秘密機関によって驚異的な力を与えられた少年の苦悩や組織との闘いを描
バルバルバルバル・・・
原作自体は全2巻の短い作品だ
基本的なストーリーはSFファンタジー。
特殊な能力を持ってるがゆえにドレスという組織に狙われた少女、
そんな少女が列車の中で逃げているとカプセルに閉じ込められている人間に出会った
二人は列車から逃げることに成功するが・・・
というところからストーリーが始まる
序盤からグロ要素が多い。
80年台のOVA特有の過度なグロ描写はむしろお約束とも言えるのだが、
手を握りつぶしたり、腹にナイフが突き刺さったり、イヌが虎に殺されかけると過激なシーンが多い
その割にはストーリーは淡々としているため、余計にそのグロ描写が妙に目立ってしまう
しかし、淡々とした展開と目立つグロ描写のおかげで「バオー」の描写が際立つ
この「バオー」というのは一種の寄生虫だ。
ドレスという組織が軍事目的で作ったこのバオーは生物に寄生すると
超人的な力や武装現象と呼ばれるいわゆる「変身」能力が身につく
淡々としたグロ描写、淡々とした戦闘シーンの中でこのバオーが覚醒するシーンは
独特なおどろおどろしさを醸しだしており、
徐々に徐々にバオーのちからが目覚めていく主人公と敵との戦いが
淡々としてはいるからこそ「じわりじわり」と面白さが湧き上がるような感覚を覚える
主人公がバオーに変身した姿は純粋にかっこよく、銃撃を浴びながら敵の首を引っこ抜いたり、
「バルバルバルバル・・・」という声とともに腕を変化させて敵を切り裂いたりと
圧倒的な強さを淡々とした描写の中で魅せつけてくる
終盤になるとバオーと超能力者の戦いが描かれる。
この戦いは「スローテンポ」な戦いではあるのだが、
まるで1シーン1シーンをしっかりと味合わせるようにじっくりとした戦いだ。
これはセル画だからこそ出来るスローテンポな戦いと言えるだろう。
セル画という作画の空気が1シーン1シーンを見せつける戦闘描写の中で際立つ
最近のアニメでこんなスローな戦闘描写を描けばテンポの悪さだけが目立つだろうが
80年台の作画の雰囲気、OVAだからこその過度なグロ描写、バオーのキャラクターデザイン
その3つがうまい具合に融合されこの作品の面白さを醸し出している
ただストーリーが1話45分で完結してしまっているため
淡々とした展開でこじんまりとまとめてしまった感じが強い。
敵とのおいかけっこが妙に長く、その尺の中でしっかりとしたキャラ描写ができているとはいえない
原作から端折られた部分もあり、
それだけに1話45分という中途半端な尺に収められてしまったのは残念でならない。
全体的に見て80年台のOVAらしい面白さのある作品だ。
無駄に目立つグロ描写は賛否両論だろうが、そのグロ描写の中で「バオー」の強さが際立ち
淡々としたストーリーの中で戦闘シーンの印象が強く残り、
ストーリーも45分でまとめすぎてしまった感じはあるものの無難に仕上げている。
1話45分の尺と言うことを考えれば妥当な内容といえるだろう。
ED後にヒロインであるスミレの「予知能力」を活かした
キャラクターの未来を想像させるようなシーンは
見終わった後に不思議な充実感を沸かせてくれるシーンだ。
ふるさは感じるもののいま見ても遜色のない作品だ。
ジョジョの奇妙な冒険が好きならば1度は見て損はない作品といえるだろう
バルバルバルバルという不思議な鳴き声や必殺技は荒木飛呂彦節を感じさせる部分だ
ただたしかに面白いのだが、グロ描写に頼りすぎていてインパクトに欠ける作品でもある。
グロ描写も後半に慣ればなるほど無駄に多くなっていくので好みが分かれる部分だろう
ストーリーもこぢんまりとまとまりすぎているので、
もう少しなにか欲しかったと感じてしまう物足りなさのある作品でもある。
ただ1度聞いたら「バルバルバルバル・・・」という声は絶対に忘れられないだろう
2013年にジョジョのゲームにも参戦して気になった方も多いと思うが、
気になった人は見て損はない作品といえるかもしれない
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