酒を飲み、湯たんぽの上で眠るにゃんこ先生を堪能できます
メインのスタッフなどに変更はない
冒頭から「湯たんぽの上で寝るにゃんこ先生」という
夏目友人帳が好きならばたまらないシーンをぶち込んでくる(笑)
そして夏目友人帳らしい優しい音楽が流れる
そんな中で夏目は雪降る中で雪だるまのような「妖怪」に出会うというところからストーリーが始まる
ストーリーのテンポ自体も優しく、淡々と、沸々と。
じわじわと丁寧なキャラクター描写の中でゆっくりとストーリーを進めていく
久しぶりに見た夏目友人帳は新作のOVAという期待に十二分に答えてくれる雰囲気だ。
尺としては30分ほどTVアニメの1話分のストーリーだが、
「雪の日に現れた妖」の話は起承転結がスッキリとしている
雪だるまのような外見の「もこもこ」は雪だるまのような外見なのだが目が怖い(笑)
子供が見たら泣き出しそうなちょっと怖い目のデザインなのだが、
「もこもこ」は暖かい大切な何かをずっと探しており、それが何は思い出せず、何かを探し続ける。
探し続ける中で「もこもこ」は探していた理由も探していたものもわからなくなっている。
そんな中で夏目も自分にとっての「暖かいもの」を思い返す。
原作、TVアニメシリーズから見てきた人にとっては彼の語りは
これまでのストーリーをゆっくりと思い出させるようで
画面の中は真っ白な雪景色だが仄かな暖かさを感じる。
橙子さんとしげるさんの「夫婦」の描写も微笑ましく、
それぞれの「暖かいもの」のさりげない描写がしんみりとした雰囲気を後押しする。
そして、雪の日に出会った「もこもこ」は雪の日に別れが訪れる
たった1日足らずの日々、たった1日足らずの触れることの出来ない触れ合い、
「もこもこ」の悲しい運命は夏目に何かを感じさせる。
全体的に見てファン向けのOVAであることは否めない。
夏目友人帳を見ている前提であり、この作品単体としてみるともう一歩足りない感じがあるストーリーや
あまり動かない作画の質など若干残念な部分はある。
だが、ファン向けと考えれば久しぶりの夏目友人帳は相変わらず夏目友人帳で
やさしい雰囲気、暖かなストーリー、そして可愛いにゃんこ先生(笑)を
十分に味わえる内容になっている。
もう少し作画の質や演出が良ければ終盤でもう少し感動できた部分があったことだけが残念だが、
いつもの「神谷浩史」さんの語りが作画の質を補っており、
インパクトのある話や号泣するよう内容ではないが、
見終わった後にひしひしと「面白かったな」と感じることの出来る作品だ。
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