主人公に注目
原作はニトロプラスが発売しているゲーム。
ゲーム中に「妄想する」を選ぶと主人公の妄想の世界を見ることができる。のが特徴な作品
基本的なストーリーはサイコサスペンスに妄想を+したもの。
原作がギャルゲーなだけに、キャラクターデザインはそっちよりだが
被害妄想が強い主人公と、クセのあるヒロインたちのおかげで、
どんどんと世界感に魅入ることが出来る作品だ。
序盤はサスペンスとも言える展開だ。
被害妄想が酷く、精神的にもかなり不安定な主人公が
自分がやっていないことをやっているような感覚に陥る。
猟奇的な殺人現場に自分が居たり、殺害に使われた剣が自分の部屋にあったりと
見ているこっちも、本当にこの主人公はまともなのか?と疑う演出だ。
その最たるは主人公の「妄想」シーン、隣に女の子がいると水着姿や下着を想像したり
アニメキャラクターを妄想で実現させていたりと、かなりイっちまっているキャラだ(笑)
ストーリー進行も主人公の妄想+猟奇的な殺人やそれを固める
信用できない女性キャラクター達。
そのせいで芯となる猟奇的な殺人の犯人が「本当は誰なのか」が一切わからない。
おかげで序盤は先が気になって仕方がない、
主人公に好意を持っていたと思われていたキャラは病みだすし、
他の誰にも見えない不思議な剣を出現させたりと、
現実と妄想の境をあやふやにする演出が光る序盤はサスペンスものとして楽しめる。
しかし、後半。
猟奇的な殺人の犯人や、主人公の秘密や、剣の秘密など
全てが「ファンタジー」で片付けられてしまっている(苦笑)
妄想や精神病のような種明かしがあるのかと思ったのだが、
それが全て「妄想を現実に変える力がある」という設定ですべてを片付けてしまっている。
もう、これはかなりがっかりだ。
敢えてたとえるなら、推理ものアニメで密室の殺人があり、
トリックが犯人は「テレポート」を使えるからだったんだ!というような感じです。
終盤のネタバレはご都合主義全開で、期待なんてしてなかった戦闘シーンを見せられる。
この戦闘シーン部分も作画が不安定かつ単純なアクションで魅力がない、
どうせなら序盤のサイコサスペンス的なノリで最後まで突き進んでいけば
もっと面白い作品になったかもしれないだけに非常に残念だ。
もし、私が脚本を書くならばファンタジー要素はなくし
あの精神科医を犯人にして・・・と色々いじれそうな部分が多々ある。
根本にある設定や序盤から中盤までのストーリーが期待の高まる内容だっただけに
ファンタジーで片付けられてしまったことで評価が落ちてしまいました。
変にバトル要素やファンタジーを入れてしまった結果、
作品の芯となる「妄想」や「精神」の要素がブレてしまい
厨二病全開なファンタジーに仕上がってしまった。
しかし、全体的にツマラナイわけじゃない。
序盤のサイコサスペンスからのファンタジー展開は確かに超展開だが
先が気になるストーリーであることには変わらず、
後半のストーリーに序盤の伏線を回収するだけの説得力がなさすぎるだけで
もう少し脚本で巧く補っていれば、超展開ももう少し紛れたかもしれない。
ただここまで精神的におかしな主人公も珍しく、
彼のひきこもりオタク的なところや彼の妄想はとても独創性のあるキャラクターだった。
個人的には彼がすべての犯行をやっていたというような展開でも納得できたかもしれないw
全体的に原作のゲームの宣伝にはなったかな・・・という印象です。
決してツマラナイわけじゃないが、見た後で「なんか結果的にいまいちだったな」という
感想が残ってしまう作品です(苦笑)
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