美大への進学を夢見ていた高校生のヒヨコは、17歳の誕生日を迎えた日、家の中から、死んだ母の描いた絵がなくなっていることに気付いた。ヒヨコは、美大進学に反対していた父が母の絵を処分したのだと思い、家を飛び出してしまう。しかし、家を飛び出したものの行くあてもなかったヒヨコは、街をうろうろしているうちに、アジール・スタジアムと呼ばれる場所に行き着いてしまう。
若さってなんだ 振り向かないことさ~
本作品は2009年に制作された劇場アニメ。
元バンドマンの監督が制作している
基本的なストーリーは・・・SFだろうか?
美大を目指す高校生「ヒヨコ」、
しかし父親はそんな彼女が美大に行く事を反対し母親の絵を捨てた。
父親に反発し家を出た彼女は行くあてがなく、
いつの間にかならず者が住んでいる「スタジアム・アジール」へとたどり着く
という所からストーリーは始まる。
見だして感じるのは3DCGのクォリティだろう。
2009年に制作されたものだが、若干荒く若干チープな感じもする。
制作スタッフはCGを学ぶ数十人の学生と書かれていたが、
たしかにそれを感じる「荒削り」な印象を受けた。
「このシーンが凄い」と感じる部分はない、無難なシーンの連続だ
ストーリー的には壊されそうなスタジアムアジールを壊させないために、
セッションイベントを開き近隣住民への理解と自分たちの居住を認めさせようとしている
そんな感じのストーリーの中で美大を目指す少女と電脳と体を改造している少年の話も
展開するのだが、1時間という尺の短さのせいで世界観の掘り下げや
登場人物の過去の描写などがない。
特に主人公などはわけありっぽく、戦争なども行われたようだが
ふわっとしかわからず感情移入できない
ただ、ヒロインの「ひよこ」に関しては平野綾さんが演じているせいもあるのだろうが
しっかりとしたヒロインになっており、それに影響される主人公という対比は
よく描かれていた。
ストーリーもストレートに迷っているヒロインと無法者の主人公の対峙。
絵を通して彼らが徐々に変わっていく様はそれなりに描かれているのだが、
淡々と淡々と描写する。
この淡々とした展開ももっとクォリティの高い3DCGなら映えるのだろうが、
チープな3DCGのためストーリーの盛り上がりも薄い。
唯一、ラストの街に落書きをするシーンは楽しめたがそれだけだ。
全体的に見て若々しい作品だということは分かる。
荒削りな3DCG,ストレートなストーリー展開、
このシーンからストーリーを作った、このシーンがやりたいからこういうストーリーにした
というのがかなり分かりやすく描写され、もう少し深みやひねりが欲しかった。
だが、ストレートなキャラとストレートなストーリーは好きな人も居るだろう。
ストーリーだけ見れば普通なのだが、3DCGのクォリティだけが残念だ
ストーリーも終盤で重要な伏線も出てきて続きが作られそうな展開でも
終わっているのもいまいち見終わった感がないのも残念だ。
個性とアクの強い作品だが、その個性とアクを最大限に活かしきれておらず
どこかまだ型にはまってしまっている印象だ
もっと若さ全開、問答無用の荒削り、無茶苦茶な勢いで作品が作られていれば
作品全体の印象が変わったかもしれないだけに残念だ
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