葉県鴨川市に住む少女・京乃まどかはランという宇宙からやって来た少女と出会う。彼女から「ウォクス」と呼ばれるロボットに乗って欲しいと頼まれる。その鴨川に突如として宇宙からの敵が襲来したことで、まどかの運命は一変する。
鴨川はよく人が溺れてる街。
本作品はアニメオリジナル作品。
2012年の冬、2012年夏の分割2クールとして放映された
実際の街である「鴨川」を舞台に展開されるロボットアニメだ
なお、本作品は一期、二期と別れてはいるが分割2クールで
何故敵が襲ってくるのか、何故主人公は自在にロボットを操れるのか
そういった伏線や設定の説明が一切ないまま3話まで敵との交戦が続く
確かに戦闘シーンはそれなりに激しく動きロボットのデザインも独特で、
目に見張るものはある。
だが、説明がないまま4話、5話と続いてしまい
6話では「輪廻が開いた!」とキャラクターが叫ぶ。
かなり視聴者を置いてけぼりにしておく。
この置いてけぼりにしておく状態が楽しいならいいが、
謎がどんどんどんどん積み重ね、その上に更に積み重ねて解決しない。
簡単に言えばエヴァ的な雰囲気を出したいのは分かる。
だが、ふわっとしたままストーリーが勝手に進んでしまい
「輪廻のラグランジェ」という世界観には入り込ませない。
敵勢力も描かれるのだが、横文字の名前が多く
会話の中でしか登場人物で、「ユリカノのために戦います」と言われても
見ている側にとってはそれがどんな人物で彼らにとってどんな存在なのかが
わからない状態で、敵の戦う目的にされてしまっている。
更に一期の途中で「2期決定しました!」と最初から決まっていることを発表する。
個人的な話になってしまうが、こういう分割2クールや
最初から決まっていて、明らかに2期を前提としたストーリー構成なのに
「2期決定しました!」というのは嫌いだ。
一期の時点での評価は最悪に近い。
しかし、2期からようやくいろいろな伏線や設定の回収に入る。
キャラクターの使い方もうまくなっており、話の勢いもある。
分割2クールの間の1クールの間に制作スタッフが一期の反省をよく
生かしているとも言えるが、最初からこのレベルで作ってくれれば・・・と思ってしまう。
ただ戦争をしていたと思ったらしていなかったり、
戦っていたと思えば、すぐに解決してしまったりと物語の抑揚が薄い。
惑星同士が戦っていた理由も「千年後にお互いの惑星ぶつかる」という
かなり先の出来事が原因で争っている。
惑星同士がぶつかるのが、間近のことならば彼らが焦り
「お前の惑星なくして解決!」というような極論になってしまうのはわかるが
千年後だ(苦笑)
極論に走るのは早過ぎる上に、
キャラクターが焦ってそういう行動に出るのが理解できない。
日常描写と戦闘描写の切り替えの仕方も悪い。
戦っていたと思ったら次の話でいきなり日常話になっていたり、
重要な設定や伏線を張ったと思えば日常話に切り替わったりする。
せっかくの盛り上がりを崩される気分を何度も味わってしまった。
さらに言えば明らかに「話数を稼ぐための話」も多く
、
最終話まで見終わっても「結局何だったのか」という要素が多すぎる。
ラスボスを目の前にしてのんきに弁当を食っているシーンを見て
私は若干呆れてしまった。
全体的に見てこの作品の脚本を書いた人は何を考えているのだろうかと感じてしまった
盛り上がるべきところで盛り上がらず、話の腰を折る展開も多く
最後の敵の目的も大きいようで小さい、
えらく大層な設定をどんどん出していったが、それを活用しきれていない。
全体的に小物感が漂う作品だった。
あざとい部分も多い。
裸やお風呂などのシーンもかなりの割合で差し込まれ、男の娘メイドなど
確かにキャラクターデザインがよくキャラクターも可愛いので
そういうシーンもいいと思うが、かなりの頻度で差し込まれたのは気になった。
またキャラの口癖「まるっ」「わん」「かしこまり」など
人によってはうざく感じてしまうかもしれない。
本作品で唯一良かったのはロボットデザインだろうか。
日産自動車がデザインに関わっているのだが、
流線型のようなフォルムで可変型というデザインは
シンプルでもろそうなのだが、かっこいい。
だが、1クール1話でのシーンはわくわくしたのだが、
かっこいいロボットデザインを動かし
魅力的な戦闘シーンを作り上げているとはいえなかった
せっかくのデザインがもったいない。
一応本作品は「鴨川」という実際の街を舞台にしているが
この作品は鴨川要素をうまく利用しているとはいえない。
最後まで見た私にとって鴨川は「よく溺れる人がいる街」という認識だけだ
本作品の鴨川・女の子・ロボット・宇宙・輪廻など色々な要素の中で
鴨川という要素は邪魔でしかなかった。
話のまとめ方からして3期はないだろうが、
日産デザインのロボットデザインだけは非常にもったいない。
作るところがしっかりと作れば、あのロボットデザインは
魅了されるほどの戦闘シーンができるはずだ。
本当に色々と残念な作品だった。
最後の最後まで鴨川とジャージ部推しな作品だった(苦笑)
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