海岸沿いで便利屋を営み「姉妹」として共に暮らす小学生3人組。稼いだお金で沖に浮かぶ無人島を買い取り、自分たちの独立国を作る!という目標を胸に、日々舞い込む仕事に一所懸命取り組む。時には困難にぶつかっても、力を合わせて乗り越えていく。様々な人との出会いや交流を通して大切な「何か」を学びながら、彼女たちは歩み続ける。
子供は元気が1番
原作は漫画作品。
原作者である大地丙太郎さん自らが自主制作でアニメ化した
2004年に文化庁メディア芸術祭受賞している
見て感じるのは「NHK教育アニメ」という印象だろう。
等身の低いキャラクターが序盤からドタバタと駆けまわる様子は可愛らしく
そのドタバタ動きまわるキャラに合わせて声優さんたちも
ハイテンションな演技をしている。
ストーリー的には小学生である3人組が親が居ないのか
便利屋として町の人達のいろいろな仕事を承っている
1人は元気に、1人はお色気、1人は頭脳と
バランスの良い3人がそれぞれの分野でそれぞれの仕事をしている。
最も特徴的なのは三姉妹の三女である「碧」だろう。
アニメとしては珍しい「喋れない」少女で手話で会話をしている。
このハイテンションの中では暗くは描写されていないが、
アニメという媒体で「手話」が出てくるのはかなり新鮮だ。
ただ、それが新鮮であってアニメ的な面白さに
繋がっているかというのを考えると難しいところだ。
こういう「障害」を扱うと色々な方が五月蝿いので
面白さに繋がっているなら挑戦したことを評価したいのだが、
全1話で25分ほどの作品では「障害」を扱ったリスクにふさわしい
面白さや意味があったとは思えない。
肝心の手話も早すぎて、手が早いという印象だけしか残らない。
(一応きちんと本格的な手話になっているらしい)
ストーリー的にはそんな3人のもとに「引きこもり」の小学生が混ざる。
彼は学校の教育に批判的で、学校の教育に意味は無いと考えている
そんな彼は自活している「3人」の中に入る。だが、現実は甘くない。
普通の小学生である彼に小学生3人の便利屋のしごとはあまりにも大変で、
彼女たちの辛辣なまでの「お金」を稼ぐことに対する執念に負ける。
だが、彼女たちから見れば彼の環境は「幸せ」で
学校にいけることは幸福なのだと訴えかける。
しかし、彼女たちは彼女たちで「幸せ」に生活している。
全体的に見て30分という短い尺でテーマがしっかりしており
よくまとまっている作品といえるだろう。
可愛い絵柄で以外にも社会風刺が強い要素も含まれており、
ハイテンションで勢いでストーリーをごまかすことをセず、
きっちりとまとめあげたのは好印象だった。
惜しまれるのは1話だけしかこの作品がないということだ。
NHKや日曜朝のアニメとしてがっつりと放映できるレベルの作品なだけに
OVAで1話完結というのは非常に惜しまれる。
もっと長く作られれば、「障害者」を取り扱った意味や
彼女たちのキャラ描写が深くなっただけに残念だ。
NHKあたりが本格的に5クールくらいのアニメとして放映すれば
「手話」をきちんと取り上げるアニメ作品としてもっと高い評価をできたかもしれない
非常に惜しまれる作品といえるだろう。
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