舞台は19世紀のイギリス。科学技術が目覚しい発展を遂げていた時代。マンチェスターに住むレイは、オハラ財団に出向したため渡米している発明家の祖父ロイドと父エドワードと同じく、発明が好きな少年だった。
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総製作費24億円・・・?製作期間9年・・・?え・・・無駄?
本作品は『AKIRA』などでお馴染みの大友克洋監督による映画作品。
総製作費24億円、製作期間9年という時間もかけている作品だ
しかし、その時間と金は無駄だった
基本的なストーリーはアクション。
ある日、主人公のもとに「スチームボール」というものが祖父から送られてくる
届いた瞬間に祖父が働く機関の男二人が家を訪ねてくるが、
祖父の手紙には渡してはならないと書いてあり・・・という所からストーリーは始まる
まず見だしてがっくりする、その原因は「声優」だ。
特に主人公は鈴木杏さんを起用しているのだが、
演技は下手でキャラクターに感情移入しづらくキャラクターデザインと声も合っていない
彼女だけではなく、一部を除いた主要声優の俳優の声の演技はひどい
そのせいで作品全体のキャラクターへの感情移入や世界観に浸ることができない
脇役にはきちんとした声優さんを使っているだけに余計に目立つ
9年も掛けた作品にきちんとした声優ではなく、俳優を使っている点で
すでにこの作品の程度が知れる。大きな声を出すシーンの演技の酷さは致命的だ。
鈴木杏の顔が浮かんできてしまう、声を当てているだけにすぎない
確かに作画は素晴らしい。
作品中に多く出てくる蒸気機械は細かく描写されており、
水蒸気をまき散らしながら激しく動く蒸気機械は迫力のあるシーンだ
しかしながら、ストーリーが致命的に退屈だ。
本編は約2時間あるのだが、序盤から中盤までのテンポが悪く余計なシーンも多い
特に「作画」を見せたいシーンの多さは顕著で、
肝心のストーリーが進まないで背景や蒸気機械が動く様が流れるシーンも多く
ストーリーのテンポを余計に悪くしていた。
作画を見せたいのはわかるが、あまりにも良い作画のシーンも長回しにし過ぎだ
序盤の大切な「スチームボール」とは一体ナンなのか?というのを
キャラクターが解説してる中で、お嬢様キャラがいちいち会話を邪魔をする
お嬢様キャラはそういうキャラクターであることは分かるのだが、
物語で重要な話をしている時にいちいち茶々を入れてくるため
その設定が頭に入ってこない、このお嬢様キャラは必要性を感じない
更には序盤はスチームボールを取り合ってアクションを繰り広げていたのに、
中盤になるとそんなアクションはなく、感情移入できない主人公とヒロインのシーンや
地味な「バルブの開け閉め」のシーンが続く
これらのシーンも「作画を見せたいだけの」シーンが多い。
ようは祖父と父で主張が違う。
偶然生まれた超圧縮蒸気機関である「スチームボール」、
主人公の父はそんなスチームボールを科学の進歩と人のために使おうと、
科学は力であり兵器として利用しようとしている。
主人公の祖父は科学を戦争のために利用したりするのは反対。
他の大人も「スチームボール」を兵器として利用しようとしている
そんな中で主人公はどんな答えを出すのかというのがストーリーの軸だ
だが、主人公はブレブレだ。
祖父からボールを受け取ったら逃げ、逃げたと思ったら捕まり父親のいうことを真に受け
そうかと思えば祖父が正しいことを言っていると気づきまた逃げ、
逃げた先でまた騙されスチームボールを兵器に利用され、また逃げる。
同じような展開を繰り返し、その中で大人たちのそれぞれの主義主張を交えつつ
主人公の考えを固めていく。
しかし、終盤のストーリー展開はめちゃくちゃで、
博覧会場ではそれぞれの国の武器や兵器などを見せるだけのはずだったのだが、
なんか知らないがいつのまにか戦争が始まって互いの国の兵器でバシバシ攻撃しまくり、
ラピュタもびっくりな城が動き出し、なんやかんやでお城崩壊。
それまでのグダグダストーリーから一変、
バタバタすぎてよくわからない状態になっている(苦笑)
最終的に結局何が言いたかったのか?というのが見終わった後に何も残らない。
科学は何のために使うのがいいのかという本作品の主軸を
主人公が結果として伝えなければならないのだが、何も伝えない。
主人公は結局は周りに言われるがまま、されるがまま行動しているだけで
父親や祖父の意思を変えることはない。
本当に主人公とヒロインの行動や言動に終始イライラしっぱなしの作品だ
これが2時間ではなく、1時間半ならもっとテンポが良くなったかもしれない。
2時間が本当長く感じてしまうほどのグダグダ感は映画としては致命的だ
劇場で見ていたら途中で寝てしまうような内容だ。
全体的に展開が古い、緊張感のあるシーンの中で
スチームボールを取り合いのはいいのだが予測できる展開が多く
その予測できる展開がどこかで見たようなシーンの連続。
「ジブリアニメ」で見たようなシーンも多く、
その割にはジブリアニメにあるような「人物の魅力」がない。
グダグダのストーリーの割りには人物描写が甘いの致命的だった
確かに作画の質はいいのだが、その質に見合う「シーン」は少ない
思わず「おぉ!」と唸ってしまうほどの
AKIRAの大友克洋監督の名に恥じぬ名シーンというのが無い。
作画の質がいいだけの劇場アニメになってるのは残念だ。
大金を掛けたからといって、時間を掛けたからといって、有名な監督が作ったからといって
名作が生まれるとは限らないというのが分かる作品だ
大金と時間をかけて、この作品で何がしたかったのだろうか。
作画の質自慢だろうか・・・・?
最後まで見終わっても「何がしたかったのか」、わからない作品だった。
続編の噂もあったが2012年現在は情報はない。
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