自己犠牲を彼もまた迎え、ジョジョのために最後に意思を託す
。 圧倒的だった彼の1瞬の油断から生んだ悲劇は心に深く残るシーンだ
終盤の「絶望感」も素晴らしい。
それまで敵に唯一効いていた「波紋」が一切効かず、波紋すらも敵は使いこなすまでに進化する。
ジョセフ・ジョースターが全てを諦めた瞬間、その瞬間に打開される状況から
ストーリーを締める展開まで最高潮に物語を盛り上げてくれた。
全体的に見て素晴らしいアニメ化だったと言えるだろう。
1部より少し尺に余裕が出たことでテンポの早さも少しは増しになり、
ジョセフ・ジョースターというひねくれた主人公の魅力、
個性豊かなキャラクターたちのバトルシーン、
そしてストレートなストーリーを素直にすっきりと楽しめる内容になっていた。
そして演出。特に色合いの演出は素晴らしい。
原作の初期の表紙絵やカラーページで使われるような独特な緑や紫の色合いをエフェクトや
キャラクターに被せることによって「ジョジョの奇妙な冒険」の独特な世界観を後押しする。
ジョジョの奇妙な冒険はセリフが多いタイプのバトル漫画だが、それをうまくテンポの良さでごまかし
ストーリーを気持ちよく進めてくれた。
ただ、気になるところがないといえば嘘になる。
1部よりはましだがテンポが早くストーリー展開があっという間に感じられる点は大きい。
むろん丁寧に描きすぎてグダグダになってしまうのも欠点になってしまうが、
ここまでテンポがいいと駆け足気味に感じてしまい慌ただしく感じてしまう。
更に2部特有の説明台詞の多さ。
「飄々とした主人公」であるジョセフは相手の裏をかく戦法を用いるため、
それを戦闘中に説明する台詞が非常に多い。
漫画という媒体で読めば気になりにくいが(むしろ動きがない分わからない)
若干、この説明セリフを削ってもいいのでは?と感じるポイントはある。
そういった意味でのクドさが出てしまっているのは若干残念ではある。
バトルシーンに関しても止め絵が目立っているシーンが多く、
テンポを優先するあまり若干物足りない戦闘シーンもある。
説明ゼリフが入ることで戦闘が止まってしまい戦闘シーンの熱が冷めやすく
前述した説明ゼリフの多さに因るくどさもあいまって若干戦闘シーンの盛り上がりに欠けるのは残念だ
ただ、それは原作を「純粋にアニメ化」した作品なだけに生まれた欠点とも言えるだろう。
セリフやシーンを削れば途端にファンから叩かれる、
人気が高く有名なセリフが多い作品なだけに「忠実」にアニメ化するしかない。
だが、この作品は「忠実」にしてしまったがゆえの欠点も生まれてしまったが
同時に「忠実」にアニメ化し、最大限にジョジョの奇妙な冒険を描写してくれた。
1ファンとしてアニメスタッフに感謝したい。
3部のアニメも2014年4月からの放映が決まっている。
今から楽しみなアニメの1つだ。
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