人間とアンドロイドが共存している未来都市神戸。警察は武装犯罪組織に対抗するために戦車隊(TANK S.W.A.T)を組織していた。
警察庁のネットワークセキュリティを開発したNT社のエンジニアが全国民の個人情報を持っているとの怪しげな通報を受け、レオナ率いる第1分部隊はNT社へと向かう。
30分で見れるB級ハリウッド映画
原作は士郎正宗による漫画作品。
3回OVA化されているが、1番最初の「ドミニオン」を入手できず
本レビューは3作品目のOVAだ。
基本的なストーリーはSF。
人間とアンドロイドが共存している世界で凶悪犯罪に対抗するため
小さな戦車で街の平和を守る「戦車隊」があった。
主人公はそんな戦車隊の分隊長で、オフィスビルに日本全国民の個人情報がつまった
データディスクの回収を行なっていたという所からストーリーは始まる。
見だして感じるのはCGの質だろう。
2006年に制作された作品ではあるがCGの質はそこそこで、
所々「軽く」感じてしまうという3DCGの欠点こそ出ているものの
それほど酷いと感じない、それなりの出来栄えだ。
特にタンク同士での打ち合いのシーンなどはよくできており、
砲弾を車体のまるさで弾くという細かい演出などもCGで生きていた
しかし、その反面物語後半からタンクではなくアンドロイド達の動きが
シーンの主軸となって描写されてしまっており、
3DCGの欠点でもある「軽さ」がシーンの軽さに繋がっている点も多かった
派手なシーンも多い。
巨大な照明を敵に落とすシーンなどもあるのだが、
これはシーンの面白さよりも「ストーリー的な無茶」が目立ってしまっており
その展開は在りなのか?と感じてしまう部分も多かった
ストーリー自体は30分でよくまとまっているとも言える。
戦車隊が日本全国民の個人情報のは行ったディスクを回収、
そのディスクを奪いに「おっさん」のアンドロイドが登場し
頭脳戦をやりつつ物語を展開する。
軸となるストーリーは悪くはない。
テンポよく進むストーリー展開とアンドロイドの盲点をついた頭脳戦など
評価スべきポイントもあるのだが、
キャラクターの行動に感情移入でにくい部分がかなり多かった。
特に警視。
彼はよく知らないが「アンドロイド」を恨んでおり信頼できず、
仲間のアンドロイドが一切信用できず、敵のアンドロイドの言葉ですぐ
仲間のアンドロイドも敵をみなそうとするわ、
味方が人質になってれば撃ち殺そうとするわともう滅茶苦茶だ(苦笑)
続編などが作られれば彼があそこまで極端なキャラになっている理由が
わかるのかもしれないが、30分という枠では滅茶苦茶なキャラ描写になってしまっている
全体的に見て圧縮したハリウッド映画のようだった。
派手なシーン、突っ込みどころのあるシーン、滅茶苦茶なキャラと
B級と割りきって見さえすれば、30分という短さもあり気軽に見れる作品ではある。
だが、士郎正宗作品のアニメ化と考えるとこの軽さは微妙な感じだ
これが1話完結ではなく1クールや、映画だったりしたら評価は違っただろう
30分という短さが圧縮しすぎている部分やキャラ描写の不足などに繋がっており
早い安い旨いの牛丼のような作品に仕上がってしまっている。
個人的には前作のアニメ化よりも今作のほうが圧倒的に見やすかった。
素材は悪くないだけに「ドミニオン」はもっと面白いアニメになるはずという
可能性を感じる作品だ、がっつりと2クールなTVアニメや2時間の映画として
ぜひドミニオンの再アニメ化待ってます。
ProductionIGあたりがアニメ化してくれるのが1番なんですが・・・・(苦笑)
この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください