桂馬のお隣に引っ越してきた幼馴染み・鮎川天理。 十年振りの再会にも素っ気ない桂馬だったが天理の心のスキマを攻略せんと駆け魂隊のノーラが襲ってきて事態は一変。天理にはもうひとりの少女・ディアナが宿っていたのだ。ノーラから逃れるうちに学校のシアター地下にやってきた二人。そこで桂馬はディアナの口から十年前に起きた出来事を知る。
話題のためにヒロインを殺すのを辞めましょう(笑)
もともとはコミックの特典OADだったがDVD化された
全2話の前後編になっている。
基本的なストーリーは神のみぞ知るセカイ2期の続き。
待望の夏休みが訪れた主人公の桂木桂馬、
約1000時間をゲーム三昧で過ごすため意気揚々と家に帰ると
そこには幼なじみの少女が家に来ていた
というところからストーリーが始まる
前後編ということで序盤からストーリー展開に余裕がある
主人公である桂馬が幼なじみと出会い、その幼なじみの中にいつものように駆け魂が居る。
しかし、今回はいつもどおりギャルゲーの知識を利用して攻略するのではなく
別の悪魔と人間が幼なじみの駆け魂を処理しようとする
TV版2クールでは若干、マンネリ気味で同じような展開が目立つ中
本編とは違うOVAでそのマンネリを打破しているのはちょっと本末転倒ぎみだ(苦笑)
これがテレビ本編の話なら、ようやくマンネリ打破したか!と評価できる点なのだが
OVAという特定の人しか見ない話でマンネリを打破してもちょっと微妙な感じが残る。
しかし、その微妙な感じはあるものの決して出来栄えは悪くはない。
主人公とエルシィ以外の悪魔とバディの駆け魂を出す方法は二人の方法とは違いかなり強引だ
駆け魂が入り込む心の隙間を埋めるために欲望を増加させたり
トラウマを増加させたりして追い出す方法をとっている。
駆け魂を出す方法がいつも主人公がやっているやり方以外の方法があるという新しい設定は面白い
そんな新しい方法に桂馬が犠牲になる(笑)
幼なじみの心の隙間の原因でもある「桂馬」の存在を消せば
その隙間自体がなくなると考えた悪魔は「桂馬」の心を壊そうと
桂馬の1番大切なモノを覗きこむ、するとそこには彼女が居る(笑)
アニメを見た方なら印象の大きい「よっきゅん」の存在を壊された桂馬のブチ切れ模様は
前後編の前編部分の最大の盛り上がりどころかもしれない。
しかしながら本編のストーリーはOVAでやっていいのか?と感じるほど
重要な設定や重要なキャラクターが結構出る
これが3期が決定していないならまだ理解できるのだが、3期はすでに放映しており
本来は3期で演るべきストーリーをOVAでやってしまっている。
この天理編の話は面白いのだが、いつものようにギャルゲーのノリで攻略するのではなく
駆け魂ではない存在や駆け魂の秘密などに迫る前に伏線を張る話だ。
その伏線を張る話をOVAでやってしまうのは理解しかねる部分だ
更に言えば作画のレベルが低い。
前作のOVAはTV版と変わらない作画の質で描かれていたのだが、
今作は明らかに作画の質下がってしまっており、天理の可愛さが活かしきれていない。
演じられている名塚佳織さんの一人二役の演技が素晴らしいだけに
もったいないと感じてしまった
更に言えば演出が弱さ。
桂馬が何度か殴られるようなシーンが有り、本来なら笑えるシーンであり
更に「よっきゅん」のシーンなども確かに笑ったのだが明らかに演出が弱く笑いきれない。
前後編で全50分で天理編を終わらせるためにサクサクとシーンを展開したい気持ちはわかるのだが
笑いに必要な溜めや爽快感を感じるシーンがなく、
更にヒロインの可愛さも作画の質が微妙なせいでいまいち萌えきれない。
全体的に見ていろいろな部分は不完全燃焼な作品だ
ストーリーもOVAでやっていいのか?と感じてしまううえに
すっきりと解決できているわけではない、作画も微妙で演出も弱い。
いろいろな部分は不完全燃焼で楽しみきれない部分が多すぎる。
3期を見た後だと、カットされてしまったヒロインが居ることも考えれば
この天理編はやらずにカットされてしまったヒロインをやったほうが良かったのではと感じてしまう。
もちろんいろいろな制作側の事情がるのは分かるのだが、
「OVA」というファンのための媒体の作品と考えると
OVAで天理編をやるのはいろいろな意味でもったいなく感じてしまった
また余談ではあるがエンドカードが非常にセクシーだ。
テレビ本編では過激な描写は少なかったが、OVAと言うことを生かし
更にOVAの本編ではなくエンドカードでセクシーな描写を出すところはやられた
この作品でセクシーさは求めていなかったが、
不意打ち気味に出されたエンドカードはいい意味で裏切られた
カットされたヒロインが日の目を見る日は来るのだろうか・・・(苦笑)
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