評価 ★★★★★(90点) 全126分
あらすじ 飛行機に憧れている少年・堀越二郎は、夢に現れた飛行機の設計家・カプローニ伯爵に励まされ、自分も飛行機の設計家になることを志す。引用- Wikipedia
天才・宮崎駿、ここに在り
本作品は2013年に公開されたジブリ映画作品。
崖の上のポニョ以来の宮崎駿自身が監督を務めた作品であり、
本作で宮崎駿監督は引退を宣言したが後に撤回されている。
ノンフィクション
この作品はジブリとしては初めて「実在の人物」を扱う作品だ。
子供の頃から飛行機に憧れていた少年「堀越 二郎」は
少年時代に夢のなかで有名な飛行機制作者のカプローニと出会い、
彼に出会ったことで「堀越 二郎」は航空技術者になる決意を固めるが、
時代は戦争へ、そして震災が起こる・・・
という所からストーリーは始まる
この冒頭の少年時代からジブリの世界感が美しく描かれている。
「夢」の中で飛行機で空に飛び立つものの、飛行機はあっけなく落下し
空から落ちる。
どこからか「落ちる」という夢は人が誰しもは見たことがあるだろう。
だが、彼の場合はそれが「飛行機」だ。
空に魅せられた少年は少年時代から英語の本を読み、
「空」というものを飛ぶことをのぞんでいる。
大正時代という空を飛ぶということが身近ではない時代に、
空に憧れる少年は勇ましく喧嘩をしたりするものの、
勉学に励んでいる。
いつか空を飛ぶために、いつか飛行機を作るために。
丁寧に少年時代の彼から描くことで、
彼が「空」に魅せられていることを見ている側にも印象づける。
「近眼」の少年はパイロットにはなれない。
しかし、飛行機を作ることはできる。
子供らしい夢を掲げ、夢にあふれる様は微笑ましく可愛らしい。
空に憧れ、同じ思いを掲げている「カプローニ」と
少年の「夢」が繋がってしまう。
日本の少年と海外の設計士の「夢」が繋がる、
夢は同じ夢を持つ同士で繋がっている、人が見る「夢」という
不思議な現象を幻想的に、だが、どこか身近に魅せている。
この作品は実在の人物の物語ではあるものの、
同時にジブリ、そして宮崎駿監督らしい「ファンタジー」要素も
きちんと感じさせてくれる。
物語の中で定期的に主人公の夢とカプローニの夢は繋がる。
それがきっかけになり、主人公はまた自身の夢に一歩近づき、
同時にカプローニは夢を終えていく。
この時代の飛行機は人を運ぶためではなく、
同時に「戦争」の道具だ。
彼らの夢は人の命を使うためにも使われる。
夢を叶えるためには戦争の道具と分かっていても、
そうでもなければ、この時代に飛行機を作ることなど出来ない。
夢のために「戦争」すら利用する。
それが夢という名の狂気に囚われたものの性だ。
「美しい飛行機」を作りたい。
そんな漠然とした夢を彼は掲げ世界を回る。
「久石護」さんの手掛ける曲も流石だ。
大正時代の空気感、「時代」を感じさせる曲調が
自然とジブリの世界に、宮崎駿の世界に、この作品の世界に連れて行ってくれる。
青年時代
恐らく本レビューを見に来た方が1番気になっているのは声優だろう。
この作品の主人公である「堀越二郎」を演ずるのは
新世紀エヴァンゲリオンの監督でお馴染みの「庵野秀明」だ(笑)
宮崎駿監督がかわいがっている弟子のような存在であり、
そんな人物を主人公に起用している。
もちろん、声優としての演技の経験はない。
当時はいい意味でも悪い意味でも強く話題になり、
有名な映画レビューサイトでは
「気になって画面に集中できない。せっかくの感動も台無しである。」
とまで書かれていた。
私個人としても笑うつもりで見に行った(笑)
しかしながら、そんな私のゲスな期待を大きく裏切ってくれる。
私個人の感想ではあるが「庵野秀明」氏の声は本作品の主人公に合っている。
確かに声の高さと少しかすれた声をしてはいるが、その声がこの映画の主人公である
「堀越 二郎」のキャラクター性とマッチしており、
後半にある囁くようなセリフは涙腺をくすぐられそうになるほどだ。
これは「堀越 二郎」のセリフに「叫ぶ」セリフがなかったことも大きいといえる、
