タイトルに偽りあり
原作は一応漫画?な本作品。
ただ、メディアミックス系で漫画、アニメ、ゲーム、小説と
様々な媒体で発表されている作品なので
アニメオリジナル作品と言えるかもしれません。
基本的にこのアニメに「探偵」的なものは一切期待してはいけない。
同時に「オペラ」的要素も無いので、
タイトルからくるイメージはほとんどすべて崩れるw
つまり、「探偵オペラ」という文字だけでこのアニメに惹かれてしまった方は
残念な印象を受けかねないが、基本的にはミルキィホームズという
4人の少女たちのドタバタを楽しむアニメだ。
序盤、いきなり4人の少女たちがトイズという特殊な能力を失う。
例えるなら、プリキュアでいきなり変身能力を失っているような状態(笑)
普通のアニメならば、力を失う関連の話は1話~2話で
力がもどるパターンが多いのだが、この主人公達4人は終盤まで力を取り戻さない。
簡単にいえば、今までは優秀で出来る探偵をして扱っていた4人が
いきなり力を失い落ちぶれてしまうが、探偵をやめたくないために
探偵として活動していきながら、トイズの力を取り戻すというのが芯にある。
だが、芯としてはそれなのだが、このアニメは変な方向に突き抜けてしまっている。
全体的なストーリーはドタバタしながら、毎回起こる事件や
力を取り戻すためにキャラクター達が暴れ回るという感じだ。
序盤こそありがちなアニメの内容で正直いって微妙だったが、
4話以降からジブリのパロディなどを取り入れハチャメチャになっていく
9話に至っては、濡れ衣を着せられて推理をする場面になる。
お!ここまでドタバタ突き抜けてたのに、ここでタイトル通りなことをするのか?と
思ったら、降霊術(こっくりさん)で犯人を
祖先に聞くというスゴ技を持ち出してきた(笑)
この作品を探偵ものとするかどうかは微妙なところだが、
探偵ものと認定するならば、まさに前例がない推理方法と言えるだろう。
ある意味、全話こういったバカバカしさや一種の悪ノリに近いパロディまでを
ストーリーの中にふんだんに盛りこんでおり、それを可愛いキャラクター達が
バタバタチョコチョコと可愛く動きまわりつつ見せている。
このアニメは視聴者に突っ込ませることを前提においている部分も多い。
前途の降霊術による推理や、ジブリのパロディ、
そもそもの根本である「トイズ」を失った理由が不明など、
細かいところを気にするとあれなのだが
そういった細かいところを気にしなくなるほど、
貫き通したテンションと可愛らしいキャラクター達が作品に溢れている。
敵であるアルセーヌ達一行も、普通のヒロインたちの通う学校の先輩や先生などで
ヒロインたちの目の前に現れているのに、ヒロインたちは全然気づかない(笑)
この状況は、アンパンマンに出て来るバイキンマンの変装に似ているものがあり、
それを深夜アニメという媒体でやっているからこそ、
そこに突込みどころが生まれる。
この作品は全体的に視聴者に突っ込ませる。ということが根本にある。
「いやっ!わかるだろ!」「いやいやいやw」「これなんのパロディ?w」といった
見れば見るほど、キャラクターに愛着を持たせる小ネタによる突込みどころを
うまい具合にバランスよく配置し、ハイテンポに進むストーリーとドタバタな展開で
最後まで一気に見ることが出来る作品だ。
最終話の展開も突込みどころも多く、まさかの本格バトル展開へと変わっていったが
全話にわたって行われていた行為がまさかの伏線になっていたりと、
意外にもストーリーの細かい部分にこだわっていたことには若干驚かされた。
全体的に見ると基本的にパロネタや小ネタの元ネタが
わからないと楽しめない点や、ストーリーのテンポがハイテンポなので
繰り返しみると若干疲れてしまう点などあり
このノリについていけない方は楽しめない。
だが、このノリについていくことが出来れば、
1クールでしっかりしたキャラクターの可愛らしさと、
シュールな面白さが詰まっている作品です。
個人的にはこのノリが「ニコニコ動画」の
字幕コメントチックなノリであまり好きではない。
確かにハチャメチャにやることで他のアニメとの差は明らかに出るが、
ニコニコ動画の再生数を稼ぐためにめちゃくちゃなことをやっている人と
似たような印象を感じた。
2期があるならばいろいろな意味で期待反面不安反面というところだ(笑)
毎話見終わった後に「どこから突っ込めばいいのか」と考えてしまうほど
視聴者が突っ込む場面の多い・・・というかほぼ視聴者の突っ込みなしでは
話しとしての体をなしていない内容はある種
「ミルキィホームズ」らしい内容にはなっている。
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