イギリスでホームステイをしていた大宮忍に、帰国からしばらく経った高校1年生のある日、1通のエアメールが届く。差出人はイギリスで出会った少女、アリス・カータレット。なんと今度はアリスが日本に来るという。アリスと忍、クラスメイトの小路綾と猪熊陽子、さらにもう1人のイギリス少女の九条カレンも加わり、5人は日々を過ごしていく。
な、なんなんだ・・・このかわいいアニメは・・・
制作会社は「Aチャンネル」でお馴染みのStudio五組
見だして早々可愛い(笑)
まるでこけしのような日本少女が留学先で人見知りの金髪美少女と出会う。
言葉も何もかも通じない二人だが、徐々に仲良くなっていく。
シーンやストーリーとしては単純なのだが可愛らしいキャラクターデザインと
声優さんの演技のお陰で序盤から可愛らしい雰囲気に包まられる
そんな可愛らしい雰囲気の中でキャラクターが唐突にボケる(笑)
ほんかわ可愛らしい雰囲気の中で唐突なボケが不意打ちのように差し込まれるため
不意をツカれて思わず笑ってしまう。
二人が会話らしい会話をしなくても交流する様が独特の「癒やし」をうんでおり
1話の前半だけですっかりとこの作品に魅せられる。
そして時間は流れ二人は高校生になり、少女は日本へと転入してくる
というところからストーリーが本格的に動き出す。
普通に「昔の海外の知り合いがいきなり編入してくる」という展開より
幼少期の留学の内容を1話前半でしっかりと描いていることで、
キャラクターにしっかりと感情移入した状態でストーリーが始まるため
よりキャラクターと世界観を強く意識できる。
1話からストーリー構成の上手さを感じる内容だ
登場人物が高校生になっても可愛らしさは変わらない。
特にアリスは「日本が好き」であり、一緒に住んでいる「しのぶ」がベッドで寝ているのに
外国人である彼女は布団で寝ていて、朝は納豆、更に打ち水までする始末(笑)
日本に住む「忍」がまるで外人のような生活をしている日本人の少女で、
アリスが日本に憧れる日本好きな外国人の少女という対比が非常に面白く、
ちょっと勘違いした日本の知識や人見知りなところなど、いちいち可愛い。
アリス以外にもボケボケな「忍」や少し男勝りなな「陽子」、
真面目な「綾」ともう一人の金髪美少女「カレン」など
5人が集まって繰り広げる会話と日常が思わず「ニヤニヤ」っとしてしまうほど
ほんわかした日常ストーリーを展開しており、更にそこにちょうどいい「百合」が含まれる。
心配な方もいるだろうがガチガチな「百合」ではない。
あくまでも思春期の女の子の友情くらいの「百合加減」がちょうどよく心地いい。
中盤以降はちょっと百合要素が強く感じる部分はあるが、
ガチガチにはならないため心配はいらない。
更にギャグ。
冒頭でも前述したがボケが日常描写の中で唐突に入ってきて思わず笑ってしまう。
後々考えれば大したボケやギャグではないのだが、
キャラクター同士の掛け合いや声優さんの演技、そして作画が
思わず笑ってしまう空気と雰囲気を作っており、くすくすっと笑ってしまう。
そしてニヤニヤっとしてしまう(笑)
唐突にボケに対し冷静なツッコミが入る事もあり、パターンを変えた笑いがあるのも特徴的だ
しかし、明らかに微妙な感じのネタもたまにある。
若干滑ったと感じるギャグやネタでも「キャラの可愛さ」でシュールな面白さを生んでおり
微妙なネタでも思わずクスクスっと笑ってしまう不思議な面白さだ。
それこそ爆笑するようなギャグはない。
だが、安定した少女たちの日常は可愛らしく、クスクスっと笑い楽しめる。
たかが「山手線ゲーム」で可愛らしくて笑えるシーンが出来るのはこの作品の魅力の1つだろう
そしてテンポ。
原作が4コマということもあり、ネタと日常描写が描かれ飽きる前にテンポよく場面が変わる。
サクサクっと進む話とじっくり見せる話をしっかりと使い分けており、
キャラクターの可愛さをきちんと味わいつつ様々な表情をテンポよく見せてくれる
各話の最後には声付きの微妙に動く4コマもあり、
OPからED、そしてエンドカードまで毎話全てのシーンを堪能できる内容になっている。
妥協している点が一切ないというのは作品としての完成度の高さを感じさせ、
同時に作品全体としての「安定さ」を感じる。
ただ逆に言えば安定し過ぎている。
1話~3話などの序盤までの印象と最終話の印象はほとんど替わらず
毎話安定した内容を繰り広げているのだが、意外なストーリーやキャラクターの設定などはなく
毎話安定しているがゆえに飽きてしまう方も居るかもしれない。
この「ぬるま湯感覚」は非常に素晴らしいのだが、刺激は少ない。
その安定を崩したのは最終話の後半パートだろう(苦笑)
最終話前半パートはいつもの「きんいろモザイク」できちんと1クールを閉めていたのだが、
尺が余ったのか後半パートで唐突に「ミュージカル」が流れるw
これが学園祭などのシーンならば納得できるのだが唐突だ。
前半パートで1クールを締めるような展開をしていたので余計に唐突に感じてしまう。
この部分は賛否両論が分かれやすい印象はあるが、
1クールでそれまで安定しまくっていただけに最後の最後でその安定が崩れるのは
私個人としては「面白い」と感じた。あくまで私個人としてだ。
見る人の好みによっては最後の最後でやらかしたと感じるかもしれない。
全体的に見て素晴らしく完成度高い作品だった。
日常アニメとして可愛らしいキャラクター描写をきちんとし、
爆笑できるわけではないがクスクスっと笑ってしまうギャグやネタ、
キャラクター同士の会話劇は不思議な癒やしと雰囲気を産んでおり、
「萌え」とはまた違うキャラクターとしての可愛らしさが出ていた。
このアニメは簡潔に言ってしまえば「なんて可愛いアニメ」だ(笑)
演じられている声優さんはメインのキャラクター5人は新人さんが目立つが
可愛らしい声質と演技で新人と感じないほど安定しており、
「あざとい萌え」ではなく「自然なキャラの可愛さ」がにじみ出ていた
こうなってくると後は好みの問題だ。
キャラクターデザインやこのぬるま湯の雰囲気、最後のミュージカル、ネタやギャグ、テンポなど
この作品の魅力は最大限に出ておりあとは見る人の好みだ。
日常萌えアニメではあるため誰にでも好かれる作品とは言い難いが、
1話の段階で好き嫌いがはっきりと別れるので作品として分かりやすい。
個人的には1話の留学話ですっかりやられ、最終話のミュージカルまで存分に楽しめたアニメだった。
更に個人的に言いえば「金髪少女に番傘」「金髪少女にかんざし」という組み合わせが
非常にツボだった・・・w
早めに2期がほしいところだが、その前に原作に手を伸ばすか迷っている(笑)
しかしながら、なんと原作1巻はAmazonでは売り切れ中だ。
2期はあるのだろうか?
地味に時系列が進んでいるためいつかは「卒業」という展開もあるのかもしれないが・・・
1期のDVDの売上もそこそこ好調なようで、原作も売り切れになるほど人気。
強く、強く2期を期待したい。
余談だが今作で初のメインキャラを演じてる「田中真奈美」さんには正直驚いた。
そこそこ経験のある声優さんなのかと思ったのだが、
デビューしてからほとんど脇役のみだったのにもかかわらず
今作で重要な「アリス」をしっかりと可愛く演じていた。
今後のご活躍に期待したいと思います。
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