あの声質と演技力なら恐らく叫ぶような演技だとかなり聞き難いものがあるだろうが、
飄々とした喋りと飛行機のことに夢中になると空返事しかしかしないという
「堀越 二郎」というキャラの喋り方と「庵野秀明」氏の声がなんともマッチしている。
中盤であっさりとヒロインの父にヒロインとの付き合いを許してもらうシーンが有る。
ここのシーンはあまりにも「好きです」「はい、菜穂子さんです」と淡々にいっており
本当にあっさりと二人が付き合い結婚を約束するというシーンを描写しているのだが、
これは「庵野秀明」の演技というよりも「堀越 二郎」のキャラ性だ。
終盤ではヒロインに対し「綺麗だよ」と言うシーンが何回かあるが、
この「綺麗だよ」という言葉が本当に染み渡る。
結核という大病を患ったヒロインが寝巻き姿で寝ている姿を見て、
結婚式での綺麗な艶姿を見て、主人公は普段は飄々とした喋りなのに、
自分の気持を抑えられず思わず「綺麗だよ」と溢れるような演技は素直に感動してしまった。
堀越二郎
この「堀越 二郎」というキャラクターは独特だ。
震災が起こっても冷静で取り乱したりはしない、
目の前で飛行機が落下してもその先にあるものを見ている、
彼は決して慌てないし冷静なキャラクターだ。
そんな彼が素を見せるのが「里見菜穂子」だ。
彼女と彼は震災の時に出会っており彼女を助けている、
そんな二人が偶然にも避暑地で再会する
彼はその時、挫折のようなものを味わっており
現実逃避のごとく避暑地のホテルに泊まりに来ている。
そんな中での再会だ。
「里見菜穂子」は「堀越 二郎」に対し震災の時に助けてくれた貴方は王子様のようだという
「堀越 二郎」はそんな彼女の純粋さや笑顔に惹かれたのかもしれない。
二人は「紙飛行機」を通じて言葉ではなく、
気持ちをのせて心を通じ合わせる
恋に落ちるのは本当に一瞬で、あとは心を確かめるだけ。
そんなメッセージが伝わってくるようななんとも和ませるシーンだ。
里見菜穂子
そんなヒロインは「結核」という大病を患っている。
彼女が倒れたと聞けば、普段は冷静なはずの「堀越 二郎」は涙を流しながら、
列車にのりこみ彼女のもとへ急いで駆けつけ抱きしめる。
彼女は生きたいと願っている。
彼とともに人生を、残りの時間を。
そのために高原にある病院に転院してしまう。
たった一人で、寒い中でも外にベッドを置き、そこで眠るだけだ。
この時代の「結核」という病気の恐ろしさを如実に感じさせる。
終盤ではヒロインも寂しさのあまりというより、
自分の寿命を悟ったのだろう。
山の病院から抜け出し、「堀越 二郎」のもとへ訪れる。
もう彼女に残された時間は少ない。
そう感じているからこそ、その残りの時間を彼と過ごすことを決める。
そんな残された時間のない二人が
小さいながらも結婚式を上げるシーンの彼女の美しさは、
「堀越 二郎」と同じで思わず「綺麗だ」とつぶやいてしまうほど美しい。
二人の初夜でのヒロインのあの一言は反則なまでの可愛さを生んでいるほど
だ。
自分がキレイと思われるように、病気で苦しむところを彼にはみせない。
残された時間を限りある限り「妻」でいようとする彼女の献身的な姿は、
けなげで、儚い。
生活
二人の生活は何ともはかなげだ。
小さな離れで彼の帰りを待ち、
彼が持ち帰った仕事をしている横で布団に入りながら彼の手を握ったまま眠りに入る。
彼がタバコを吸いたいといっても手を離させてはくれない。
「病気の妻の横でタバコを吸うなんて」という感想も見かけたが、
このシーンはそういう解釈ではない。二人には単純に時間がないのだ。
劇中で「創造的人生の持ち時間は10年」という台詞がある。
これは堀越二郎の航空技術者としての時間を示唆しており、
そして結核という大病を患ったヒロインの時間をも示唆している。
二人が結婚したのは、この時間のうち5年以上の時がたっており、
あと5年しか無い。
二人には二人の時間が短いと分かっているからこそ
タバコを吸う時間すらも二人にとっては一緒に居たい時間だ。
1秒でも一緒にいたい、だが、同時に仕事も彼の人生には
捨てきれないものだ。
彼女の元へ行くときの電車の中でも、彼女と居るときでさえ
