父の不在や自身の病気療養のため、母の実家に身を寄せ夜見山北中学校に転入してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。不思議な存在感を放つ少女・見崎鳴に惹かれ、接触を試みる恒一だが、いっそう謎は深まるばかり。
シンプルホラー
いわゆる「最近の人気女性声優」さんが殆ど使われてない。
かといって無名or新人ばかりというわけでもなく
「渋い」配役と言っていいかもしれない
基本的なストーリーはサスペンスホラー。
家庭の事情で母の実家に引越し、転校してきた主人公
だが彼は引っ越し早々、気胸を患ってしまいⅠヶ月ほど入院してしまう
彼は病院で「眼帯をつけた女の子」に会ってから、
謎の死が主人公の周りで連続して発生する・・・という感じのストーリーだ
始まって早々、ホラー作品独特の
「これから怖いことが始まるよ!」という空気感がバリバリに出ている
主人公と視聴者が全く同じ立場で
「怪しげな街の雰囲気」と「怪しげな学校の雰囲気」を味わう
もう、Ⅰ話の時点からとにかく怪しいのだ(笑)
主人公以外のクラスメイトが何やら目配せをしたりと
怪しい雰囲気を漂わせながら、同時にヒロインである「見崎 鳴」を
いないものとするクラスメイトに違和感を覚えだす。
序盤、3話くらいまでは「謎」がドンドンと積もっていく
だが、3話から悲劇の事件が始まる。
この3話を境に、人が毎話必ず死んでいく。
この毎回のように死んでいくシーンはかなり「グロ」な要素が
リアルに描写されている。
単純な死に方ではなく、悲惨な死に方といえばわかりやすいだろうか
そういった要素が嫌いな方は見るのがきついシーンが多く含まれる
なぜ、3年3組の生徒及びその関係者は死んでいくのか?
なぜ、眼帯の少女はクラスで「いないもの」とされているのか?
この2つを中心にストーリーは展開していく。
注意して欲しいのは、人が死んでいくのは一種の「呪い」であって、
人為的な殺人ではない。
だが、一種の犯人を突き詰めるために物語も動いていく。
ストーリーの系統としては「リング」などが近いだろう
ストーリーに関しては後はお楽しみ・・・としかいいようがない(苦笑)
なにせ、少しでもネタバレを書いてしまうとこの作品本来の
面白さを十二分に味わうことができなくなってしまうためだ。
とある学校のとある学年のとある組で連続で起こる「謎の死」、
いったい何が原因で、いったい誰が原因で、いったい何が起こっているのか・・・
見れば見るほど、このAnotherの「世界観」と
「ストーリー」に飲み込まれていく。
そして終盤に向かえば向かうほど「緊張感」と「残虐」がましていく
特に11話と最終話の惨劇はまさにホラーアニメらしい
ゾクゾクとくる空気が作られていた。
若干、最終話はやりすぎ感が出ていたが・・・(苦笑)
全体的に見てお手軽なサスペンスホラーとしては楽しめる。
だが、逆に言えば「真相」がわかっててても楽しめるかどうかは別で、
もう1度見たいと思えるだけの魅力のある作品かどうかは微妙なところだ
「こいつが死ぬ」と分かってて、「こいつが原因」と分かってて見ても
最初見た面白さよりはだいぶ薄れてしまう。
残虐な死に方や声優さんの演技のお陰で迫力のあるアニメになっており、
ストーリーの伏線の張り方や見ているものの緊張感を煽る展開は楽しめるが、
深みのある内容かと言われれば、微妙なところだ。
こう言ってしまうと蔑んでいるようにも聞こえてしまうかもしれないが
「シンプルなサスペンスホラー」というのが、
この作品に一番しっくり来る言葉ではないかと思う。
シンプルに残虐な方法で死に、シンプルに緊張感を味わい、
シンプルに人が狂い、シンプルに終演を迎える。
だが、シンプルだからこそ面白い。
特にシンプルながらも伏線の張り方は非常に上手く、
wikipediaやネタバレを見ずに、この作品を1話から最終話まで見た人は
最終話で「え!?その人が!?」「あぁぁ!なるほど!それ伏線だったのか!」と
思わず感嘆してしまうはずだ
しかしながら、原作通りに作っているため
アニメならではの展開にしてもよかったのでは?と考えてしまうのは
私がこの作品の粗を探しているからだろうか(笑)
粗を探したくなるほど、この作品はストレートにシンプルに作られている。
純粋に怖く、純粋に緊張し、純粋に楽しめる、そんな作品だ。
最近の凝りまくった作品が苦手な方、久しぶりにアニメでホラーを楽しみたい方、
おすすめです。
決して名作ではないが、堅実に作られた寡作な貴重なホラーアニメ作品でした
2期は恐らくないだろうが
「ヒロインの目の設定」を生かして色々と作れそうな感じもあるが・・・
今後がもし、あるならば期待したい作品です。
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