木ノ葉の里に、死んだはずの“ 暁 ”メンバーたちが襲来してきた。ナルト達は撃退し、家族たちが暖かく迎える。ただ一人、天涯孤独の身であるナルトを除いて・・・。
「もしも」だからこそありえるナルトの世界
本作品はナルトとしては9作品目となる劇場版
原作者である「岸本斉史」自らが企画からストーリー、
キャラクターデザインを手がけた劇場版完全新作ストーリーとなっている
これまでのNARUTO映画は割りと大きな声で面白いといえる映画とはいえなかったが
本作品は・・・
基本的なストーリーはアクション。
木の葉の里に死んだはずの暁のメンバーが襲来してきた。
しかし、あっさりと撃退し、木の葉の里に戻ったナルト達
その夜ナリトの前に「うちはマダラ」が現れ恐るべき瞳術を発動させる
その後、木の葉の里はいつもと何かが違う世界になっていた
というところからストーリーが始まる。
序盤からストーリーに引き込まれる。
「親が居ない」ナルトの寂しさや、家族がいるサクラ、
二人の主張の食い違いをしている前に「マダラ」が現れ限定月詠の世界に飛ばされ、
本来とは性格が真逆とも言えるキャラクターたちが住む世界に迷い込む。
派手な恰好をするヒナタ、少食のチョウジ、バカなシカマル、
白眼で覗き見をするネジ、女の下着を盗むリーなど
普段のキャラとは真逆というより酷いキャラクター設定の数々は
普段のNARUTOのキャラクターを知っているファンならば楽しめるポイントだ。
更に「もしも」の世界だからこそありえる設定。
ナルトの両親が生きている世界というのは劇場版だからこそできるストーリー展開で、
最初は「両親」というものをナルトが受け入れきれず、
更に偽物の世界である事を知ってるため、拒絶する。
だが、そんな彼も徐々に「両親が居る喜び」を噛み締める。
それと同時に「サクラ」が寂しさを感じる。
最初は両親がいなくなった世界で英雄の娘でサスケが居るという設定の世界を
楽しんでいたサクラだったが、徐々に「両親の居ない寂しさ」を感じる。
だが、その時には既にナルトは幸せを感じはじめている。
仮初の世界だが、ナルトの欲しかったものが全てある世界。
偽物だとは分かっているが、眼の前にある「幸せ」には抗えない。
しかし、そんな「幸せな世界」もやはり「嘘の世界」でしかない。
「もしも」の世界だからこそありえる設定を上手く使っているストーリー内容だ、
特に終盤の「暁が味方」という展開は展開として予想外だったため素直に驚いたw
更にナルトVSナルト、九尾VS九尾と「もしも」の世界だからこそできるストーリーを
最大限に描写しており、序盤のストーリーを生かした物語の結末は
思わずホロリと来てしまうシーンだろう。
ただ、ストーリーがやや冗長だ。
始まってすぐの戦闘のあと40分以上戦闘シーンがない
アクションストーリーというのは若干厳しく
戦闘シーンもテンポが遅く魅力的とはいえない。
終盤の戦闘シーンはたしかに派手なのだが、
例えるなら「大味」で戦闘シーンのおもしろみが薄い。
劇場という大きなスクリーンならごまかされたかもしれないが、
大きな動きと大きな動きでぶつかり合ってるだけで、戦闘シーンの練り込み不足を感じた。
更にかなり目立つ過去のシーンの使いまわし
TVアニメでは既に描写されているシーンを使いまわして使っており、
そのシーンが多い上に長い。
このNARUTOの映画を見に来ている人は確実に見たことのあるシーンなだけに
少しだけ過去のシーンを流すならわかるが、結構ガッツリ流している点は気になる。
キャラクターも前半では性格が変わったキャラがたくさん出るのだが、
中盤以降はナルトとサクラ以外のキャラは殆ど出ず、戦闘にも参加しない。
確かにサブキャラがストーリーに絡まないことで
ストーリーの面白さはすっきりしたものになったが、絡まないことで、
せっかく性格が変わったキャラがいるのに活かしきれていない感じが出てしまっていた
性格が変わったキャラの戦闘シーンを見てみたかった。
全体的に見てストーリーは悪くない。
流石、原作者が考えただけあって「NARUTO」のファンが楽しめる内容になっており
映画だからこそできる「もしも」の世界できっちりとストーリーを展開していた。
だが、戦闘シーンの面白みが薄いことやせっかく出た「もしも」の世界のキャラの
登場シーンの不足など、不満に感じる点も多々ある。
ただ本筋のストーリーが悪くないだけにあらが目立ってしまったと感じる
これまでの映画に比べれば確かに面白い。
なるとのファンならば見て損はない作品だが、特定のキャラのファンの場合
ナルトとサクラ以外は登場シーンが少ないので不満に感じてしまうかもしれない。
本作品はあくまでなるとファン向けのストーリーだ。
前半のいつもと違うキャラの面白さや、今までのナルトが抱えてきた寂しさ、
そういうのを理解した上での「もしも」の世界だからこそ楽しめる。
だが、ファン向けと考えると各キャラクターの登場シーンが少ない
もう少しキャラクターが均等に活躍すべきだったと感じてしまった
ただこれまでの映画に比べればかなり面白くなっている
これならば次回作に期待できるという期待感を感じることが出来る作品だ
やっぱり、原作者が関わると違うんだな~としみじみと感じられる作品だった
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