彼は飛行機の「設計」から離れることが出来ない。
夢という名の呪いにかかってしまっている男は、
愛する女性の時間が少ないと分かっていても、その呪いから開放されることはない。
彼女のことを思えば、仕事をやめるという選択肢もある。
だが、堀越二郎という男にはそれが出来ない。
里見菜穂子も、そんな男を愛している。
せめてもの呪いへの抵抗として、彼は「片手」を彼女に捧げている。
両手で仕事をしたほうがはかどるところを、彼は「片手」だけで
彼女の横で仕事に勤しむ。
それが堀越二郎の彼女への愛情表現であり、そんな愛に彼女も甘えている。
10年
そして10年がたち、堀越二郎が作り上げた美しい飛行機は
戦争から一機も帰ってこず、里見菜穂子は亡くなっている。
そして堀越二郎は夢のなかで再び彼女に再会する。
夢の世界は死者とも会える世界だ。
「生きねば」というセリフはCMなどで描写されていたが、
この「生きねば」というセリフは二人の10年を示唆しており、
そして堀越二郎の今後の人生をも示唆している。
ストーリーとしては決してハッピーエンドとはいえない、だがバッドエンドとも言えない。
実在の人物をモチーフにしたからこその
「一人の男」の人生を見たような
そんな不思議な感覚に包まれてストーリーは終わる。
テンポ
ストーリーの流れ的には展開の速さが顕著だ。
ストーリーとストーリーの繋ぎという部分が冒頭から中盤までほとんどなく、
唐突に場面が入れ替わり時系列も1年や2年あっという間に過ぎていく。
子供時代を直前まで描写していたかと思えば、
次のシーンでは主人公はあっさりとおとなになっている。
この早すぎるストーリー展開は本来なら賛否両論とも言えるのだが、
ここで「ジブリの作画能力」と「ジブリの雰囲気作り」が後押しする。
圧倒的な絵力で展開が変わり時系列が変わっても
「これはどういう状況でどうなったか」を
セリフやナレーションではなく絵で理解させる。
例えば壊れた街並みが復旧していたり、壊れた飛行機が目の前にあったり。
前のシーンと次のシーンで「何が起こったのか」を敢えて描写せず、
結果と結果をつなげ、セリフではなく見ている側に
一瞬でその「間」を考えさせてそれをすぐに理解させてくれる。
下手な作画や雰囲気作りが下手ならば理解できない。
しかしながら、ジブリという制作会社だからこそ出来る作画と
作品の雰囲気づくりのお陰で絵と絵の繋ぎでストーリー展開がわかってしまう。
飛行機
故に「アニメ」として面白い。
時代とともにうつりゆく日本の背景の作画、
飛び立つ飛行機、壊れる飛行機、列車、軍艦、
そういったあの時代の雰囲気を匂い立つほど描写しており、
メインである「飛行機」の動きは繊細だ。
飛行機が270kmで飛び、400kmの速度に挑み壊れる。
文章にすればたった1行でしかないシーンを
じっくりとたっぷりと爽快感を味わせつつ、直後に喪失感を魅せてくれる。
アニメーションという媒体だからこそ出来るシーンを
これでもかと表現している作品だ。
更に震災のシーン、これはもう「センス」としか言い用のない表現だ。
単純に画面が揺れる、建物が崩壊するという描写ではなく、
地面がまるで波立つようにうねり、叫びが聞こえ、小石が震える。
宮崎駿という監督の「センス」が垣間見えるシーンの1つといえるだろう。
ストーリー自体は単調なのだが、
アニメーションとして見ていて面白いシーンが多く
故に余計な言葉や余計なセリフがなくストーリーを進められるため、
単調なストーリーを飽きさせない。
朴訥とした主人公の「人生」を、一人の男の生きていた時間を
詳細に、綿密に描いている。
ただ「魚を食べる」そんなシーンでしか無い。
そんな鯖という魚の骨を「美しい」と思う主人公を描写することで、
主人公そのもののキャラ描写と魅力と時代感の描写に繋がっている。
風
私はこの作品の中での「風」の表現が好きだ。
飛行機の機体に沿うように風が通ったり、吹き抜けるような風がふいたり。
ときには震災のときに風が火を後押しし、震災の傷跡を大きくする。
場面ごとの「風」の描写が秀逸だ。
