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キューティクル探偵因幡

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評価/★☆☆☆☆(20点)

キューティクル探偵因幡 評価

全12話
監督/満仲勤
声優/諏訪部順一,入野自由,下田麻美,森川智之,鳥海浩輔ほか

あらすじ
主人公の因幡洋は人工授精により産まれた狼男で毛に異様な執着を見せる毛フェチの秘密警察犬(シークレットドーベルマン)である。警察犬として働いていた洋だが、行方不明となった弟・遥を探すため私立探偵となり助手の野崎圭と佐々木優太の二人と共に探偵として活動する。

2期に期待したい。

原作は漫画な本作品。
監督はこの作品で初監督を務める。

1話から一切面白くない。
「狼男」が主人公の探偵物なのだが、基本的な内容はギャグだ。
狼男な主人公や女装男がボケまくるのだが綺麗に滑りまくる。
1話30分ということもありギャグの「間」を多様するのだが、
その間が笑いにつながるわけではなくただの沈黙になってしまっている。

更に「デフォルメキャラ」、ギャグが入るとデフォルメキャラになるパターンが非常に多く
コミカルに見せたいのはわかるのだが絵としてワンパターンになっており、
間とデフォルメキャラとテンションの高さのみで強引に笑わせようとしている感じが強い。
こちらが笑うのではなく、「ほら、面白いだろ!?面白いはずだよね?!ねぇ、面白いよね!?」と
言われるような押し付けがましいギャグシーンばかりだ。

特にどうでもいい話を30分という尺の中でぐだぐだぐだぐだと展開してしまい、
その「グダグダ感」が本来、この作品の魅力であることはわかるのだが
アニメではそのグダグダ感が魅力ではなく欠点になってしまっており、
尺を稼ぐためにギャグの演出が押し付けがましくなっていたり、間があったりと、
笑えるギャグが笑えなくなってしまっている。

話の中のギャグも非常に多い、今どんなストーリーをやっているんだっけ?と忘れてしまうほど
キャラクターたちがボケまくっており、数撃ちゃ当たるような詰め込みようだ。
だが詰め込んだからこそ1つ1つのギャグの演出が雑になってしまっており
ギャグばかりでストーリー内容を忘れてしまい、話が終わる頃にはどんな話か忘れるような感じだ。
ストーリーが頭に入ってこない。

これが5分アニメなら勢いでストーリーはどうでもいい
詰め込みギャグアニメとして評価できたかもしれないが、30分という尺では非常に厳しい。
1話の中で2つの話をAパートとBパートで展開しているが、
AパートとBパートで違う話をやっているからこそ、
それが余計に話が終わる頃には話を忘れている要因になっている。

ギャグが多い上に「ツッコミ」もいるため、視聴者が突っ込む楽しみもない。
こちらが突っ込む前に次の展開に行くような勢いもなく、
いちいちギャグに「弱い突っ込み」が入るためギャグが締まらず、流れてしまっている。
これなら突っ込みがない方がシュールギャグアニメとして形になっていた
はっきり言えば「ギャグがギャグとして成立していない」ギャグが多くあり、
ギャグが成立していないのに中途半端にツッコミが入るため余計に笑えない。

ただ話によっては笑える。
これは個人の好みによるところも大きいと思うが、
ギャグの詰め込み具合やテンポがちょうどいい回もあり、
「お、ようやく面白くなってきたか?」と想ったところで次の回でまた、つまらなくなる。
全話のバランスが非常に悪く、各話の当たり外れが大きすぎて作品としての面白さが安定していない。

更にシリアス、物語中盤で急にシリアスなストーリーが入ってくるのだが
このストーリーに関してははっきり言って賛否両論だろう。
ようやく作品に慣れてきて、キャラクターも揃ってきたことで面白さが安定しだしたところで
シリアスなストーリーを入れてくる。

それまで散々ギャグをぶち込みまくった話を展開していたキャラクターの割には
「重すぎる設定」があり、重すぎる設定を知ってしまうと
その後にギャグを展開されても「笑いにくく」なってしまう(苦笑)
ギャグとシリアスのバランスがとれているとはいえず、重すぎるシリアスは
ようやく慣れてきたギャグの部分の足を引っ張ってしまっている。

全体的に見てバランスの悪い作品だった。
序盤から中盤までの話の当たり外れが非常に大きく、更に詰め込み過ぎるギャグのせいで
ストーリーが頭に入ってこずキャラクターに感情移入しづらい。
しかしながらキャラクターが増えてくるとストーリーが広がり、ギャグの詰め込みも薄れ見やすくなる。 ただ慣れてきたところでシリアスを展開してしまうことで
作品の方向性がよくわからなくなりどう受け止めていいかわからない。
せっかく慣れてきたのだから、もっとキャラクターを、もっとギャグを見せて欲しいのに
シリアスなストーリーを唐突に入れてしまった感じだ。

シリアスは私個人としてはいらなかった、中盤からのシリアスがなければ
もっとこの作品の世界観に中盤からようやく入り込めたと思うのだが、
ハマりそうになったところを邪魔された感じだ。

ただ、そのシリアスを除けば中盤からはギャグも安定し、キャラクターの魅力も伝わってきた。
だからこそ序盤から中盤までの制作側の「探り探り」な感じが伝わる出来栄えは残念でならない。
これが深夜アニメの1クールではなく、夕方アニメの4クールくらいのがっつりなアニメであれば
もっと面白さが加速していき、もっとキャラクターの魅力が伝わった作品だろう。
それだけに1クールという尺の中での大事な序盤を探り探り作られてしまったのが残念でならない。
スタートダッシュに失敗してしまい、中盤で追い付いてきなのに、コケてしまって
また最後に急に加速したような感じだ

シリアスな部分も4クールの尺があればもっと光っただろう。
1クールで中途半端にシリアスを入れてしまったことで、結局1クールの中では解決しないことも多く
作品としての完成度がよりブレてしまった感じは否めない。

売り上げ的には2000枚前後と微妙な売上だ、2期制作ラインとは言い難い。
おそらく原作の売り上げ次第というところもあるが、中盤から面白くなってきた作品なだけに
2期があれば1話から楽しめる作品になるかもしれない。
そういう期待感はあるが・・・2期はあるのだろうか。

「」は面白い?つまらない?

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