一年戦争が終結して3年、地球連邦軍再建計画に基づきガンダム開発計画が提唱され、その試作機であるガンダム試作1号機、ガンダム試作2号機が性能テストのためにオーストラリアのトリントン基地に搬入される。しかし、ジオン軍の残党がこの情報をつかんでおり、核兵器を搭載したガンダム試作2号機を強奪せんと基地を襲撃する。
女性の不条理さを知れる作品
ガンダムとガンダムZの間をつなぐ作品として製作された
始まって早々描かれる模擬戦、
ザク3機と強化されたジムによる戦闘シーンは
本当にこれが「1991年」に製作された作品なのか!?と驚く
ザクの動き、動きに伴う細かい砂埃や機体の差を意識させるシーン展開、
更にはジムのバーニアを使った華麗な動きは
昨今のデジタル作画では感じなくなってしまったセル画ならではの
機体の重みを意識させる作画は2012年現在見てもまったくもって遜色のない作画だ。
確かに作画の表現は90年代アニメのものだが、動きや質は素晴らしい。
機体の表面の質感も非常に鮮明に描写されている。
1991年当時見たら、アルシュの衝撃を受けたかもしれない。
しかしながらストーリーは至って単調かつ地味。
奪われたガンダムを追うというストーリー展開はいいのだが、
派手で見所のある戦闘シーンに救われ気味で、
ストーリー自体は淡々進む。
更におかしなヒロイン。
本作品のヒロインはニナというガンダムの開発者なのだが、
この「ニナ」というキャラクターは意味不明だ。
序盤はガンダムに執着したキャラ化と思えば、コウに惚れ
そうかと思ったら、いきなりコウを見放したかと思えば、ラブラブになったり
だけどデートに誘われなかったらいきなりブチギレ、
更にはいつのまにか主人公のライバルと元恋人設定が生まれ
(序盤でライバルと対面し「誰?」とまで言っている)
最終的には主人公に銃口を向ける。
はっきり言って情緒不安定すぎる女性だ。
原因として8話から監督が変わったことで、
このヒロインの扱いに何らかの変更があったのだろう。
前半と後半ではもはや「別キャラ」ともいえる彼女の存在が
この作品のストーリー評価を大きく落としている。
ここまで設定がぶれるキャラクターというのは珍しい
中盤以降のストーリー展開も淡々としつつも、
ヒロインであるニナの行動や言動に疑問を感じ素直に楽しみづらい。
主人公のライバルであるガトーや主人公の教育役であるバニングなど
非常に魅力的なキャラもおり、それぞれの行動が渋く描かれてはいる。
特にバニング大尉のあの死に様は、唐突でありながらもリアルな描写で
多くの視聴者を驚かせただろう
そして終盤。
反則とも言える主人公機「ガンダム試作型3号機」は圧倒的すぎる、
確かに戦闘シーンも3号機ならではのシーンは非常に魅力的なのだが
あまりにも強すぎる機体はパワーバランスを崩しすぎていた。
とてもじゃないが、ガンダムとガンダムZの間という時代では
考えられないほど強い機体だ。
更に最後まで理解出来ないヒロインであるニナ。
もう・・・主人公が可哀想で仕方なく、
せっかく第一話からゆっくりと成長してきた彼の存在が否定されるような展開だ
あまりにもライバルであるガトーを立て過ぎな上、
ニナという意味不明なヒロインをストーリーに絡めすぎた
全体的に見て戦闘シーンやMSのデザインだけ見れば★5つを付けられる作品だ。
だが、ニナという最悪すぎるヒロインや、それに伴う辻褄が合わない
ストーリー展開が評価をかなり下げてしまった。
ニナさえ居なければ、この作品の評価はだいぶ違っただろう
最終話最後のシーンが彼女の笑顔というのがまた評価を下げる。
私が見てきたアニメの中でもっとも不快に感じるヒロインはニナ・パープルトンだ
このニナを超えるようなヒロインは今後現れることはないだろう・・・
というか現れてほしくはない(苦笑)
戦闘シーンとMSは本当にかっこいいのにいろいろな部分で損をしてしまっている作品だ
ロボット同士の戦闘さえ楽しめればいい!という方には
全13話という短さもあっておすすめできるが、ある程度キャラに感情移入できる作品を
求めている場合はこの作品は厳しいだろう。
作りこみの甘さが悔やまされる作品だ
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