評価/★★★★☆(69点)
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あらすじ
ごく普通の中流家庭の人々が住む「新市街」と、
裕福層が主に暮らす「旧市街」の2つの区域から成る町「各務台」。
新市街に住む少年「新吾」が通っていた「私立各務台学園」が、
経営難に陥ったことで旧市街の名門女学校「私立結姫女子学園」への統合が計画された。
試験期間として設けられた仮統合前日、選抜生徒のメンバーとなった新吾は、
いつもの様に迷子になった妹の「桜乃」を迎えに行き、
彼女を連れた少女「愛理」と出逢う。
一周回って逆に新鮮
PSPで一応エロ要素のない通常版も発売されています
ストーリー的にはラブコメ。
主人公が通っている学校が経営難で、名門の女学園と統合された
その女学園はお嬢様学校で本格的に統合する前に
主人公や主人公の妹は試験的に編入することになって・・・
という感じだろうか?
まず感じるのは最近のエロゲー原作特有のテンションの高さがない。
しっとりと言えば伝わりやすいだろうか、
始まって早々ハイテンションが多いエロゲー原作が多い中で
このしっとりと入り込みやすい世界観は見やすい。
純粋に物語を楽しませてくれるような期待を感じさせてくれる
そういった世界観と始まりなのでエロ要素は期待してはいけない。
確かにエロゲー原作でありがちな「ラッキーハプニング」こそあれど、
過激なものはほとんどなく、エロゲー原作だが割りと健全なアニメだ。
ただ「光修正」がはいることもあるので、若干余計だったかもしれない
この作品にエロ要素はいらない。
またキャラクターにも癖がない。
最近はいかに癖があるか!で勝負しているアニメが多いが
本作品は「野良メイド」以外は普通の性格のキャラクターが多い。
一歩間違えばテンプレート的なキャラになりがちな所を、
ある意味、一周回ってテンプレキャラ本来の魅力が出ているような印象だった
主人公に関しても、こういうラブコメにありがちな
「なぜ主人公がモテるかわからない」ということがない(笑)
主人公の行動や言動は女性キャラクターが好感的に思い
恋愛へと発展していくのが納得できるキャラクター性で、
こういったラブコメで魅力的な主人公は久しぶりだw
ストーリー展開も実に心地が良い
序盤はお嬢様学校で女学園だったクラスになかなか馴染めない主人公たちが
徐々に馴染んでいく様を丁寧に描く、かなり丁寧に描きすぎはいるが
早すぎず遅すぎないストーリー展開と同時にキャラクターへの
感情移入を強めやすい内容は好感的だった。
無理矢理なイベントが少なく、自然なストーリー展開だ
前半のストーリー展開で、一人のヒロインが純粋に可愛いと感じさせる
この「可愛い」と自然に思わせ、思わず「かわいい」と言葉に出してしまう
恐らく4話、5話までこの作品を見た人は確実にあのヒロインに
可愛いと思ってしまうに違いない
中盤以降も各ヒロインの好感度を効率良く上げていく主人公(笑)
上でも書いたが、主人公がしっかりとしており以外に魅力的なキャラで
恋愛フラグの建て方も違和感なく進んでいき、
各ヒロインも可愛い。
後半のストーリー展開では主人公のルートが決定する。
ただ、このあるヒロインのルートに関して前半予想していた違うルートに
入った事で若干の違和感はあった。
だが、逆に違うルートに入ったことで物語に深みが増した。
この違うルートに入った展開も主人公が本当にブレなかったらこそ上手くいった
あるヒロインにはきっちりと友達宣言をしており
最初から恋愛感情はないことを匂わせており、そのキャラに関しては
切ないながらもまだ救いがあった。
主人公がブレないからこそ「叶わない恋」を
秘めている二人のヒロインの心理描写が生きてくる。
どんどんフラグを立て仲良くなっていく主人公と一人のヒロインの行動をみつつ
二人のヒロインの複雑そうな表情や行動や言動は見ていてこっちまで
切ない気持ちを掻き立てられる。
「叶わない恋」を描くアニメが最近は少なくなった、だからこそ
この「ましろ色シンフォニー」という作品は新鮮に感じる。
恐らく10年前にこの作品が放送されたとしても新鮮味は薄かった、
最近の奇抜なアニメの中でストレートなストーリー展開で勝負したからこそ
本作品はいっっ週回って新鮮に感じ、きっちりと描かれた
一人の少年と3人の少女の恋愛がしっかりと楽しめる内容に出来上がっていた
終盤の展開もまさかの主人公がヒロインに告白して結ばれるパターン、
最後まで一切ブレない主人公とヒロインの恋愛ストーリーを楽しまさせてくれた。
シーンとして描かれては居ないが、恋人同士の聖夜の夜まできっちりと
描いたことは驚いた(笑)
あのキスシーンはエロゲー原作だということを思い出させるシーンだった。
ただ逆に言えば、主人公が選んだヒロイン以外が好きな方にはきつい(苦笑)
主人公はブレてないとはいえ、各ヒロインのフラグをたてまくっており、罪深いw
だからこそ、こういったハーレムラブコメではハーレム展開や
結果を濁すパターンが多い。
この作品も序盤こそ一人のヒロインのルートだと臭わせておいて
後半からいきなり違うヒロインのルートに入ってしまったことで
物語の違和感を感じたことは否めない。
前半のヒロインは後半ではほとんど主人公と会話していないというのも
なんだかしっくりと来ない感じはある。
前半のヒロインが後半空気になってしまうというのは残念だ
全体的に見て完成度が高い作品だ。
エロゲー原作のアニメ作品としては非常によく出来た作品で、
各ヒロインもとても魅力的だ。
ストーリー展開もエロゲー原作にありがちな展開にならず、
きっちりとルートを絞込み、各ヒロインの叶わない恋という心理描写があったのは
非常に好感が持てる作品だった。
しかしながら、ストーリー構成の違和感や他のヒロインの報われなさが
違和感となんとも言えない切なさを産んでしまった。
一緒にお風呂まで入っておいて違うヒロインのルートになるのは酷すぎる
ただ原作を宣伝するためのアニメだったと感じれば、優秀すぎるといえる。
主人公に選ばれなかったヒロインのルートを楽しみたい!と
原作ゲームを買ってしまった人も多いだろう。
私もちょっと迷ってるw
ラブコメとしてみると佳作、エロゲー原作としてみると名作。
という感じだろうか?
一回見る分には十分楽しめるが、もう一度見るとなると展開が分かっていることや
あのヒロインが選ばれない展開になると考えると切なさが増してしまいそうだ。
個人的には予想以上に楽しめた。
原作をやっていない&期待してなかったからこそ
素直にこのましろ色シンフォニーという作品を楽しむことが出来ました。
ストーリー的には完結しているので恐らく2期はないでしょうが
原作をやってみたくなる、優秀な作品でした
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