そこにいるのは、実直そうな好青年、色気のあるいい女、軍人あがりの中年男、まだ見た目は子供なオタク女、謎の老人、そして1匹の猫。
物語はそこがどこかもわからない隔離された収監施設で始まる。
人生は所詮ギャンブル
FREEDOMやエウレカセブンの制作に携わった佐藤大氏が原案・脚本を手がけた本作品
バンダイビジュアルの上映イベントで放映された
わずか30分のOVA作品だ
基本的なストーリーはミステリー
様々な理由で隔離された収監施設に収監された5人と一匹
ある日、施設が停電し、それぞれの牢屋の鍵が開いた
自由を手にした彼らだが、なぜか5人と一匹外は誰もいない
ここどこなのか、脱出できるのか?
というところかストーリーは始まる
わずか30分なのでトントン拍子に話が進んでいく
序盤は密室の空間と様々な謎、そして不可解な行動を取る二人など
色々な伏線を散りばめていく、この序盤はやや退屈
中盤では「彼らが収監された場所」がわかるが
以外に意外性がない(苦笑)
ネタバレしても「へぇ~」と思うくらいで、
30分の作品の深みを求めるのは酷かもしれないが、あっけない
だが、そのあっけなさを終盤で挽回する
終盤では脱出できるのは1人であることが発覚する。
この終盤の展開は驚いた、たった30分の作品だが
一匹の猫と「ギャンブル」要素、登場人物の一人の意外な正体、そして皮肉。
序盤の退屈感を一気に払拭してくれた気持ちのいいストーリー展開は
見終わった後にもう一度見返したくなる魅力を秘めていた。
この作品を見る方はぜひ2回見て欲しい。
そうすると「最初のセリフは伏線だったんだ」とまず驚き、
その後もばら撒かれた伏線に思わず感心してしまうだろう
ノラ猫と5人の脱出ゲキは30分で心地良い余韻を残してくれた
全体的に質のいい短編小説を読んだような気分だった
30分のショートストーリーではあるものの起承転結がしっかりとしており
きっちりと伏線を生かしつつ、最後に視聴者に「おぉ!」と思わせる
たった30分で人を楽しませることができることを訴えかけられるようだった
ただ難点としてキャラの掘り下げは浅い。
30分で5人と一匹を掘り下げることは不可能で、
キャラクターの名前すら無い。
だが、キャラクターだよりの作品が多い中できちんと
「ストーリー」で楽しめる作品は貴重だ。
作画に関しても手抜きはなく3DCGできっちりと描かれており
30分という短さも良いスパイスだった
酒でも飲みながら友人と見たら、見終わった後にお互い顔を見合わせて
ニヤニヤしてしまうような作品といえるだろう
名作ではないにしろ、面白い作品で佳作はある。
DVDレンタルやニコニコ動画での放送などがあれば見る価値のある作品、
ちょっとシュールですぐ見れる作品が見たい・・・
そんな方にお勧めです。
個人的のこの作品、なんか好きだ(笑)
私はこういう余韻の残る作品が好きなのかもしれない
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