朴訥な男だからこそ、感情をめったに表に出さない男だからこそ、
彼のかわりに「風」がキャラクターの心理を描写している。
ときに、そんな風が男と女を繋げてくれる。
風はときに彼に味方し、時に裏切り、時に助け、時に背中を押してくれる。
そんな彼女との別れを「風」で表現しているシーンが私は本当に好きだ。
彼女は死期を悟っている。そんな姿を彼女は彼には見せない。
美しいままの記憶を彼に見せるために、
病気で苦しむ姿を彼に見せないために。
なんとも健気で魅力的なヒロインだ。
そんな中で風が吹いて彼が何かを悟ったような表情をする。
言葉でもない、絵でもない。声でもない。
アニメーションという表現の塊があのシーンにはあった。
「宮崎駿」という監督の才能とセンスと、
彼が宮崎駿たる所以を感じさせる「風」がこの作品には常に吹いていた。
総評:鯖の骨を美しいと思う男の物語
全体的に見て、この作品は傑作だ。
混沌とした時代の中で自分の夢に生き、一人の女性を愛し自分の夢を実現する。
まっすぐに自分に正直に生きて、まっすぐに女性を愛する。
そんな一人の男の人生を味わうことの出来る作品だ。
そんな人生を素晴らしい作画と音楽が後押ししする。
単調なストーリー展開を素晴らしい雰囲気で包みあげ、
展開が早いからこそ飽きずに、そしてじっくりと「堀越二郎」の人生を味わえる。
クリエイターとしての10年、病気を患った女性との10年、
そんな10年の最後に「生きねば」というセリフの重みが伝わってくる
欠点を言うならばこの作品は好みが分かれやすい。
特に子供に見せても一切面白く無いだろうし、
親子連れで見に行くような作品ではない。
声に関しても「庵野秀明」氏の声が気になる方もいるだろう。
ストーリー展開の速さでシーンの細かい描写がないため
「震災から復興する日本の姿」や
「主人公が戦争に加担したという葛藤」するようなシーンなどはない。
だが逆に、そういった要素を描けば変に重くなってしまい、
ここまでストレートにストーリーを楽しめなかっただろう。
男性や女性というものの価値観でもこの作品に対する評価は違うかもしれない。
堀越二郎は仕事一筋で仕事をやめてまで愛する人のそばにはいかない、
里見菜穂子は自分の綺麗な姿だけを見せたい、勝手に去っていく。
私個人はそんな彼を自分に正直、そんな彼女を儚げで美しいと思ったが、
価値観次第では反対の印象を受けるかもしれない。
だからこそ酷評する人の気持ちもわかる。
ジブリにこんな作品を求めていないという人の気持ちもわかるし、
やっぱり声が気になるという人の気持ちもわかる。
ストーリーが単調で細かい描写がないため退屈だという人の気持ちもわかる。
だが、そんな人の気持ちもわかるのだが
私は「面白い作品だった」と声を上げたい。
個人的な感想:鯖
個人的には堀越二郎が序盤で「鯖の味噌煮」を食べ、
そんな鯖の骨の曲線と美しいといい、それを飛行機に当てはめる描写が好きだ
彼は海軍から飛行機を作れと言われ、「銃火器がなければ」飛ぶ理想の飛行機を作ろうとしたり
飛行機バカともいうような彼に不思議な愛着を感じてしまった。
何度もじっくりと見たいと感じさせる作品だ。
見るたびになにかに気づき、レビューを書き直したくなる。
そんな作品にはなかなか出会えないものだ。
10年前に見たときの私は26歳だ。
10年ぶりにこの作品を見返し36歳になった私にとって
この作品は10年前以上に刺さるものがある。
このレビューを見てるみなさんの中にも
1度この作品をみてる人も多いと思うが、
10年前に面白くないと思っていたひとも
もしかしたら今見返したら刺さるものがあるかもしれない。
ぜひ、これをきっかけにもう1度、この作品をご覧いただければ幸いだ。
この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください
近年のジブリ映画では群を抜いています
久々に良い映画をみさせて頂きました
おお、いつもより綺麗にまとまったレビューで読みやすかったです。
ですが、結婚式で綺麗な艶姿出を見て、の「艶姿出」とはなんですか?
