22世紀。調査ロボット・アララに自分の先祖を調べてさせていたセワシは、戦国時代(1580年)にのび太に負けないほどドジな先祖「のび平」がいたことを知る。セワシは「のび平の欠点を直せば、自分の生活・成績が今より良くなるのでは」と考え、ドラミとアララを戦国時代に送り込む。
戦国時代に着いた2人は、早速少年山賊団「ドクロ組」に入っていたのび平を発見。相変わらずドジで間抜けなのび平を、どうにか普通の子供並のレベルに上げようと奮闘するが…。
夢がいっぱいなドラミちゃん作品
同時上映作品として製作されたドラミちゃんが主役の作品
レビューを書く前にものすごく個人的なことをを書いておきます。
この作品を見るきっかけになったのは子供の頃の記憶、
子供の頃、この作品を見てのび太の孫であるセワシくんが
「イス・テーブル」というだけでイスとテーブルが勝手に出てくるシーンが
非常に印象に残っており、ふと思いだし見直しました。
タイトルすらわからなかったのですが、「ドラミちゃん イス・テーブル」と
検索すると一発出でてきましたw
子供ながらに未来を感じることのできる印象的なシーンでした。
基本的なストーリーはドラミちゃんが主役の作品。
のび太の孫であるセワシは調査の結果、のび太よりダメな祖先がいる事をしる。
のび太よりダメな「のび平」の欠点を直せば
のび太もセワシももっと良い生活になるのでは?と考え、
ドラミちゃんと調査ロボットであるアララを戦国時代へと送り込んだ
というところからストーリーは始まる。
まず、戦国時代という時代設定が良くできている
干ばつと領主の厳しい搾取で生活が苦しいという状況の中で
のび平やその他の子供が山賊をしながら、
「秘密基地」のような場所で自炊生活をしているという状況は
子供ながらに非常にワクワクするシーンだ。
こんな秘密基地を作ってみたい、こんな秘密基地にいってみたい
そんな「子供心」を刺激する要素が序盤から描写される。
この秘密基地の描写が「ありえるかもしれない」という妙な現実感もあり、
秘密基地という当時の子供なら誰でも考えた夢が実現されていた
そんな秘密基地をドラミちゃんはひみつ道具で改善していく
未来の道具であっという間に他畑を探したり、洗濯機型のお風呂があったり、
ふかふかのベッドを作ったりと、
続々といろいろな道具が出てくる様子はテンポが良くて面白い。
そして食事。
真っ白なご飯と焼いた魚という単純なものなのだが、
異様に美味そうに見えてしまい思わずよだれが垂れだす。
子供たちが耕した畑からとれるトマトなどもよく描かれていた
ストーリーのほうも起承転結がしっかりとしてる。
ドラミちゃんが来たことによる戦国時代の子供たちの変化はわかりやすく
のび平が「メガネ」をかけただけで、気持ちが変わり勇気を持って行動し、
それが結果として「領主の搾取」も止めることになるという展開は
わかりやすいが単純に面白い内容に仕上がっていた。
特に最後に敢えて「ドラミちゃんが道具を出さない」という展開は
道具に頼りまくる単純なストーリー展開ではなく、
未来の道具はあくまで「手助け」であり、
少年たちの成長をしっかりと描いていた。
全体的に見て子供の頃に面白かったという印象が
間違っていなかったことを実感させられた。
おとなになった今、あえてこの作品を見てがっかりするような気持ちや
「初戦は子供向け」という印象は一切なく、
大人でもワクワクできるストーリー展開は流石ドラえもんというところだろうか。
当時、子供と一緒に見てたであろう親も一緒に楽しめる映画、
子供も親も「面白い」と感じられるアニメ映画は今や希少だ。
現在、ドラえもんは声優さんたちも代わり映画もリメイクされているが、
本作品がリメイクされることはあるのだろうか?
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