調べましたが、よくわからないので教えてください。
あと、今度、母(50歳)と見に行こうと思っていますが、母は「堀辰雄の『風立ちぬ』が好きだから観たい」と思っているようなのですが、そういう人にも楽しめる映画なのでしょうか?
>>kuruさん。
艶姿出は誤字です。すいません。艶姿です、色っぽく美しいという感じですね。
私は堀辰雄の『風立ちぬ』を読んでいないので、原作との違いなどはわかりませんが、
ファンタジー的な要素として「夢のなかの世界」が出てくるのですが
これは少しわかりづらいかもしれません。
ですが映画館は40代~60代の方が非常に多かったので
ご一緒に見られても楽しめる映画だと思います。
むしろ、堀辰雄の『風立ちぬ』を読んでいるお母様がどう感じたのか
ぜひ意見をお聞きしたいくらいです(笑)
ではでは。
即レスいただいていたのにお礼の返事をしないまま放置して申し訳ありませんでした。
私の体調不良や家族の引っ越しなどでなかなか観に行く機会が無く、昨日ようやく母(50代)と鑑賞することができました。
母の感想は「落ち着いた雰囲気が気に入った」と満足してはいましたが、「堀辰雄のモノとは全くの別物であり、結核患者のわりに好き放題したり、綺麗すぎる純愛に吹き出しそうになった」とも言っていました。
ファンタジー的な要素に関しては、齢50を過ぎてアニメにハマり、『CLANNAD』の平行世界などを理解している母には全く問題無かったそうですww(ちなみに今季は『進撃の巨人』と『有頂天家族』がお気に入りのようです)
蛇足ですが、私自身の感想も・・・
レビューどおり艶姿のヒロインに目を奪われましたね。不安だった庵野さんの声と演技も慣れました。
決して褒められた演技と声ではありませんが、あの「綺麗だ」は非常に良かったです。
モデルグラフィックス版(原作版『風立ちぬ』)を読んだことのある自分には、よりブラッシュアップしてドラマチックに描かれたストーリーも楽しめました。
それでは長文失礼しました。
コメントありがとうございます。
やはり堀辰雄の『風立ちぬ』とは別物なんですね、逆に読んでみたくなりました。
お母様の突込みどころ中々的確です(笑)
結核患者の行動とは思えないほど行動的ですし、
綺麗過ぎる純愛はジブリの演出がなければ綺麗すぎて見ていられない感じも強いですねw
50歳を超えてからアニメにハマるというのも大変興味深いです。
庵野さんの声は庵野監督ということを一回忘れると慣れやすいんですけどね。
先入感が強いせいでなれない人が多いのも事実ですが・・・
ではでは
初めてコメントさせていただきます。
作品の感想としてはまずやはり声でしょうか。
慣れるのに少々時間がかかりました。自分としては堀越二郎という一人の人間として観れば庵野さんの声は合ってると思います。しかしアニメのキャラデザとあの声は合わないように感じました。庵野さんを使うならキャラデザも庵野さんに似せないと・・・、まぁ無理な話ですがw。
映像面に関してはジブリ作品というか宮崎監督の真骨頂である飛行する物体の描写はさすがとしか言い用がなく、紅の豚ファンの私にとって非常に見どころのある作品でした。
ストーリーに関しては若干緊迫感にかけるかなぁという印象。まぁ原作が文学作品ですので仕方ないのかもしれませんが、ジブリ作品に期待するものは大きく、そういう意味で評価は別れるかもしれませんね。特に若い世代にはこういう恋愛は理解しにくいのかもしれません。